8月に読んだ本

8月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:4562

樋口一葉日記・書簡集 (ちくま文庫)樋口一葉日記・書簡集 (ちくま文庫)の感想
“しばし文机に頬づえつきておもへば誠にわれは女成けるものを、何事のおもひありとてそはなすべき事かは。” ”我れを訪ふ人十人に九人まではたゞ女子なりといふを喜びてもの珍らしさに集ふ成けり、さればこそことなる事なき反古紙作り出ても今清少よむらさきよとはやし立る、誠は心なしのいかなる底意ありてともしらず、我れをたゞ女子と斗見るよりのすさび。” 若く志高く、早過ぎる晩年。
読了日:08月31日 著者:樋口 一葉
新柳集(澁澤龍彦 泉鏡花セレクション 3) (澁澤龍彦泉鏡花セレクション)新柳集(澁澤龍彦 泉鏡花セレクション 3) (澁澤龍彦泉鏡花セレクション)
読了日:08月27日 著者:泉鏡花
宝石の国(11)特装版 (プレミアムKC)宝石の国(11)特装版 (プレミアムKC)
読了日:08月25日 著者:市川 春子
ラスト・ストーリーズラスト・ストーリーズ
読了日:08月24日 著者:ウィリアム トレヴァー
吐き気 (フィクションのエル・ドラード)吐き気 (フィクションのエル・ドラード)の感想
文体練習として書いたという表題作、ベルンハルトそっくりなくどくどしい呪詛節が堪らない。辛辣激烈な内容なのに嗤ってしまった。“途轍もない規模の吐き気だ” “モヤ、もう一秒たりとも耐えがたい、吐き気のあまり、重度の突発性精神的敗血症で死んじまうかもだ” 
読了日:08月21日 著者:オラシオ・カステジャーノス モヤ
メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)の感想
面白楽しかった!うおん! タイトルからジキルの娘が主人公なのは了解していたが、マッド・サイエンティストがハイドやラパチーニやモロー博士やらで、その娘たちがぞろぞろ出てくるとは知らず(あらすじ読まないので)何この豪華メンバー…とのけ反った。メアリが父の死に疑問を抱いたことをきっかけに、少しずつ似た境遇の異形の女たちが出会い繋がっていく。各々モンスターの特性を存分に活かした皆の活躍ぶりがすかーっと痛快だった。何一つ人並みじゃない彼女たちにしか出来ないことがあって、それが滅法格好いい。三部作が続けて出ますように
読了日:08月19日 著者:シオドラ ゴス
殺人者の健康法殺人者の健康法の感想
再読。前半も面白いのに、やはり女性記者登場からの後半に持っていかれる。過去にはノーベル賞まで受賞したが、その作品を誰にも読まれていない(本人曰く)老作家の、余命2ヶ月あまりの最期に暴かれる秘密。死期の迫った作家プレテクスタ・タシュの明かしたそれは、奇跡のような子供時代の楽園と〈永遠の子供時代のための健康法〉についての、身勝手なおぞましい言い草だった。冷たい湖の水中で過ごす青白い少女の幻めく姿、湖底で揺れるそのか細い肢体…。許しがたいはずの倒錯の光景が美しくてくらくらした。(ラストも好きです。あらためて)
読了日:08月17日 著者:アメリー ノートン
知りすぎた男 (創元推理文庫)知りすぎた男 (創元推理文庫)の感想
再読。
読了日:08月12日 著者:G・K・チェスタトン
子供時代 (ルリユール叢書)子供時代 (ルリユール叢書)の感想
言葉に対して直ぐに向き合う、その姿勢の厳しさ苦しさが切実なまでに伝わってくる文章だった。美しく身勝手な実母がいて、再婚した父と奇異なほどに頑固な継母がいて、両親の間を行ったり来たりさせられるナターシャ。自分では居場所を選べないのだからここにいるしかないという諦念も、誰にも心を打ち明けられない…という大人への失望も、「ああわかる私も知ってる…」と思い「いや、簡単に分かった気になってはいけない」と思い直した。訳者解説の、内なる対話者を異性と決めつけない(人の深層意識に男女の性別はない)解釈を知り、興味深かった
読了日:08月11日 著者:ナタリー サロート
とりかへばや、男と女 (新潮文庫)とりかへばや、男と女 (新潮文庫)の感想
“内なる異性”の章が読み返したくなり、再読。“内なる異性”とは、“内なる声である対話者”でもあるか…と思い、サロート『子供時代』を読みだす前に。もちろんほかの章もとても面白く、『とりかへばや』という稀有な物語の特異さと魅力についてこれでもかと説かれている。バルザック『セラフィタ』に触れている件もあり(短いけれど)、最近読んだばかりなので興味深い内容だった。
読了日:08月07日 著者:河合 隼雄
犬売ります (フィクションの楽しみ)犬売ります (フィクションの楽しみ)の感想
すこぶる面白かった。メキシコ・シティーの下町にて、古ぼけたマンションで繰り広げられる高齢者の老獪バトルは、若者も巻き込んでの狂騒へとなだれ込む‥。けど、その応酬が滑稽でどこか可愛くて堪らない。絵描きくずれの元タコス屋テオ、読書会(ほぼ強制参加、なのじゃが)を仕切りまくる老嬢フランチェスカ、八百屋の女将ジュリエット‥皆、年季入り過ぎの曲者ぶりが楽しかった。「つまり、探さざる者、発見に至らず、ですな」
読了日:08月06日 著者:ファン・パブロ ビジャロボス
三日月少年の秘密 (河出文庫)三日月少年の秘密 (河出文庫)
読了日:08月05日 著者:長野 まゆみ
敗残者 (東欧の想像力)敗残者 (東欧の想像力)
読了日:08月04日 著者:ファトス コンゴリ
とりかへばや物語  ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 日本の古典)とりかへばや物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 日本の古典)の感想
再読。
読了日:08月03日 著者:
星に仄めかされて星に仄めかされて
読了日:08月01日 著者:多和田 葉子

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