サッカールーの何でもござれ パート2

シドニー在住者のサッカーについてのざれごとです。

ストラスフィールド

2015-08-12 09:08:40 | 日記
慰安婦像の問題で話題になったストラスフィールド市は筆者の自宅から車で30分くらいに位置する郊外の町である。シドニーの場合、わかりやすくいえば東京23区のように、全体の行政単位が州政府であり、その中にCITYとかSHIREと呼ばれる自治体がある。だからシドニー市とは狭義では都心部の一部分でしかない。

CITYのような自治体は、ごみの収集、公園、図書館、固定資産税の徴収、地方道路の管理などを担当する。公立学校は州政府の担当である。だから東京23区から教育がぬけているようなイメージである。

ストラスフィールドは韓国人が集中して住んでいる。市議になっている人もいる。理由は国民性としか表現できないが韓国人は同じ地域に固まって住み、商店街を形成する。数では圧倒的に中国系が多いが中国人は移民の歴史が長く、5世、6世もいる。

それに比べて韓国人は移民してきてから子供を作り、その子供達が成人し始めたという年代が多い。アメリカでも韓国系住民が慰安婦像設置を運動しているのは、同じ地域に集中しているからその数で地方自治体に圧力をかけているからだろう。ストラスフィールドも同じような状況だ。

ストラスフィールドの商店街を歩くとその韓国系の店の多さに驚く。だから韓国焼肉を食べたければストラスフィールドに行けばいい。本場の韓国料理が楽しめるし、食材も手に入る。

さて焼肉はどうてもいいのだが、日本のメデイアとくに産経あたりの表現では、豪州全体であたかも慰安婦像が否定されたような記事になっているが、このような問題はストラスフィールド以外では起こりえないだろう。そのストラスフィールドで否定されたということは、少なくともシドニー周辺で慰安婦像設置を地方自治体で取り上げることは今後無理だろう。

アメリカのことは分からないが、オーストラリアの移民政策の原点は多文化主義である。違う民族、違う文化であってもお互いに多様性を認め尊重するということである。だからオーストラリアに各民族の固有の紛争、問題を持ち込むことは一種のタブーである。

たとえば旧ユーゴの各民族、クロアチア人、セルビア人、コソボ人などは憎しみあっている。シドニー郊外にはクロアチア人のコミュ二テイが作るスポーツクラブがあるし、セルビア系、ギリシャ系のクラブもある。

たまにクロアチア系とセルビア系のクラブのサッカーの試合でサポーターどうしが殴りあう騒動を起こす。これは根本的には民族紛争が起因している。

イラン人、インド人、レバノン人も固まって住む傾向がある。それぞれが集中する自治体で公的に他の民族を糾弾するような記念碑を認めればどうなるかは火を見るよりも明らかである。自分の国の紛争はオーストラリアに持ち込んではいけないのである。そんなことをしては民族間の反目をあおるだけということをみんなが理解している。だから今回の慰安婦像も否定された。

韓国人コミュ二テイが今後どのような行動をするのかは知らないが、オーストラリアでは理性がちゃんと働いているということである。