ご報告がまたしても遅くなりました。
今年の宝生流「和の会」第3回能楽公演が4月23日に行われました。
今回、私の原画作品は、今回の演目「小鍛冶」にちなんで
太刀と一緒に展示させていただきました。
キラリーン!
東京にある刀鍛冶屋さん吉原義一さんのものです。
私の作品はこちら。
今回もいい感じに額装できてよかったです。
前回と同じような雰囲気をもたせつつ、違う素材の額装にしました。
チラシで使われた部分より、実際はもう少し髪の毛など長めに制作してあります。
前日の設営の様子です。
見守る私。
今回は、なんせ本物の刀を展示するっていうんでかなりの緊張が走りました。
本当におっかなびっくりで。
ライティングするのは、本当に大変でした。
展示する前に磨ぎ粉をトントン・・・とうつ吉原さん。
さらにピッカピカのギラギラになります。
あまりの太刀の迫力に、みんな一歩ひいた状態で見学。
どんどん集まってきて、かなり吉原さんを取り囲みました。
私の展示をして、ライティングをして最後の最後に太刀を展示です。
太刀を触るのは吉原さんのみなので、みんなでただただ傍観・・・・。
手前のびびりな背中が私。
いやあ刀って本物はすごいですね。
昔のお侍さんて、よく刀で人が切れるもんだなーと思っていましたが、
これは切れます!簡単に切れますよ!
凄いわー!
てな感じで無事に設営ができて、公演日。
客席の様子。
前回もそうでしたが、予約席はわりと満席に近くて、当日席にはわりと余裕があります。
ぎりぎりにも告知すべきでした。
1年に1回なのでもったいない。
当日のみお目見えする、ポスター版。
見て下さっていますねー。
前回同様、和の会どらやき!
皮がもっちもちで本当に美味しい!
当日はお茶のサービスがあります。
この日は小雨で肌寒かったので、温まりました。
今回の公演と配役。
◎連 吟「八 島」(やしま)
和久 荘太郎
高橋 憲正 ほか
◎舞囃子「船弁慶」(ふなべんけい)
シテ : 辰巳 孝弥
笛 : 藤田 貴寛
小鼓 : 住駒 充彦
大鼓 : 佃 良太郎
太鼓 : 小寺 真佐人
地謡 : 大友 順 ほか
◎狂 言「悪 坊」(あくぼう)
シテ : 山本 則秀
アド : 山本 則孝
アド : 山本 則重
◎仕 舞「土 蜘」(つちぐも)
シテ : 辰巳 大二郎
頼光 : 川瀬 隆士
◎能「小鍛冶」(こかじ)
シテ : 宝生 和英
ワキ : 森 常太郎
ワキツレ : 舘田 善博
間狂言 : 山本 則重
地頭 : 武田 孝史 ほか
今回は、「小鍛冶」のアクロバティックな演目にちなんで、
他も力強い演目が続きました。
どれもとてもよかったです。
小鼓の音は気持ちがよいです。
「土蜘」では、シャッとクモの糸を出すのが、緊張と美しさが混じっていて爽快です。
そして、今回の「小鍛冶」はとても見応えがありました。
能面も3面登場するのもいいです。
稲荷大明神の神徳によって名刀を作るという筋から、
狐の精霊がでてきて刀制作を手伝ってくれたりと神秘的なお話です。
狐の精霊っていうことで、家元はぴょんぴょんと飛び跳ねていたんですねー。
おもしろい。
カタログの方に、太刀の展示にご協力頂いた吉原さんのお話があるのですが、
今回の主人公「小鍛冶」三条宗近は実際にいた可能性は高いそうです。
正宗の方があやしいとか。
現存する刀も、本物と言い伝えられていてもひどい状態のものがあったりと
信憑性を疑うものも少なくないそうですが、宗近のものは東京国立博物館に
「三日月宗近」(国宝)も保存してあり、
日本刀の歴史では最初期の刀鍛冶としてちゃんと実在した人物だそうです。
その他にも、刀鍛冶の資質や手法のお話をされていてとても興味深いです。
演目が「小鍛冶」ということで、現代にもそのお話が通じている
現実があるというのは、すごいことですね。
室町時代のお話ですから。
今回は、現代とリンクできたのがよかったです。
ぐんと身近に感じる事ができました。
次回も楽しみです。
毎回、カタログに能の基礎知識や演目の時代背景などミニ情報も満載で、
初めての人にもとてもわかりやすい公演になっていると思います。
恒例になってきた、和の会スタッフの記念撮影。
昭和女子大の学生さんがお手伝いに加わってくださっていて、活気があります。
最後に家元のお言葉。
「和の会」は彼の会ですからね。
この数日前にお父様が亡くなられ、真の家元となり、
気持ちも新たにより一層しっかりされた感があります。
今回は、かなり一人稽古を頑張ったそうです。
その成果はでていたと思いますよ。
次回は来年です。
「何の演目にしましょうねー。」とお話しました。
私も毎回制作するのが楽しみですし、家元の成長も楽しみです。
「和の会」ではワークショップも積極的に行っているので、興味のある方はどうそ!
http://www.hosho-wanokai.com/