第28回日本医学会総会「命と地球の未来を開く医学・医療」 第3回
第2章 「医療人を育てる」 吉岡俊正(東京女子医科大学理事長・医学教育学)
医学という科学分野の進歩によって医療者の教育は裾野が広がっている。医者は薬を出すことではなく、患者さんが満足する医療を提供する「双方・コミュニケーション」というサービス業であると云う考えが流行している。「説明できる医療」、「安全な医療」、「根拠に基づく医療」という観点での教育が必要である。医療系の教育には教育の質保証が必要である。「共用試験」に参加する大学では「コアカリキュラム」に基づいた教育を行なう。そして医師国家試験基準が設けられている。社会が医師に求める資質に「コンピタンシー」(専門的実践能力)があるが、新医師研修制度の卒後2年間で1人でこなせる能力を持たせることが目標である。そしてチーム医療において職種間教育が必要で、専門家医のはやす役割を意識することが求められる。患者が国際間を移動することは「メディカルツーリズム」といわれているが、医師の国際移動は欧米では常識となってきているが(弊害も指摘されている)、日本ではまだ顕在化していない。教育ならびに医師の資質保証に関する国際基準が求められる由縁である。
第2章 「医療人を育てる」 吉岡俊正(東京女子医科大学理事長・医学教育学)
医学という科学分野の進歩によって医療者の教育は裾野が広がっている。医者は薬を出すことではなく、患者さんが満足する医療を提供する「双方・コミュニケーション」というサービス業であると云う考えが流行している。「説明できる医療」、「安全な医療」、「根拠に基づく医療」という観点での教育が必要である。医療系の教育には教育の質保証が必要である。「共用試験」に参加する大学では「コアカリキュラム」に基づいた教育を行なう。そして医師国家試験基準が設けられている。社会が医師に求める資質に「コンピタンシー」(専門的実践能力)があるが、新医師研修制度の卒後2年間で1人でこなせる能力を持たせることが目標である。そしてチーム医療において職種間教育が必要で、専門家医のはやす役割を意識することが求められる。患者が国際間を移動することは「メディカルツーリズム」といわれているが、医師の国際移動は欧米では常識となってきているが(弊害も指摘されている)、日本ではまだ顕在化していない。教育ならびに医師の資質保証に関する国際基準が求められる由縁である。
(つづく)