3月に読んだ本

3月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:4707ページ
読んでた本の数:1冊
読みたい本の数:3冊

▼読んだ本
蝋人形館の殺人 (創元推理文庫)蝋人形館の殺人 (創元推理文庫)
面白かったです。ラストは痺れました。
読了日:03月30日 著者:ジョン・ディクスン・カー
暁の女王と精霊の王の物語 (角川文庫)暁の女王と精霊の王の物語 (角川文庫)
うとりうとり…ただ溜め息。至福の時間でした。ああ、「東方紀行」を読みたいです。
読了日:03月28日 著者:G. ネルヴァル
第七階層からの眺め第七階層からの眺め
ああ、素敵な短篇集だった。もっと奇想が前面に押し出されているのかと何となく思っていたが、そうではなく、始めから風変わりな設定がそこにあるのに、こちらの心の隙間にすんなり入り込んでしまう…そんな作風がとてもよかった。淡々とした物語を読みすすみ、最後にたどり着いた場所で気持ちが緩む。じんわりとした温もりが胸に広がっていった。切ないな、愛おしいな…。おのずと冬のコートを肩から滑り落としたくなる読後感が、忘れがたい。インコ、ジョン・メルビー神父、マシン、トリブル、瞳孔にマッチ棒、アンドレア、ポケットが好き。
読了日:03月27日 著者:ケヴィン ブロックマイヤー
澄みわたる大地 (セルバンテス賞コレクション)澄みわたる大地 (セルバンテス賞コレクション)
素晴らしい読み応え。祈りも呪いも渾然となった数多の声が覆い重なっていく先に、“澄みわたる大地”が立ち現れる。圧倒された。急速な発展を経たメキシコ。付け焼刃な上流ぶりをひけらかすブルジョア、落ちぶれた名門一家、そして貧しい民衆へ、様々な人々を網羅する勢いで視点は切り替えられ、更に過去へと遡る章や断片が挿入され、時間の流れも折り重なっていく。小作人の息子は今や実業家、その妻は好きでもない男の富と結婚した。自分達の人生に、取り返しのつかない断絶があることに気付かぬまま、彼らは己を見失っていく。虚ろな声を残し
読了日:03月23日 著者:カルロス フエンテス
ナボコフ全短篇ナボコフ全短篇
少しずつ読んでいた分厚い一冊。とりわけ印象深い作品を挙げると、「翼の一撃」「じゃがいもエルフ」「ナターシャ」「バッハマン」「オーレリアン」「海軍省の尖塔」「環」「マドモワゼル・O」「フィアルタの春」「雲、城、湖」「博物館への訪問」「『かつてアレッポで……』」「初恋」、といったところ。少しずつ角度を変えていくことで、また違う色味の煌きが見えてくるような…そんな気持ちにさせられる文章が溢れていた。いつかふっと思い出した折など、ぽつりぽつりと再読してみたいな。
読了日:03月16日 著者:ウラジーミル・ナボコフ
ローズ・ベルタン ─ マリー・アントワネットのモード大臣ローズ・ベルタン ─ マリー・アントワネットのモード大臣
“今ほど浪費がまかり通った時代はない。全収入を使い果たし、資産も放出し、その過剰なさまは破廉恥で、隣人すら消し去ろうとしている」”(127頁)常軌を逸したファッション熱! とても面白かった。髪結いからやがて王妃に引き立てられる王国随一のモード商へとのし上がっていった、庶民出のベルタン。彼女が成したのは、ファッションを手工芸から芸術へと変化させることだった。読みやすい長さで内容もわかり易く纏められているが、初めて知ることが多くて興味深かった。牢獄のアントワネットの元に、喪服が届く件はぐっときた。
読了日:03月16日 著者:ミシェル サポリ
ゾティーク幻妖怪異譚 (創元推理文庫)ゾティーク幻妖怪異譚 (創元推理文庫)
どっぷり、うとりうとり、心ゆくまで堪能した。クラーク・アシュトン・スミスを読んだのは初めてだけれど、小昏い妖しの世界にすっかり酩酊してしまった(ぽわん…)。魔術と異形の横行する頽廃の終末世界…という設定が兎に角とても好みなので、贅沢な時間が流れていたように思う。降霊術師の歪んだ野望に操られる木乃伊の悍ましさと悲哀、そして食屍鬼たちの腐臭。青白い輝きを放つ銀死病に魅了された「拷問者の島」、倒錯感が堪らない「降霊術師の帝国」「死体安置所の神」や「イラロタの死」、背徳の庭の眺めが素晴らしい「アドムファの庭園」…
読了日:03月15日 著者:クラーク・アシュトン・スミス
十蘭万華鏡 (河出文庫)十蘭万華鏡 (河出文庫)
これもよかったです。とりわけ好きなのは、「花束町一番地」や「花合せ」「雲の小径」。中でも「花合せ」は、南瓜話が何とも色っぽくて好きだったのだが、主人公の福井が再会した若い未亡人が、夫がフランスでしこたま買いこんだ高級珍味があり過ぎてお米の配給しか受けられない…と嘆くところで度肝を抜かれた。浮世離れして楚々とした美人が一人で渋々フォア・グラ(とか蝸牛とか鰻のスゥプとか)三昧の日々…なんて、こういう胸やけを催しそうな洒落た設定をどうやって思いつくのだろう…(感嘆)。
読了日:03月12日 著者:久生 十蘭
死者を起こせ (創元推理文庫)死者を起こせ (創元推理文庫)
おおお面白かった! 三人の失業中(クソ溜にはまっている)の歴史学者たちと、老いても美男の元刑事が事件にあたる。中世のマルク、先史時代のマティアス、第一次大戦のリュシアン…と、全くばらばらな専攻に絶妙に絡ませた三聖人の造形と言い、彼らが住むことになるパリのボロ館と言い、設定の悉くがツボでとてもよかった。隣家の住人である元オペラ歌手ソフィアからの依頼で、突然庭に現れたというブナの木の下を三人が掘る…ところから、思いがけない方へと話が転がっていく。引きこまれた。(マティアスがパンを切るところ、可笑しくて好きだな
読了日:03月09日 著者:フレッド ヴァルガス
[第4巻 ゴシック] オトラント城 / 崇高と美の起源 (英国十八世紀文学叢書)[第4巻 ゴシック] オトラント城 / 崇高と美の起源 (英国十八世紀文学叢書)
ゴシック文学の先駆けということに興味を持ち、読んでみた。謎めいた旧い予言の伝わるオトラント城を舞台に、領主マンフレッドやその娘マチルダ姫、世継ぎの婚約者イザベラ姫、妃のヒッポリタたちが、怪異に脅かされつつ繰り広げる悲喜劇…といった按配の物語。なんと、若君コンラッドが婚礼の日に、忽然と現れた巨大な兜に組み敷かれ亡くなる…という幕開けで驚いた。領主マンフレッドの邪恋と、貞節な妃の苦悩、マチルダとイザベルの陥った三角関係…など、幽霊と下世話が同時に描かれているところに、くすりと笑いもこぼれる。面白かった。
読了日:03月07日 著者:ホレス・ウォルポール(オトラント城),エドマンド・バーク(崇高と美の起源)
蒼ざめた馬 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)蒼ざめた馬 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
クリスティーだし…と思うと。
読了日:03月05日 著者:アガサ・クリスティー
河・岸 (エクス・リブリス)河・岸 (エクス・リブリス)
“一つは父と船、一つは母と陸。どちらか一つしか選べない。”(53頁) 微妙に好みではないのだが、まあ面白かった(しかし、監視者ってスト…むにゃ)。
読了日:03月01日 著者:蘇 童

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