Nonsection Radical

撮影と本の空間

グラムあたり

2010年04月28日 | Weblog
某月某日
このところカール・ツァイスの一眼レフ用レンズの発売が続いているようだ。
性能は良いらしいが、外装が金属で、かつレンズもでかくて重い。
重さに比例して価格も高い。
「純正」レンズとの違いを見せる作戦だろうが、このような事が出来るのも会社のガタイがデカイからであろう。
なんでもコストコストとコストに見合った品質を最近の企業は追い求めるが、同じコストに見合った品質でも、値段が高くて品質が良いという流れを日本の企業は忘れてしまったようだ。
量産で安くたくさん売るか、少量を高く売るか、どちらの方法を選んでもいいのに、日本では量産こそ最善というような風潮が主流だ。
だから量産工場を建てれば、自然と規模は大きくなり、規模を維持するために数を売らなければならない。
モノが売れなくなると、とたんに規模の大きさがネックになる。
モノが売れる新興国向けにモノを作れば、値段の安いものが中心になる。
利益を得るためには更に大量に売らなければならない。
いつまでたっても自転車操業状態。

モノを買う方も、いつまでも新製品を追いかけてばかりいられないので、高くても価値が認められるものを長く使うという考えも自然と芽生えてこよう。
高いものはそれより安いものへ目移りしない傾向がある。
だから高いモノを最初に買えば、買い替え欲求が生まれてこないので、結局は安くつくのだ。
というわけで、グラムあたりの値段は高いが、ツァイスのレンズを買えば、長く使えて浮気もせずに楽しい時間が過ごせるのであろう。
コメント (5)
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