小3になった孫が、頼朝や島津義弘あるいはチンギス汗など、洋の東西を問わず歴史に関心を持ち、あれこれ本をめくるようになった。歴史好きの私にしてみれば、何とも好ましい光景と目を悦んでしまう。
人生100年の終章をどう過ごすか。それこそ人さまざまだろう。が、私にはやはり時空を越えての人間ドラマの追求にこそ関心が向く。そんな趣味が一番の長寿薬とも思い始めている。
そう考えると、我が家近くは近現代史の宝庫のように思えてくる。陸軍立川飛行場跡や宇垣一成の揮毫碑、戦後では詩人草野心平、芥川賞作家の中上健次、あるいはロックの忌野清志郎の実家など、界隈は歴史の資料室である。正月には孫が来る。一緒に散策することとしよう。
しかしそんな私の期待ぶりを見て、「お正月早々、小さな子供に押し付けなどするとすぐ嫌われるわよ」と家人。歴史の長さとは違い、自らの居場所が狭くなるを痛感する、辰年新春の朝というものである。
令和6年元旦