ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

文語訳 旧訳聖書 Ⅰ 律法(モーゼ五書)岩波文庫

2020年03月06日 | 書評
鬼怒川の夕日 2020年2月9日 午後4時40分

旧約聖書全39書のうち律法は、モーゼ五書(創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記)を収める  第31回

2) 「文語訳旧約聖書 Ⅰ 律法」(岩波文庫2015)

2-4) 民数記略    (その1)


民数記略は36章(95頁)からなる。イスラエルの氏族の民の数(人口)を克明に記した。日本でいえば総務省統計局「国勢調査」のような記載です。事実かどうかは不明ですが、その記憶力に驚きます。固有名詞と数値の羅列が続きます。表にすればもっと見やすいのに残念です。歴史は、40年間の放浪生活からカナンの地に落ち着くまでの困難な時期を描いています。物語性に優れた記ですが、あまりに詳細でイスラエルの地名や歴史に一定の知識がないとついてゆけません。ゆっくり読むことが一番大事です。
第1章: エジプトの国から出て次の年の2月1日、エホバはモーゼに命を出した。イスラエルの全子孫、全会衆をその宗族に従って調べ、20歳以上の男丁(戦力、納税の規模を知るため)の数と頭数を軍旅組織に従って報告せよという達しであった。そして支派の父祖の家の長一人を長老とせよ。(行政、軍事組織の責任者となる)モーゼとともにイスラエルの民を指導する人(支族ー頭)は、イスラエル12支族について、ルベンーエリズル、シメオンーシルミエル、ユダーナション、イッサカルーネタニエル、ゼブルンーエリアブ、エフライムーエリシヤマ、マナセーガマリエル、ベニヤミンーアビダン、ダンーアヒエゼル、アセルーパギエル、ガドーエリアサフ、ナフタリーアヒラである。彼らは支派の牧伯、千人の長である。モーゼとアロンンは、2月1日シナイの野において全会衆(20歳以上の男子)を集め数えた。その結果を支流ごとに記す。ルベン46,500人、シメオン59,300人、ガド45,650人、ユダ74,600人、イッサカル54,400人、ゼブルン57,400人、エフライム45,500人、マナセ32,200人、ベンヤミン35,400人、ダン62,700人、アセル41,500人、ナフタリ53,400人であった。従ってイスラエルの全男丁は60万3550人であった。ただしレビの支流は祭司なので数えない。
第2章: イスラエルの軍揃えを記す。集会場の幕屋の周囲(四方)において支流の隊の旗のもとに営をはる。
東の方にはユダの営の旗の下につく軍旅は、ユダ74,400人、イッサカル54,400人、ゼブルン57,400人で合計186,400人である。
南の方にはルベンの営の旗の下につく軍旅は、ルベン46,500人、シメオン59,300人、ガド45,650人で合計151,450人である。
西の方にはエフライムの営の旗の下につく軍旅は、エフライム40,500人、マナセ32,500人、ベニヤミン35,400人で合計108,100人である。
北の方にはダンの営の旗の下につく軍旅は、ダン62,700人、アセル41,500人、ナフタリ53,400人で合計157,600人である。
以上の4つの軍旅の合計は603,550人である。(総男丁の数に一致する)
第3章: レビ族支派の子孫について述べる。アロンの子は、ナダブ、アビウ、エレアザル、イタメルの四人である。レビ記第10章で述べたように、ナダブ、アビウの二人はエホバに異火を献じたために死に、エレアデル、イタメルは膏を灌がれて祭司となった。レビの支派はアロンの職に替わり幕屋の役事を担った。レビ人の長子はエホバの世話に当たる祭司となる運命となった。エホバはモーゼにレビの子孫(1か月以上の男子)をその宗族に従って数えるように命じた。レビ支派の子の名前は、ゲルション、コハテ、メラりである。ゲルションの子等はリブ二、シメイ、コハテの子等はアムラム、イズハル、ヘブロン、ウジェル、メラりの子等はマヘリ、ムシである。
ゲルション族(リブ二族、シメイ族)の1か月以上の男子の数は7,500人で幕屋の西に営を張る。その仕事は幕屋と天幕とその蓋い、幕屋の入り口の帷、庭の幕、庭の入り口の帷、縄などを管理する。
ウジェリ族(アムラミ族、イズハリ族、ヘブロン族、ウジェリ族)の1か月以上の男子の数は8,600人、幕屋の南に営を張る。その仕事は律法の函、机、灯台、壇に用いる器具、帷の管理である。
メラり族(マヘリ族、ムシ族)の1か月以上の男子の数は6,200人、幕屋の北に営を張る。その仕事は幕屋の板、横木、柱と座、庭の周りの柱、釘、縄、そして器類の管理である。
モーゼ、アロンの族は幕屋の東に営を張る。その仕事は聖所の職守を務める。
レビ族の1か月以上の男子の数の総数は23,000人である。

つづく)