8月30日(読んだ本、『硝子生命論』 再読 『母の発達』 再読)

 @rinakko
 【硝子生命論/笙野 頼子】
 
 再々読。透明を許されず透明を志向する…観念の硝子、その死体(…だけでもう美しい)。ヒヌマ・ユウヒという生き辛さを抱え込んだ人形作家の造形といい、そんな彼女が作る少年人形の設定(そも人形=非生命であるのにそれは必ず死体人形であらねばならない…と被せてくる)とその魅力(上半身は少年で下半身は恐竜とか…!)といいすこぶるにツボな作品である。
 ひさしぶしに読み返してみて、あらためて後半の展開が面白かった。一冊の書物に生まれ変わる語り手の日枝無性と、人形恋愛の同志たちによる“あらゆるタブーを破る事で生まれる国家殺し”…なのだから。








 @rinakko
 【母の発達 (河出文庫―文芸コレクション)/笙野 頼子】
 
 再読。読み返すのは少々きついかな…と危ぶんでいたが、なんのなんの滅法面白かった。とりわけ“五十音の母”は、様々な“おかあさん”たちをずらりと並べて時には論い、片っ端から思い切り笑い飛ばしていくので胸が空く。

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