イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

キリュー夫人

2008-08-12 00:01:16 | 昼ドラマ

『炎神戦隊ゴーオンジャー』、昨日の記事で触れそびれたのですが、炎神ソウルたちがアニメ姿でフロートして会話する場面を、久しぶりに見たような気がします。

ウイングス参入時のちょっとした駆け足詰め込み感が尾をひいたまま、GP2224“ヒラメキメデス三部作”が続いたので、ガイアーク内の、インティマシー豊かで、かつ深読みの楽しみどころ満載な人間(?)関係に比べて、炎神同士、あるいは炎神対“相棒以外”のゴーオンメンバーの関係性がやや薄くなっている。たとえばトリプターが早輝を、ジェットラスがバルカを、あるいはジャン・ボエールがキャリゲーターを、どう思ってどう接したがっているか。炎神同士が、平成『仮面ライダー』のライダーバトルみたいに、たまにいがみ合ったり反抗し合ったり、ときに恋愛感情持ち合ったりしてはどうか…とまでは思いませんが、炎神声優陣が豪華なので、炎神のキャラをもっと濃く出した、炎神がゴーオンメンバーを置き去りにして暴走するくらいのお話があってもいいと思う。

『白と黒』は第7週、第31話に。北京五輪生中継(男子平泳ぎ200メートル決勝を含む。北島選手100メートル世界新金おめでとうございます。一応言っとく。月河とて日本人だから)のため放送休止の14日(木)を含む今週辺りが、客を逃すか/逃さないで後半のテンション上げに繋げられるかの分水嶺という気がします。

五輪がなくても、お盆休みで帰省・海外脱出やリゾートのため不在率が高いこの時期は昼ドラ試練のとき。

いまはVTRHDDなど録画機材が普及していますから、ちょっと熱心なレギュラー視聴者なら録画予約セットしてから海に山に、実家にゴーが普通ですが、時間と場所が変わることによる心理的な効果は怖ろしいもので、たかが3日か4日ワイワイ遊んでストレス解消して帰宅し「そうだ昼ドラ録ってた」と思い出して再生すると、アレ?こんなんだったっけ?こんなのドコがおもしろくて観てたんだ?と不思議なくらい色あせて見えることがあるのです。民俗学的に言えば“ハレ”から“ケ”の落差とでも言いましょうか。

月河はGW・お盆休みなどカレンダー通りの一斉休暇にあまり縁のない生活ですが、たった一泊の出張や病院泊まり込みをきっかけに、録画環境にはあるのにずるずる脱落した帯ドラマが、実は少なからずあったりします。

先週29話の桐生所長(山本圭さん)と彩乃(小柳ルミ子さん)の元夫婦対面シーンはベテラン同士の競演だけに画面にずっしり見応えがありました。この2人が夫婦だったって、いったいどんななれそめだったのか。価値観の違いを彩乃は強調していましたが、価値観以前に人間としての“質感”が違い過ぎ。

彩乃がやっぱり自分たち兄弟の実母だったと聖人(佐藤智仁さん)が暴いた当初は、男と逐電したか不貞が露見して追い出されたか?とも思いましたが、その後の回を観進むうち、彩乃は色っぽく艶っぽいけど、淫蕩さや自堕落な感じはなく基本的には凛と誇り高い。所長との対面でも彩乃に後ろめたさは微塵も無いので、所長のほうがドギマギ位(くらい)負け気味でしたね。所長は男女の機微にとことんうとい朴念仁ですが、とにかく“別れた女と久々再会したら、自分と一緒にいたときより美しかった”ってのは男には普通にショックだあね。彩乃さんの現在は、桐生と別れたからこその開花。「別れてからも男は(現・内縁の)大貫(大出俊さん)だけ」と今日31話ではみずから聖人に話していました。

実生活では結婚→離婚報道以降、輝かしい芸能キャリアにだいぶ“意味の手垢”がついてしまった小柳さんですが、歌あり踊りありの大舞台ではない、昼ドラサイズの枠組みで、ちゃんとその中におさまる芝居をしてくれているし、清と濁、あでやかさとさっぱり感の“出し入れ”のうまさもさすが。今日余命宣告出ちゃいましたが、ヴィジュアル上の華としても最終話まで出てほしいがなぁ。

こってり恩に着せて章吾(小林且弥さん)と別れた後、礼子に対して“元のとおりの親友”どころか意地悪小姑根性隠さなくなった一葉(大村彩子さん)もいい味出してきています。深夜ズカズカ礼子のアパートに上がり込んで「こんな時間に洗濯?昨夜はドコにいたの?」と、聖人の礼子への書置きを盗み読んで黙って捨てた自分の狡猾さは棚に上げて追及した挙句、“オトコが隠れてるでしょう”と言わんばかりに寝室の襖も開けて踏み込みキッ、キッと左右をチェック。やや一本調子で起伏が少なく、物語の振り幅も小さめでここまで来たドラマを、ぐらぐら衝き動かしてくれそうな勢いあるキャラになってきました。演じる大村さん、心なしかお肌も回復基調のよう。女の子っぽいかわいらしさと、ぞくっとさせる毒気を併せ持つ演技者として、まだまだ伸びしろがあると思います。

起伏が多くて、局面が天国から地獄へころころ変わる、ジェットコースターのような展開を毎話用意するってのも、無理があるしどうかと思いますが、お盆明けに客が確実に戻ってくるような緻密なテクスチュアを、今週は特に期待しましょう。

コメント
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