設計山北尾根からの雪崩のデブリで谷が埋め尽くされ、ゾンデリングは不可能だった
今日の歩いたGPSトラックログ(赤が私とB班のルート、緑はA班のルート)
第2回捜索活動の2日目・・・札幌方面からの5名が新しく加わり19名の捜索隊と6名の前線本部。ときおり雪が舞う寒い中で実施。今日はなんとか発見に至ることを切望しての捜索だった。
A班は、中山橋の沢の二股出会いからの急な中尾根の捜索と設計山直下のキレット下の谷のゾンデリングがメインだった。私がリードしたB班は、斉藤さんが下山してくるはずの設計山西尾根と稜線上の600ポコまでの間の捜索だった。
距離は長いが急な登りのないB班と、沢の渡渉や幅広の急な尾根を捜してきた来たA班が、タイミング良く設計山直下のキレット地点で合流。私と3名が稜線上の600ポコまで往復している間に、残りの全員はロープを掛けて急な細尾根をキレット下の谷へ下りて捜索をした。
戻ってくる途中で、「デブリがすごくて、ゾンデリングは不可能です。谷の下の方で待ちますので、ロープを回収しながら下りて来てください」と無線が入る。キレットまで戻って、ロープを回収しながらみんなの待つ谷の下へと下った。確かに、予想をはるかに越えるすごい状態だった。
今日のA・B班が捜した尾根や稜線には、斉藤さんの姿も手がかりもなかった。もし、倒れていれば十分に姿が現れるまでに融雪は進んでいる。これまでの捜索結果からは、斉藤さんが歩くはずだった17kmのルート上にはいないことがほぼ確実となった。さらに、スキートレースが見つかった地点から設計山の間の3本の北尾根にもいない。もう捜しようがない感じだ。結局、衆目一致した結論は「昨日の今日の2本の谷のデブリの下に埋もれていることしか考えられない。あとは、まったく予想すらつかないところへ紛れ込んでしまったか・・・?」とのことだった。
この2本の谷のデブリが消えるのは、まだかなり後になるだろう。多くの方々への協力を呼び掛ける大々的な捜索活動は、これで終了とし、2週間ほど一時中断し、都合のつく地元のメンバーで、2本の沢を詰めて融雪状況の確認と目視による捜索を繰り返すことにした。非常に残念だが、これまでできることはすべてやりつくした結果である。
これまでの捜索にご協力いただいた山仲間の熱い想いや、各方面からのご協力や励まし、そして、個人的な差入れなどの多くの心遣いが本当にうれしかった。今日の終わりのミーティングで最後に「ありがとうございました」とお礼を述べるときに、涙がこぼれそうになった。あと、もうひとつうれしかったのは、これまで名前や顔は知っていても、一緒に山に登る機会のなかった方々と行動でき、お互いの交流や理解が深まったことである。
今後、一縷の望みは2本の谷の中である。完全にデブリが解けるまで、捜索は続くが、「いつでも声を掛けてください」との申し出や労いの言葉も多くいただいた。本来であれば、今回発見して落ち着いたら、協力いただいた関係者で盛大に打ち上げをしたかったところだが、まだ当分お預け状態となった・・・残念!
なお、帰宅後、所用で朝から参加できなかった長谷川SHOさんから電話があった。「みなさんが入山した後から、1人で、念のために、中山トンネルの上の渡島と桧山の境界となっている中央分分水嶺を進み、設計山の西尾根を登り、北尾根を下って来たけど、何も見つけられなかった」とのこと。
明日と明後日は、6:00から北海道警察山岳救助隊と函館中央署の合同捜索の予定となっている。道警ヘリによる上空からの捜索もあるようだ。その前になんとか我々の手で見つけてあげたかったが、それは叶わなかった。
今日の帰りに大野駐在所へ寄って2日間の報告をした際に、「明日朝早くて申し訳ないですが、集合場所(斉藤さんの車の見つかった場所)へおいでいただけないでしょうか?」との依頼を受けた。向こうなりの計画はあるだろうが、求められればこれまでの情報を提供するつもりだ。
斉藤さんが下山してくるはずだった設計山の西尾根を捜索するB班
中山橋の沢から急な尾根を登って来たA班と設計山直下のキレットの上で合流。
キレットの谷底を上から眺める
キレットの谷を捜索し終わって下で待つA・B班が見上げる中を600ポコから往復して谷底へ下る
ものすごいデブリでゾンデ棒も刺さらなかった・・・このような下に埋もれているのでは?
これが解けなくてはとても捜すことは困難・・・これが完全に解けるのは5月か6月?
谷の捜索を終えて、谷から尾根へ登り返す
尾根の末端での集合写真。この後ここで昼食タイム
4/2(水)に引き続き、北斗市のSa女史による差し入れの豚汁・・・涙が出るほどとても美味だった・・・感謝・感激!
心が痛いです。
女性も捜索に参加されていますが皆さんのお気持ちに斉藤さん感謝されていることでしょう。
一日も早く皆さんの前に姿を現してくださることを切望いたします。
それ以外のところは、もう捜す場所がなくなった感じです。
このブログの読者はみなさん同じ気持ちだと思います。ありがとうございます。
なにもお手伝いできず申し訳ありません。本当はブリガンズ山岳会の草刈氏にも、昔お世話になっているのですが。
アイシュポップの源頭の沢では、沢にテントを張って何日も何日もスコップで掘り返しました。結局全員見つけることができたのは6月中旬になりました。
デブリは、融けるのが遅く厄介ですね。斉藤さんが早くみなさんに見つけてもらえることを念じます。
あのデブリの捜索の心配がなくなり、ホッとしています。