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今日はなにいろ?

長い家の殺人~歌野晶午~

2007-10-12 11:54:19 | 読書感想文
歌野晶午は最近デヴューした作家かと思っていたら、けっこう長いキャリアを持つ作家さんだったんですね。

この「長い家の殺人」は約20年前に発表された彼のデヴュー作。
内容は本格的な推理小説で、最近読んだ彼の小説(「葉桜の季節に君を想うということ」や「密室殺人ゲーム王手飛車取り」)などとは作風が異なっている。

ところで、最後によく「解説」などと題して、他の作家や評論家の短文が載っているのだが、この文庫本には島田荘司さんが「薦」と題した文章を載せていてる。
これが凄く心に残った。
もし、島田さんがあの時歌野さんと出会わなかったら、あるいは、粗雑な扱いをしたら、今の歌野さんはいなかっただろう。運命と言う言葉を強く思った。
それにこの「薦」と言う文章はエッセイとしても、とってもステキな文章で、これを読むだけでも、この文庫本を購入して良かったなと思った。

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2 コメント

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作家6人競作で「川に死体のある風景」 (なっつん)
2007-10-20 20:43:52
歌野晶午さん、移動図書で見つけたら借りるようにしています。
(なかなかお目にかかれませんが)
「玉川上死」というミステリ短編を読みましたが、かなり問題定義を投げかけるような、ラストでズキンとくるような内容でした。
6人の中では、一番の出来だったと思います。

その「薦」という後書き、素敵だったんですね。
時々、本編より印象深いような解説を書く作家さんたちもいますね。
ご本人が自分の作品に対する思い入れを書いたりする後書きなんかもいいですよね。


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コメントありがとう (ヨッシー)
2007-10-24 09:19:33
歌野さん、それほど、多作じゃないのでしょうか。
結構キャリアがある作家さんなのに、あまり本屋に並んでないような…。
「玉川上死」と言う作品があるんですね。
歌野さんのラストって衝撃的な、って言うのが多いですよね。
今度本屋に行ったら探してみますが、文庫本になってないと、なかなか手が出ないです

「薦」に書かれていた文章。文章もステキでしたが、内容もステキでした。
もし、その時島田さんが彼に丁寧に接してなかったら、歌野晶午という作家は生まれなかったのでは、と思いました。だって、それまで歌野さん、小説書いたことなかったそうですから(笑)
本の最後にある、後書きや、解説は必ず目を通します。たまに面白い文章に出会うことがありますよね
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