Nonsection Radical

撮影と本の空間

記憶と検索

2010年04月23日 | Weblog
某月某日
会社帰りに小さな書店に飛び込んだ。
オール讀物を手に取り、文庫コーナーへ。
レディ・ジョーカー下巻を探すが見当たらず。
著者名で並ぶ棚を眺めるが作者名が思い出せず。
レジにはバイト風ダンシ。
バイトじゃ訊いてもわからないだろうなぁと思うが閉店時間が迫っていて、仕方なしに「レディ・ジョーカーって誰が書いていましたっけ?」と訊くと・・・
端末をたたきました。
そりゃそうだわなと思いながら検索結果を待つと、「高村薫ですね」と正解が。
「あります?」と訊くと「すべて在庫切れですね」と端末を見て返答。

こんな地方都市の小さな書店でバイトがいちいち棚を覚えているわけがないとは理解しながら、時代は変わったなと実感。
書店員と言うのはだいたいが本好きで、受け持つ棚の中味を覚えていて、問い合わせに即座に「記憶」で答える、というのが昔の考え。
今ではあらすじを言って何の本かとか、今朝の新聞に出ていたあの本とか、誰それの有名な、しかし名前を忘れたあの本とか、そういう問い合わせには端末では答えてくれないだろう。
人を当てにせず、しっかりとメモして出かけるように心がける事にした。

しかし高村薫を忘れるとは・・・
コメント
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