岩国乗馬クラブに行ってアースを出そうと厩舎に入った。
するとアースの隣の部屋に見かけない馬がいた。どこにでもい
そうな茶色の馬だったが顔が小さく、人間で言う八頭身のよう
な均整の取れたスラリとしたスタイルをしている。新馬の表札
を見ると５歳のメス馬だった。
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馬場に出てアースに騎乗していると、新馬が馬場に出てきた。
どんな馬なんだろうかと興味を持ち、入口付近にいる新馬に近
づこうとすると「蹴りますので近づかないで下さい」。
アースは１５歳だが、新馬は５歳でアースより１０歳も若いの
で体力的にも強いので、蹴られたらたまったものではない。
隣の馬場で新馬の様子を見ると、スラリとした体から駈歩をす
る姿は軽快そのものだった。
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新馬は元サラブレッドで、岩国乗馬クラブで乗馬用として調教
をするという。サラブレッドは引退をすると大半は処分される
のでここに来た新馬は非常にラッキーとしか言い様がない。
新馬のオーナーさんに聞いてみた
「競馬では何戦戦って、何勝したんですか」
「１戦して、未勝利なんです」
それを聞いて、次の言葉が出てこなかったが、１戦しかしてい
ないと言うことは怪我をしたか、サラブレッドとして問題があ
り烙印バンを押されたのであろう。オーナーさんに救われた命
、丸くなって謙虚な余生を送ってもらいたいもの。
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