写真:「立川緑地にて」本人撮影
アルジェリアのテロによる邦人殺害。悲惨な出来事に声を失う昨今です。
そんな重苦しさから逃れたいと、近所に春を探しに出掛けてみました。
うん、春であれば梅。梅であれば谷保天満宮。そう考えたものの、ふと今年の梅は遅いようだからと電話で確認してみると案の上でした。「ほとんど蕾もない状態です。この冬の寒さで、花の咲くのは確実に1か月遅れですね」。社務所の人からそんな恨み節を聞かされました。
そこでと気を取り直し、近所の立川緑地の界隈に春を探すことにしたのです。そしてかろうじて春の気配を感じることの出来たのが、上の一本の梅の木の枝でした。
白梅のあと紅梅の深空(みそら)あり
ご存じ、飯田龍太(大正9年~平成19年)の句です。飯田蛇笏の息子。毎年、この季節に私の最も口にする大好きな句です。しかし今あるのは白梅でも紅梅でもなく、ただ広がる澄みきった青空だけでした。そうは言っても生命の息吹は確実に感じ取れてというものです。春はやはりすぐそこなのです。