癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

DVD映画「そこのみにて光輝く」

2019年08月31日 | 読書・映画

 昨夜は雷が轟き、珍しいほどの豪雨に見舞われた。函館も警戒レベル3が発令されたようだ。低い土地や低い川の付近では道路に水が溢れたり、浸水被害を受けた家もあったらしい。

 8月も中旬以降涼しくなり、夏も終わったか?と思っていたのに、ここ数日はまた暑さがぶり返してきた。特に今日は、朝から晴れ間が広がり、最高気温28℃超えを記録した。

 午前の早い時間に整骨院(肩の治療)へ行ったきり、暑かったので外にも出ず、家の中で過ごした。片付けていた扇風機もまた出してきた。

 そんな中、午後には、妻が借りてきていたDVD「そこのみにて光輝く」を2人で観た。
 原作は、芥川賞候補5回、三島賞候補にもなったが受賞せず自殺した函館出身の佐藤泰志の遺作である。ロケも函館市内や近郊で行われた2014年春に全国ロードショーとなった映画である。

 やはり、佐藤泰志原作の最初の映画で、函館市内のロケで製作された「海炭市叙景」も観ている。芸術作品としては理解できるが、内容やストーリーが暗くて押しつぶされるような重さだけが感想として残っていた。
 今度のこの作品も、多くの賞を受賞しているだけに、興味はあったが、きっとまた同じような暗くて重い作品だろうと2014年の上映時は観にいかなかった。

 ストーリーは、函館の一瞬の夏を舞台にした愛の物語である。貧困な家庭、半身不随で寝た切りの父親とパチンコ好きの母親。仮釈放の身ながらも人懐っこい弟。そしてその家庭を支えようと、自分の体も売り物にしていく姉。その姉に惹かれて行く心に傷を持つ主人公・・・・。

 案の定、これでもかというような底辺の生活の生々しい情景設定の中で展開され、救われない人達を見ているのが辛くなるような閉塞感と陰鬱感が漂う作品だった。
 そんな底辺の生活の中でも必死に生きて行く、そんな2人に光が射した描写で、最後のシーンで少しは救われた感じだった。

 不器用にしか生きられない人達のそれでも日々生きる様が痛くも愛おしい。しかし、理解はできるが、あまりにも自分の世界とはかけ離れているためか、共感はできない感じだった。

 なお、ロケ地でもっとも多く出てくるのが、主人公が惹かれる姉の家族が住むバラックの家がある、対岸に函館山を望む北斗市東浜の海と砂浜だった。あとは、啄木小公園と大森浜、本町エリアの飲食街、山上大神宮、津軽屋食堂など。暗い設定のせいか、函館の魅力ともいえる観光地などはほとんど登場していない。

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