自然界のおきて

昨日、昼の弁当を食べているとパンという音がしました。何かが看板に
当たったような音のようで、ふと外を見てみると小さな物体が落ちてき
ました。駐車場にパタンと落ちた物体は、跳ね返りバタバタと４、５回
動きました。見るとその小さな物体はスズメでした。
看板に当たり、地面にたたきつけられたスズメは、痛さのあまりのたう
ち回って動きがピタッと止まってしまいました。
足を地面につけてとまっているので、気絶してしまったのか痛みが回
復するのを待っているのかわかりません。するとふたりの男子中学生が
自転車を押しながら歩いてきました。スズメは絶体絶命のピンチです。
道路を歩く中学生と駐車場で息を潜めているスズメの距離は２ｍです。
ふたりの中学生は話しに夢中になり、どうやらスズメの存在に気づかず
に通り過ぎてしまいました。もしスズメが少しでも動けば、道路を通り
ゆく中学生にはわかる距離ですが、スズメは自分の身を守るために本能
的に石のように動かなかったようなのです。
１０分ほどピクリとも動かなかったスズメですが、突然空へ向かって飛
び立ちました。大空に飛び立つ時にある光景を見て愕然としました。
スズメは事務所のランマのガラスに一度当たって、飛び立っていったの
です。ガラスから電気の明かりがもれ、その明かりに向かってみたけれ
どガラスに当たり方向を変えて大空に飛び立ったのでした。
看板に当たったり、ガラスに当たったりしたスズメはほとんど視力がな
かったようなのです。それでも巣から飛び立ったのかもしれません。
自然界に生ていくスズメのはかなさを感じました。

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