嶋津隆文オフィシャルブログ

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「中央線沿線物語」を刊行しました。

2024年08月02日 | Weblog

ブログもちょっと空いてしまいました。
しかし今回は大いにPRしたいと思います。「中央線沿線物語」を刊行しました。
以下はプレス向けにつくったチラシです。「まえがき」にありますように、かなり力を入れて上梓するもの。ヒアリングに3年近くかけました。
「誰もが知る人の、誰もが知らない話」。どうぞご期待ください。

「中央線沿線物語」  嶋津隆文(著)
 ~国立と立川・国分寺・小金井ゆかりの人物を訪ねて~

1000円(税別)  A5版 144頁 2024/8/30発行
国立市観光まちづくり協会(刊行) ℡042-574-1199 



「誰もが知る人の、誰もが知らない」エピソードを   (まえがきより)

 例えば立川駅を南口に降りると小澤征爾の通った幼稚園や小学校がある。砂川の阿豆佐味天神社はジャズピアニスト山下洋輔の愛猫を戻した逸話で有名だ。国立の三角駅舎は多くの文化人が往来した。芥川賞『太陽の季節』の石原慎太郎、同じく『犬婿入り』の多和田葉子。直木賞の山口瞳は国立を「わが町」と誇り、『夕焼け学校』の嵐山光三郎や漫画家の滝田ゆうらとともに「文化の国立」の名を高めた。「多摩蘭坂」を有名にしたのはロックの忌野清志郎、作家の黒井千次である。
 国立駅北口には芥川賞『岬』での中上健次、同じく『アメリカン・スクール』の小島信夫が住んだ。国分寺駅界隈も同様だ。南口には村上春樹がジャズ喫茶「ピーター・キャット」を開き、多喜窪通りには『西行花伝』の辻邦生が暮らした。建築界の異才、藤森照信もタンポポハウスを建てて住む。小金井には作詞家の星野哲郎、アニメ監督の宮崎駿。2人とも小金井市の名誉市民である。
 野川は大岡昇平の『武蔵野夫人』の舞台だ。「はけの道」は武蔵小金井駅南口から徒歩10分の散策路である。
 本書はこうした贅沢な、中央線の歴史的、文化的魅力を、とりわけ中央線の西エリアで活躍してきた人物たちを軸にお伝えしようとするものである。作成にあたっては文字通り「地の利」を生かし、これら文化人たちやその家族・知人の方々に直接に接触し、地元に絡む「生」の話題を聞くことを心掛けた。それだけに「誰もが知る人の、誰もが知らない」エピソードを数多く載録できたものと自負している。
 長いコロナ禍も何とか収束した。高齢化社会も本格的となった。生活の中での知的欲求も拡大してきている。多くの人々が、魅力を秘める近隣地域への「近旅」(ちかたび)に関心が向き始めている。本著は、そうした気運の中央線沿線の人々へ、間違いなく役立つ散策情報となるものと信じている。 

嶋津隆文/松蔭大学元教授


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