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今日はなにいろ?

福島県民健康管理問診票

2011-06-26 07:50:55 | 震災
福島県民全員を対象に健康調査をすると聞いたとき、決していい気持ちがしなかった。
我々はモルモットか!と言いたくなる。

それはさておき、問診票を近々配布するとか。
見本を県のHPに置いておくので記憶が残っているうちに下書きしておいてください、と言うような広報があったのでDLして、印刷してみた。

これがかなり細かい。
特に3月11日から25日までは時間単位でその時取った行動を記入するようになっている。

あれから3ヶ月。
地震の記憶は忘れないとしてもその後の行動を克明に覚えている人なんているんだろうか。
毎日同じ仕事をしている人や同じ行動をしている人ならともかく。
しかも地震のせいでいつもと生活行動に変化があった人がほとんどだろう。
すっかり忘れてしまったよ。

その他、3月末までに家庭菜園等で口にした野菜の品名と分量を記入する欄もある。
飲料水を記入する欄もある。

いろんな意味で頭が痛くなる。

つまり、3月までにとった行動、口にした飲食物が大いに影響あるってことなんだろう。
政府が常套句のように口にしていた「ただちに~」はいったいなんだったんだろう。
3月までは安全な場所でじっとしていて、食べ物にも注意してくださいと告げるのが本当だったのではないか。

気になるのは「ホットスポット」
毎日、県が発表する放射能数値に一喜一憂していたが、場所によってその値が全然違うことが気になっていた。
最近やっと各所で検査し、その数値の報告が報道された。
我が家の近所の数値もあった。
まあ、低い方だったのでほっと一息、なのだが、場所によってはかなり高い。
土の上で測定した所は高め。
うちの周りは土ばかり。きっと高いんだろう。
測定器、欲しい。

これが、今年一年間だけだったら我慢も出来る。
が、そうはいかないだろう。
10年、20年、あるいは30年…。
長い長い、闘いだ。

最近この国の首相は「燃え尽きるまで頑張る」と言っていたが、その前に燃え尽きちゃうよ、わたしたち。

しっかりと目に焼き付けて

2011-06-14 09:42:42 | 震災
テレビのコメンテーターが「政治家は(忙しくて被災地に行けないなら)テレビでこれだけ悲惨な現地の様子を報道しているんだからそれを見ればいい、テレビを見なさい」と言っていた。

私もテレビの映像やらネットや雑誌で人に負けないくらい見た、といえるくらい見ていた。
が、今、現地を見ておくべきだと言う人がいて、その人と一緒に津波の被害に遭った相馬へ行って来た。

被災地にはボランティアの人もたくさん来ているが、中には野次馬もいてブログやらツイッターでその報告をしている、と言う記事を目にして心無いなあと思っていた。今自分がしていることは野次馬以外の何者でもないなあと心苦しい。

が、相馬には数多くの思い出がある。海水浴、潮干狩り、釣りに海産物のみやげ物や、食べ物や。子供の頃から何度も通った土地だ。
その土地がどうなったか知っておきたいと震災直後から強く思っていた。

街中はいつもと変わりない。私が住んでいる町より平然としている、と言っていいくらい。「頑張ろう、福島」ののぼりもない。崩れ落ちた建物もそれほどない。

が…。

中心地を少し離れた所に入ったとき、異様な風景に息が詰まった。
まだ海岸線も見えない農地に巨大な船が乗り上げているのだ。津波がここまで押し寄せましたよ、と言う線引きがまるでしてあるかのように、くっきりと津波の跡が残っているのだ。

鳥肌が立った。
胸が詰まった。
あの日、みんなどんな思いで海を見たのだろう。

海はまるで何もなかったように静かだった。
が、かなり潮位が高い(と言うより、地面がしずんだんだろう)水面と陸地が同じ位置。台風が来たり大潮になったらどうなるんだろう。

いつも海産物を買っていた店の骨組みだけが残っていた。
柱時計は津波が押し寄せた時で止まったのか3時半過ぎを示していた。

もしあれば海産物とか地物の土産を買いたいと思っていたのだが、被害に遭った建物の片づけをしている人が数人いるだけ。考えたらそんな余力があるはずもない。「頑張ろう、福島」ののぼりを立てる余裕もないんだろう。

テトラポットや海岸に置いておくコンクリートの塊が信じられない場所にあった。波の力の恐ろしさを知った。

テレビ、新聞、雑誌、ネット。数多くの悲惨な写真を目にして来た。
が、現実にそれを見たときの衝撃はそれの比ではない。
しっかりと目に焼き付けてきた。私たちがしなければいけないこと、改めて思いを強く持った。

野次馬行為ととられるかもしれない。
が、もし余裕がある人は実際目にしておくべき、と私は思う。
ボランティアが出来ないなら、地元のものを購入するとか、地元近辺に宿泊するとか、食事をするとか、何かしらお金を使えば地元の復興にも繋がると思う。




ひとごとだと思って…

2011-06-10 10:24:54 | 震災
遠くに住む姉から電話があった。
「福島ダメだよね、死んじゃうよ」だって。
姉は一応教職者だ。こんなもんなんだろうな、他人事。

内閣不信任案が出てゴタゴタした時。
テレビに出ていた政治評論家の人が「東北の人は大人しすぎる」と言った。
もっと声を大にして訴えなさい、だって。
声を大にして訴えたって通らない。
みんな諦めちゃっているんだよ。
国の代表者より、今回は市町村の首長が頑張っている人、多かったと思う。

年で20ミリシーベルトは危険すぎる。
福島の子供、逃げなさい。
いろんなことを言う人がいる。

そりゃ逃げたいよ。今すぐでもどっか遠くに行きたいと思う。
子供がいる家庭はもっと強く思っているに違いない。
が、仕事があって家がある。
それを捨てて新たな地に住み、今までと同様な生活が出来る保障は全くない。
それを簡単に「逃げなさい」って…。
あの日以来、洗濯物を外に干したことはない。
窓も開けない。

「福島の子供はかわいそう、放射線にさらされ、給食は福島県産野菜を食べさせられて」
テレビであるコメンテーターがそう言ったとか。
どういうつもりで言ったのか分からないが、福島県民、全員を悲しくさせる発言だった。

東電の社長がお詫び行脚しているとき、避難住民が「土下座しろ」と言い、社長が土下座で謝った。
そのことについて、新聞の投書欄に「違和感を覚える」と非難投書が載っていた。
確かに社長が土下座しても、何の問題解決にならない。私もあまり気持ちがいいものじゃないと思った。
が、当人たちにしたらそれくらいのことをして、当然だろうと言う気持ちがあったんだろう。
家を捨て仕事を捨て逃げなくちゃいけない。しかもいつ戻れるかも分からない。
彼らの気持ちになればそれも理解出来なくもない。

結局、他人事なら何とでも言えるってこと。
実際その身にならなくちゃ、理解できるものではない。
テレビで発言する人はよく考えて発言して欲しいし、何より国を動かす人はその思いをしっかり受け止めて動いて欲しい。

明日で震災から3ヶ月。傷は癒えない。