写真:「豊鉄三河田原行き」
ちょうど丸一年がたちました。東京から故郷の田原市にUターンし、教育委員会に身を置いてのことです。ではこの一年間にどんな実績を作ったと言えるでしょうか。
「学校の統廃合、一年でようここまでやったのう」。しばしば地域の人からそう声をかけられます。それなりに汗をかいてきただけに、短期間に4つの学校を統合したことへの好意的な評価は、率直に有難いものと受け止めています。
田原市は世間と同様に少子化の波を受け、一学年10人前後の学校が少なくありません。中には新一年生が4人という小学校さえありました。教育長に着任し、この事態を知った私が何よりも優先したのは小規模学校の統合でした。
昨年5月に再編方針を打ち出し地元説明会を重ね、秋には伊良湖、堀切、和地の3小学校の統合が合意されることとなります。平成27年度から新しい「伊良湖岬小学校」としてスタートするのです。また年明けには小規模の野田中学校を平成28年度から中規模の田原中学校と統合することも決定しました。
ホッとしています。これが実績といえば確かにそのとおりです。
しかしどうしても爽やかな気持ちになれないことは否めません。地域から学校がなくなる寂しさを実感するようになるのはこれからなのです。理屈の世界とは違う重い現実が展開してくるかと思うと、やはり心穏やかになれるものではないようです。