Yuhiの読書日記+α

TB、コメント大歓迎です♪
但し、記事内容と関係ないものは削除させて頂く場合もありますので、
ご了承下さいませ。

彩雲国物語/はじまりの風は紅く

2008年01月18日 01時03分08秒 | 彩雲国物語
以前から読むべきか迷いに迷っていた「彩雲国物語」に、ついに手を出してしまいました~。
「十二国記」を好きだったら、きっと気に入ると思うよ!と、色んな人から言われてはいたのですが、すでに十冊以上も出ているシリーズものに手を出すと後が大変だし、何よりライトノベルを読むような歳でもないし・・・と、躊躇していましたた。が、先日たまたま図書館へ行ったら、何とあるじゃない~!(以前に調べた時はなかった筈なんだけど、誰かがリクエストしたのかな) これはもう借りるしかない!ということで・・・。

人から聞いていた通り、確かに小野不由美さんの「十二国記」シリーズと雰囲気は似ています。中華風の時代物で、でも全くの架空の国を舞台にしている所とか、その国の中でもいくつかの国(彩雲国では州ですが)に分かれている所とか、表面の雰囲気だけを見れば似通った所もあるな~と。
でも、読んでいくと、ストーリー展開なんかは全然違いますね。「彩雲国」はいかにもライトノベルらしい、明るいノリが随所に表れていて、全然堅苦しさがない!かなり気軽に読めます。
ストーリーも、男性社会の宮廷で、女性初の官吏を目指して頑張る主人公ということで、同じ女性としては応援したくなるし、仕事をしている人・或いは夢を持っている人なら、自分と重ね合わせて考える場面も多そうなお話だと思いました。

この作品は、まずキャラクターが最高~ 主人公以外の登場人物もみんな個性的で面白い。人気が出るのはこの辺りなんだろうな~ということをしみじみと感じました。

そして、秀逸だなと思ったのが、王が自分に忠誠を誓って欲しい人に対して「花」を下賜するという設定。「花」は王→部下の一方的に贈られるのではなく、部下にも拒否する権利があるんです。「花」を受け取れば、その人は絶対の忠誠心をもって王に仕える。受け取らなければ王にはそれだけの器がないという証。王だからと言って一方的に誰からも忠誠を尽くされる訳ではないのが面白い所。
そして、贈られる「花」にも意味がこめられているので(花言葉らしい)、どんな「花」を受け取ったか、あるいは贈られたかということも重要な要素なんですよね。そういう所もまたあれこれ想像を膨らませることができて楽しい所です。

で、物語の終わり方もなかなかいい感じでした。ライトノベルだと、大抵は主人公の女の子と、そのお相手がまとまってハッピーエンドというのが相場ですが、意外や意外。そういうありきたりの結末じゃなかったのが意外性があってグッドでした。珍しく恋愛に重きを置かない展開のようで、この先期待できそうです。

もっとも、言葉遣いがヘンだったり、軽すぎる会話や時代考証はどうなの?とか気になる点もいくつかあったのですが・・・。ま、その辺はあまり気にしない方が楽しめると思うので、ご愛嬌ということで。