U23 アジアカップで大会MVPに選ばれた藤田チマだが、シントトロイデンから次なるクラブにステップアップできるのではと期待してしまうが、現実にはそうではない。今季のシントトロイデンでは２２試合に出場しているが、このうちの先発はわずかに１１試合。
そしてU23大会で６週間程度離れていたので、今季の残り３試合の先発も難しいだろう。監督に評価されていないからこのような数字になるはず。その理由を探ってみよう。まず藤田はボランチだがチームでは同じ日本人の山本理仁とダブルボランチを組むことが多かった。
山本のほうが藤田よりも出番が少なく、他のベルギー人のボランチが鉄板でもう一人ボランチのベルギー人がいる。鉄板君がほぼ毎試合先発でもう一人のボランチを２－３人で争っているかんじである。つまり藤田は鉄板ではないし、藤田と山本が大会で抜けたのでこの二人はさらにポジション争いが大変になった。
藤田は攻撃的センスは抜群だが、攻撃から守備への切り替え、いわゆるネガティブトランジションに難があるように見えた。またダブルボランチならばましだが、藤田を一人アンカーにするとなるとかなり不安が残る。リバプールの遠藤でさえアンカーで苦労している。
従って藤田の場合は、ボランチというよりもインサイドハーフで攻撃的なポジションのほうが合っていると思う。しかしインサイドハーフはボランチよりもさらにポジション争いが大変で、どこのクラブに行っても苦労する。シントトロイデンのような小さいクラブで鉄板でない選手がとてもステップアップできるとは思えない。
まだ２２才と若いし、あと最低１シーズンはシントトロイデンで修行してもっと力をつけてからのほうがいいはず。いくらU23大会でMVPを取ったといっても、そんなものはどのクラブでも評価しない。
