原子力戦争 田原総一朗著 講談社文庫 読了。
大変面白い本だった、今から思えばね。
今からというのは、書かれた1970年代と2011年を経てという事。
本著は「小説」なんだけど、まあ同様な事は当時も行なわれていたのでしょう。
そして40年ほど経った21世紀には、”当事者”であった人で亡くなった人も少なからずいるでしょう。
そして現在も存命の方もいるでしょう。
どう思っているんでしょうかね。
「どう」ってのは、原発の事故があったという事ではなく、自分が「社会」の第一線で働いていた時に抱いていた将来の認識が、21世紀になってみてまったく外れていたことに対する「どう」って事にですよ。
高度成長が”かげり”をみせて、これではいかん、日本は沈没する、成長するにはエネルギー政策が必要だ、ということで原発推進した時代でしたが、実は”かげり”ではなくて、今から思うと「終焉の始まり」だったのがわかるわけで、同時に田中康夫著の「なんクリ」ではないけれど、日本社会の衰退の始まりだったわけですよ。
予想したグラフのように日本のエネルギー消費が伸びたわけでもなく、再び高度成長を取り戻したわけでもなく、逆に嘲笑されていたゼロ成長社会になってしまったわけです。
つまり当時それこそ命を懸けて推し進めようとした”政策”が、まったくトンチンカンな行ないであった事に対して「どう」思っているんだろうなぁと思うんです。
現在は企業も短期の収益の結果だけに経営の主眼を置いているわけだけど、結局政策なんてものも、当時から短期的なものの見方でしかなかったと、トンチンカンな行ないが必死になって行なわれていたのを”今”になって「バカなんじゃないの」と笑いながら思うわけですよ。
そうやってバカにする事を不愉快に思う人もいるだろうけど、一方で”現在”を予測して何かしら手だてを打っていれば、こうまでは悪い世の中にならなかったんじゃないのかと思うんですよ。
そんな予測は不可能だというのなら、エネルギー不足が深刻化して日本の産業が壊滅するから大変だ、という”予測”がどうやって出来たんですか?
そういう”予測”だけは出来るんですかね、不思議ですね。
まあ、その”予測”も外れたわけですがね。
こうやって過去の本を読む事は、過去に行なった”予測”の「答え合わせ」をする事だから面白いんですよ。
もちろん社会や経済もそうですが、本著の原子力に関しても「答え」は出てしまったんですからねぇ。
それにしても当時の”当事者”たちの「答え合わせ」の結果はどうだったんでしょうねぇ。
佐野町の街並み 1
滋賀県東近江市垣見町,佐野町
撮影 2014年12月13日 土曜日 12時00分
大変面白い本だった、今から思えばね。
今からというのは、書かれた1970年代と2011年を経てという事。
本著は「小説」なんだけど、まあ同様な事は当時も行なわれていたのでしょう。
そして40年ほど経った21世紀には、”当事者”であった人で亡くなった人も少なからずいるでしょう。
そして現在も存命の方もいるでしょう。
どう思っているんでしょうかね。
「どう」ってのは、原発の事故があったという事ではなく、自分が「社会」の第一線で働いていた時に抱いていた将来の認識が、21世紀になってみてまったく外れていたことに対する「どう」って事にですよ。
高度成長が”かげり”をみせて、これではいかん、日本は沈没する、成長するにはエネルギー政策が必要だ、ということで原発推進した時代でしたが、実は”かげり”ではなくて、今から思うと「終焉の始まり」だったのがわかるわけで、同時に田中康夫著の「なんクリ」ではないけれど、日本社会の衰退の始まりだったわけですよ。
予想したグラフのように日本のエネルギー消費が伸びたわけでもなく、再び高度成長を取り戻したわけでもなく、逆に嘲笑されていたゼロ成長社会になってしまったわけです。
つまり当時それこそ命を懸けて推し進めようとした”政策”が、まったくトンチンカンな行ないであった事に対して「どう」思っているんだろうなぁと思うんです。
現在は企業も短期の収益の結果だけに経営の主眼を置いているわけだけど、結局政策なんてものも、当時から短期的なものの見方でしかなかったと、トンチンカンな行ないが必死になって行なわれていたのを”今”になって「バカなんじゃないの」と笑いながら思うわけですよ。
そうやってバカにする事を不愉快に思う人もいるだろうけど、一方で”現在”を予測して何かしら手だてを打っていれば、こうまでは悪い世の中にならなかったんじゃないのかと思うんですよ。
そんな予測は不可能だというのなら、エネルギー不足が深刻化して日本の産業が壊滅するから大変だ、という”予測”がどうやって出来たんですか?
そういう”予測”だけは出来るんですかね、不思議ですね。
まあ、その”予測”も外れたわけですがね。
こうやって過去の本を読む事は、過去に行なった”予測”の「答え合わせ」をする事だから面白いんですよ。
もちろん社会や経済もそうですが、本著の原子力に関しても「答え」は出てしまったんですからねぇ。
それにしても当時の”当事者”たちの「答え合わせ」の結果はどうだったんでしょうねぇ。
佐野町の街並み 1
滋賀県東近江市垣見町,佐野町
撮影 2014年12月13日 土曜日 12時00分