8月10日(読んだ本、『フェリシア、私の愚行録』)

 @rinakko
 雪割草咲く野に少女を攫いたく夕暮るるまで風を集めぬ──永田和宏
 円筒帽のみな顔亡しぞ昼の月──安井浩司
 #詩歌蠱術函




 @rinakko
 フェリシア、私の愚行録 (ルリユール叢書)/ネルシア】
 
 “私は浮気から浮気へと飛んで回るように生まれついた女だ。全部つまみ食いしてひとつところにはとどまらないようにできている。(略)こんなに強い情熱を一人の人に対してだけもつなんてことは私にはできない。” 

 面白かった。うおん。美しき遊女フェリシアの軽やかで賢く優雅なことよ。
 愛は惜しみなく分け与えることが出来るし、更に末永い友情へとゆるゆる変化させていけばよろしい…と。愛着は持っても執着はせず、激しい情熱には一歩退きつつ己の官能には素直(過ぎるほど)に従う。こんなに奔放に生きてきて、誰のことも不幸にしなかったと言い切れるところが見事なひとだ。びば浮気女。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )