医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年12月23日)「新型インフルエンザ難民が街中にあふれる日」 木村知 T&Jメディカルソリューションズ より
筆者は「年中無休クリニック」を運営する医師である。そういった「とりあえず医院」の存立を危くする「診療報酬」では、医院を閉めたり、時間制限をせざるを得ない。そうすると「新型インフルエンザ患者」は行き場を失い(アクセス不能となり)、街中にインフルエンザ難民が溢れることになるという恐怖シナリオが現実のものにならざるを得ないというお話である。今朝のニュースでは「診療報酬は0.2%のプラス改定とする」と厚労大臣が「コンクリートから人へ」の政策転換への第1歩だと誇らしげに記者会見をしていた。実は「焼け石に水」に過ぎないのであるが。小泉内閣時代の財務省の医療費対策方針は、「医療費は財政の厄介者、医療費引き上げは医者を設けさせるだけで、国民負担、保険負担を逼迫させる」という論理がまかり通っていた。医療機関のなかで医者の経費的位置は、全国250万人の医療従事者の中で医師の人数比率は病院では10.8%、一般診療所で16.8%であり、人件費比率は病院で22.8%、診療所で35%と言われている。すなわち総医療費のうち医者の人件費は2%-6%を占めるに過ぎない。財務省の言い分は明らかに欺瞞である。問題を医者にすりかえる意図に満ちており、医療配分を減額した場合、医療機関は人件費の削減(人減らし、おもに看護婦・事務員)に向かい、労働時間の短縮すなわち医療機関の開業時間の縮小となり、「年中無休クリニック」はそもそも存立できなくなる。すると夜間・休日の急患のアクセスが制限される。すなわち医療費を下げると、患者さんから診療の機会を奪うことになる。
筆者は「年中無休クリニック」を運営する医師である。そういった「とりあえず医院」の存立を危くする「診療報酬」では、医院を閉めたり、時間制限をせざるを得ない。そうすると「新型インフルエンザ患者」は行き場を失い(アクセス不能となり)、街中にインフルエンザ難民が溢れることになるという恐怖シナリオが現実のものにならざるを得ないというお話である。今朝のニュースでは「診療報酬は0.2%のプラス改定とする」と厚労大臣が「コンクリートから人へ」の政策転換への第1歩だと誇らしげに記者会見をしていた。実は「焼け石に水」に過ぎないのであるが。小泉内閣時代の財務省の医療費対策方針は、「医療費は財政の厄介者、医療費引き上げは医者を設けさせるだけで、国民負担、保険負担を逼迫させる」という論理がまかり通っていた。医療機関のなかで医者の経費的位置は、全国250万人の医療従事者の中で医師の人数比率は病院では10.8%、一般診療所で16.8%であり、人件費比率は病院で22.8%、診療所で35%と言われている。すなわち総医療費のうち医者の人件費は2%-6%を占めるに過ぎない。財務省の言い分は明らかに欺瞞である。問題を医者にすりかえる意図に満ちており、医療配分を減額した場合、医療機関は人件費の削減(人減らし、おもに看護婦・事務員)に向かい、労働時間の短縮すなわち医療機関の開業時間の縮小となり、「年中無休クリニック」はそもそも存立できなくなる。すると夜間・休日の急患のアクセスが制限される。すなわち医療費を下げると、患者さんから診療の機会を奪うことになる。