11月に読んだ本

11月の読書メーター
読んだ本の数:20
読んだページ数:5243


恋紅 (新潮文庫)恋紅 (新潮文庫)感想
再読。主人公ゆうの凛とした眼差し、その先に咲き誇るは奇瑞の桜…。今回あらためて、遊女屋の娘という設定に胸を衝かれた。少女に身の置き場は選べない。自ら望んだ境遇ではないけれど、廓に買われた女たちが身をひさいで得た金で、自分は「お嬢さん」と呼ばれて何不自由なく暮らしている。ゆうの目に映る遊郭の仕組みの酷さと、「亡八の娘」と蔑まれる現実。このお仕着せを拒まず大人になれば、心も鈍く麻痺していくのだ…と。ただ恋に縋るのではない、いつか自分の望む生き方にたどり着きたい…と道筋を求め、答えを掴もうとゆうは手を伸ばした
読了日:11月30日 著者:皆川 博子
約束された移動約束された移動
読了日:11月28日 著者:小川洋子
ブヴァールとペキュシェブヴァールとペキュシェ
読了日:11月26日 著者:ギュスターヴ フローベール
おカルトお毒味定食おカルトお毒味定食感想
再読。
読了日:11月25日 著者:松浦 理英子,笙野 頼子
だいにっほん、ろりりべしんでけ録だいにっほん、ろりりべしんでけ録感想
再読。近代が劣化した末のおんたこの国だいにっほんは、“マルクス主義の夢破れた廃墟”と成り果せた。作者はそこから登場人物たちを救い出す(回収する)べく弁財天名の連蛇(ナノレンジャー、緑桃木・赤沢野・黄八百木)各々に任務を与える…! 習合の上に更に習合(弁天オン観音ww)とか、事態がわちゃわちゃしてくる展開に引きこまれた。分魂(唯一絶対の他者)から愛されているみたこは、おんたことは生きられない。マルクスはおんたこ。実は作者のトラウマになっていたドイデにこそ、おんたこマザーは潜んでいた…。
読了日:11月22日 著者:笙野 頼子
両親との別れ (1970年) (今日の海外小説)両親との別れ (1970年) (今日の海外小説)
読了日:11月21日 著者:ペーター・ヴァイス
萌神分魂譜萌神分魂譜感想
再読。個人が純粋にただ祈る(=プチ信仰)境地から、 “いる、と信じられる絶対唯一の他者” “原点、定点となる他者” “もうひとりの私”(=分魂)としての神を見出す話へ、個人の信仰のテーマが更に押し広げられていく。プチ信仰があってそこに分魂もいてくれる、不思議な大らかさ。…にしても、“姫”を愛してやまない“俺”(客人権現)が、酒に溺れ続ける“姫”を救うために姿を現すところ、笑ってしまって凄く好きだ。床から生えてみた、って。しかも台所。萌神だから“生えてみた”で合ってるのだろうけれど。(めも フォイエルバッハ
読了日:11月21日 著者:笙野 頼子
だいにっほん、ろんちくおげれつ記だいにっほん、ろんちくおげれつ記感想
再読。2060年おんたこ政権下のロリコン立国だいにっほん(しかし地方は最早かえりみられず“ぐさぐさ”)は、死んだ人間がぞろぞろ帰ってくる…そんな国になっている。笙野頼子の発狂から半世紀。とりわけ放置されているS倉市には、隣接するウラミズモから女達が小商いにきたり、おんたこの反対政党も心許ないながらも出来たとか。ウラミズモの神話(旧日本原典の作り変え)を火星人少女で死者のいぶきが読んでいたり、おんたこを恨む死者(遊郭の少女たち)が怪奇なやり方で復讐を遂げていたりと、色々繋がっていく展開に今回も呑まれた。
読了日:11月19日 著者:笙野 頼子
だいにっほん、おんたこめいわく史だいにっほん、おんたこめいわく史感想
再読。すっかり呑まれた。兎に角設定は一見シュールだし(火星人少女遊郭・涙)おんたこはあまりにも醜悪…なのだが、実は私も、おんたこ、知っている。普段あまり見えないようにはされているけれど。おんたこは、第一党の癖にマイノリティの反権力を称し、ペド全開でロリコンを趣味ではなく商売にしている。ネオ(ロリ)リベ。八百長討論。蛸壺的世界観と歴史観。おんたこの理想は、80年代経済の享受と非現実化させた記号少女の享楽…とか。そして、自我を失くして隷従民になることを受け入れない人々(みたこ信者…)はいなかったことにされる。
読了日:11月18日 著者:笙野 頼子
葛原妙子 (コレクション日本歌人選)葛原妙子 (コレクション日本歌人選)
読了日:11月17日 著者:川野 里子
マクティーグ (ルリユール叢書)マクティーグ (ルリユール叢書)
読了日:11月15日 著者:フランク ノリス
一、ニ、三、死、今日を生きよう! ―成田参拝―一、ニ、三、死、今日を生きよう! ―成田参拝―感想
再読。概ね単行本の刊行順に読み返しているが、「成田参拝」の初出は2003年とあり、成田を知ったのを機に個人の信仰とは何かと考えたこと、長篇『金毘羅』へと至るその覚醒の流れについて辿ることが出来る。“私にとって愚民でないという事は常に狂気と向かい合う事だ。或いは愚民である自分を自覚する事だ。そのふたつの間を行き来して生きることだ。だって、――。
読了日:11月13日 著者:笙野 頼子
蝶を飼う男:シャルル・バルバラ幻想作品集蝶を飼う男:シャルル・バルバラ幻想作品集
読了日:11月12日 著者:シャルル・バルバラ
美学文芸誌「エステティーク」Vol.3 特集:神美学文芸誌「エステティーク」Vol.3 特集:神
読了日:11月12日 著者:高橋 睦郎,鶴岡 真弓,大島 直行,山田 仁史,武田 宗典,宮川 あゆみ,大岡 淳,辻 大介,岩渕 竜子,三浦 和広,大谷 哲,華藤 えれな,鵺神 蓮,高田 和恵,樋口 りの,斯波 克幸,市川 純
私は幽霊を見ない私は幽霊を見ない
読了日:11月11日 著者:藤野 可織
汚辱の世界史 (岩波文庫)汚辱の世界史 (岩波文庫)
読了日:11月07日 著者:J.L.ボルヘス
絶叫師タコグルメと百人の「普通」の男絶叫師タコグルメと百人の「普通」の男
読了日:11月06日 著者:笙野 頼子
金毘羅金毘羅感想
再読。
読了日:11月05日 著者:笙野 頼子
美しい変形菌美しい変形菌
読了日:11月02日 著者:髙野 丈
夢の本 (河出文庫)夢の本 (河出文庫)
読了日:11月02日 著者:ホルヘ・ルイス・ボルヘス

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )