写真:「当ミュージアムHPより」
先週は北九州市で日本都市学会があり、「都市の進化」をテーマに3日間のプログラムが持たれました。戦前からの、歴史の波に常に揺られつつ発展してきた北九州市であるだけに、そのテーマに恰好の舞台と言えたようです。
他方、北九州市は観光に力を入れ、門司港のレトロ街や北九州工場夜景をウリにした取組みで注目を浴びてきました。その北九州市にこの8月に「北九州市漫画ミュージアム」がオープンしました。当地出身の松本零士、わたせせいぞう、北条司などを観光資源にしたこの新しい取組みです。
大いに興味を持ち早速に足を運んでみました。驚きました。山ほどの若者で溢れていたのです。いやいやもっと驚いたのは、そこに陳列されていたフィギュアであり、初音ミクのポスターであり、カードゲームであり、眩しいほどの漫画本の群れでした。
殆ど想像を超えた世界でした。そのカラフルで、シュールな空間は極めて衝撃的でした。しかし暫くしてその衝撃にはもう一つの内容があったことに気づかされます。
外でもありません。サブカルチャーと全く関係ない年齢になっている自分、時代の風景にすっかり外れてしまっている自分を知ったのです。そう気づくと、明るいはずの漫画ミュージアムがふと暗くなってしまったというものです。