辛夷 亜紀子
辛夷まづひらく道なり選み行く
嫁ぎきしより好みたるあをさ汁
枯葦の水黒々と春兆す
帰りたげなり白腹も鶫らも
臘梅や四隣明るく住みなせる
春一番朝の予報士知己のごと
辛夷の芽いまかいまかと総立ちに
渡りゆく目白一座に入りたし
春鴉何か告げをり聞き入りぬ
春落葉髪もあるやも梳る
良き声す辛夷の下の蟇
耳慣れぬひと節はさみ囀れる
老いたれば切に春待つ五体かな
午からの日ざし待たるるひゝなの日
辛夷 亜紀子
辛夷まづひらく道なり選み行く
嫁ぎきしより好みたるあをさ汁
枯葦の水黒々と春兆す
帰りたげなり白腹も鶫らも
臘梅や四隣明るく住みなせる
春一番朝の予報士知己のごと
辛夷の芽いまかいまかと総立ちに
渡りゆく目白一座に入りたし
春鴉何か告げをり聞き入りぬ
春落葉髪もあるやも梳る
良き声す辛夷の下の蟇
耳慣れぬひと節はさみ囀れる
老いたれば切に春待つ五体かな
午からの日ざし待たるるひゝなの日