癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

御三流&越エバ山(松前町薮山低山巡り)

2018年06月07日 | 登山・旅行

越エバ山へ向かう五番沢林道から眺める御三流。手前の尖ったピークは前峰で頂上は左後ろ。

 松前町江良の大鴨津川流域に、変わった名前の山が3山ある。御三流(404m)、健八流(539m)、越エバ山(469m)である。いずれもその由来は調べて見たが、全く不明である。
 ただ、地理學評論第25巻(昭和27年)「日本の山峰の語尾名とその地理學的意義」鏡味完二著によれば、「流」は、「嶺」と同じ意味で、分水嶺をなす山嶺の呼称とのこと。
 越エバ山は、北側を二越川が流れているが、それと関係あるのかどうか?しかし、片仮名のエバにいたっては、この日曜日に千歳マラソンで会った岳友のエバさんしか思い出せない。

 おまけに、御三流と健八流は、読み方もまちまちである。特に、御三流は『日本山名辞典』では「ごさんりゅう」「おさんながれ」、北海道の山名をすべて収録した『北海道の山辞典・カムイミンタラ』では「おさんりゅう」、昔あった鉱山の名前は「おさんる」となっている。これだけまちまちということは、山の由来は全く分かっていないということなのだろう。

 また、大鴨津川/小鴨津川流域には、戦前・戦後にかけて、御三流(おさんる)・松前・新湯岩(しんゆがん)・松倉沢・銭谷・三福の6つのマンガン鉱山があったそうだ。

 5/23の林道偵察では、大鴨津川沿いの林道から登れそうなことを確認していたが、今日はその中の御三流と越エバ山に挑戦。なお、この2山は「地図がガイドの山歩き」のsaijyoさんの貴重な記録を参考にさせていただいた。

 家を4:00に出て、松前町を目指し、江良の大鴨津川沿いの林道へ入る。

◎御三流(404m)


GPSトラックログ


北東尾根に繋がる杉林の斜面に取り付く。すぐに古い林道跡に出た。
それを利用して少し登り、北東尾根に取り付く。下の方は尾根地形がはっきりしなくて、薮が少し濃い。


 顕著な尾根に繋がる鹿道を利用して、c200で、細い尾根に乗る。


 c200からは右側がすっぱりと切れ落ちた細く非常に急な尾根となり、薮が薄くなる。
 しかし、頂上までは、登山道然とした鹿道が続いていて、楽勝モードだった。


眼下に、最上流の稲倉沢鉱山跡の大きな露頭が見える。
c250~c300の間は、特に急で、ササや灌木に掴まりながら登る。5分ごとに休みながら登った。


「根性ブナ」~崖に強く根を張り、上へ伸びている。


 c350まで登ったピークが下から見上げた前峰である。そこから少し下って登り返し、平坦な頂稜を進む。
 

頂上が近くなると、尾根の幅が広くなる。鹿道は稜線の少し北側の薮の薄いところに続いている。
予定通りの1時間25分で、GPSがなければどこが頂上か分からない平坦な頂上に到着。


足で草や枯れ葉を除けながら、三角点を探したが、5分ほどで見つかった。
珍しく4個の保護石もきちんと残っている。周りをきれいに刈払って、4個の保護石も入れて撮影。
なお、三等三角点で点名は「御三岳」である。この別名で呼ばれることもあるようだ。


展望はかろうじて、未踏の笹山が見えるだけだった。

登り1時間25分、下り55分。

◎越エバ山(469m)


御三流下山途中から写した、越エバ山と思われる山。


五番沢林道と登山ルートのGPSトラックログ。
御三流を下山し、そのすぐ先に続く、地形図には記載されていない五番沢林道を進む。


五番沢林道終点にゲートが張られている。ここが越エバ山への最短距離である。
出発しようとしたら、上から軽四トラックが下りてきた。この山の名前の由来を聞いたが分からないとのこと。
この林道は、かつては松前から上ノ国町石崎へ抜けることができた道々へ通じているらしい。

スタート地点から、山の姿も高いところも見えないので、GPS頼りで、笹やぶに突入。
すぐに下って行って、沢を2つ越えた先から尾根地形を進む。


ずっと胸丈ほどの笹やぶだが、密度はそれほど濃くないので、胸で掻き分けながら登ることができる。
一度下ってコルを越えると、再び広い尾根となり、高い方を狙って登って行く。


頂上に到着したら、三角点が飛び込んできた。最近誰かが登って来て周りをきれいに刈払ったようだ。
ここの三角点は三等で、点名は「坊主山」である。
山容からするとそんな感じだが、なぜ、それが意味不明の越エバ山になったのか不思議である。


頂上からは、今は亡き児玉さんと原口から往復11時間半もの薮漕ぎで登った神ノ山が見えた。
このような形のよい山だったことが初めて分かった。


その右側に、未踏の最難関の1つと思われる木無山も見える。

 この木無山だが、故齋藤浩敏さんは、今日の発着地点のゲートから、先に続く林道を5kmほど歩き、尾根に取り付いて13時間で往復している。いずれ、自分も、そのルートで登るつもりだ。
これまでの彼のタイムからすると、10時間で往復できそうだ。

 下山は、最後の方は、登りで横切った2本の沢が合流している所で横切って、林道へ直接出た。車まで30mくらい下だった。
 登り35分、下り20分。ゴールしてまだ10:35だった。しかし、今日の予定はこれで十分だった。健八流も登ろうと思えば可能だったが、この山は、近々、jyunさんと一緒に登る予定である。汗でずぶ濡れになった衣服のダニチェックをして着替えた。


五番沢林道から眺める健八流


同じ場所から眺める未踏の笹山


 林道で、今年最後の山菜となる天ぷら用のウドの芽の部分を探しながら下った。同じことを考えた人がいるらしく、大きなウドは全部、その芽の部分が採られたばかりだった。
 途中で、健八流への尾根の取り付き部分へ入る林道を偵察して、帰路に就いた。

 国道に出たら、11:30になっていた。久しぶりに吉岡温泉ゆとろぎ館でのんびりし、15時には帰宅した。

 詳しい山行記録は、下記でどうぞ!(明日アップ予定)
 http://sakag.web.fc2.com


 
※昨朝のきじひき高原キャンプ場からの雲海の「田舎都会からの便り」のたくさんの素晴らしい写真
は、←ここをクリックすれば見られます。

雲海 from函館山

2018年06月07日 | 道南の風物詩

 昨朝、きじひき高原キャンプ場からの噴火湾と大沼一帯の雲海を眺めた後、反対側の函館山を見たら、薄いガスの上に浮かんでいるように見えたので、帰宅せずに、直接そのまま函館山へ車で登った。

 眼下には市街地が見えていたが、平野部や函館湾、津軽海峡は雲海に覆われていた。

 ちなみに、雲と霧の違いは、地面に接しているのが霧で、空中に浮いているのが雲とのこと。車で走っているときに、地面や海面に接していなかったので、これは雲海と言って良いのだろう。なお、山では、雲も地面に接しているので、霧と同じだが、山の世界では、これを「ガス」と呼んでいる。