(日高主稜線上のナメワッカ分岐から望むナメワッカ岳~左奧はイドンナップ岳 04,8,15撮影)
日高山脈の主稜線上の山はほとんど登ってしまっているが、主稜線から外れたところに未踏の山が多い。特に日高側はアプローチが難しく、私の力量で、ましてや単独では、もう登れる山ほとんど無いと言ってもいい。
その中のひとつに北日高のナメワッカ岳がある。誰でも登れる山ではない。
もっとも安全なルートは、エサオマントッタベツ川を遡行して、札内JPから主稜線のナメワッカ分岐まで行き、支稜線上の強烈な薮を漕いでピストンする体力勝負のルートである。
このコースは、『ガイドブックにない北海道の山々』の著者・八谷和彦氏ご夫妻のお誘いを受けて、07年8月に2泊3日の予定で挑戦している。 しかし、私の体調不良と天候悪化で、ナメワッカ分岐で撤退してきている。私を「ナメワッカに登らせてあげたい」という心遣いからのお誘いだっただけに、申し訳なく、トラウマになっていた山でもある。
昨年、そんな私に札幌の岳友・Soさんから、同じコースでのリベンジのお誘いがあったが、気が進まずお断りした。結局、Soさんも時間切れで撤退したとのこと。
そのSoさんから、10日ほど前に、「今月の連休に、別のルートから自分もリベンジしたいので、一緒にいかがですか?水を担がなくてもいい比較的楽なコースのはずです」との再度のお誘いを受けた。それが、下記の5つの沢を繋ぐ2泊3日の遠大なルートである。
戸蔦別川支流のカタルップ沢を詰めて主稜線上のカムイ岳を越えて、新冠川を下り、ナメワッカ西面直登沢を詰めて登頂。帰りは、途中まで同じコースを戻り、エサオマン入ノ沢から主稜線上の1583コルを越えてエサオマントッタベツ川に下りるという遠大な計画である。
3日連続の沢遡行は未体験である。足手まといになるのではとの迷いから即答を避けた。しかし、これまでペテガリ~コイカク縦走のほかに何度も同行いただいている頼もしいYaさんにも声を掛けているとのこと。「坂口さんが行くなら、私も行くことにします。一緒に行きましょう」とのうれしくも心強いお誘いをいただく。
滝の上り下りで、ロープを出していただいたりして手間を掛けることは間違いないが、両名の温かい友情に絆されて参加の決意を伝えた。さらに、Yaさんの山岳会のお仲間も1名加わることになった。3人とも沢登りのベテランばかりなのが心強い。
今日、防寒対策も含めてその準備も終わり、明後日、集合場所の十勝まで走るだけとなった。ただし、今年はまだ沢に一度も入っていないのが気懸かり・・・。もうひとつ気懸かりなのが、台風14号の動きである・・・果たして?