イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ミトコンドリア

2008-08-22 23:17:54 | スポーツ

うははは、やっちまいましたな星野ジャパン。準決勝韓国に26完敗。

出先のTVで岩瀬が2ランされたところをちょうど観ていたんですが、おっさんたちが半笑いで「もう全員中国から帰ってくんな」「中国人になっちまえ」「北京で大気汚染で死んじまえ、がっはっは」とか指さして罵倒してました。災難だね。

なんかこんなことになるような気がしてたんですよ。今大会、柔道の谷選手と鈴木桂治選手、陸上ハンマー投げ室伏選手、競泳の北島選手とサッカー反町ジャパン、野球星野ジャパンだけは「目を剥くものすごい結果か、巨大な期待倒れかどっちか」との月河予想だったのですが、どうでしょう。

いまのところ“予想としては土つかず”じゃないか。自慢してる場合じゃないか。この中では、気持ちを切らさずに3位決定戦で本領発揮した谷選手は本当によく踏ん張ったと思います。月河としても手ごわかった。予想として1“分け”に数えるか。「手ごわかった」って月河に言われたくないだろうが、YAWARAさん。

その谷選手は、実況席解説の山口香さんが「残り時間僅かで反則ポイントが上回り、引っくり返すには一本(勝ち)しかないという状況で残り10秒、5秒と時間を稼がれてしまう、谷選手が負けるとしたらこの形しかないという形に、残念ながらなってしまった」という意味のことを言っていた、その通りだと思う。鈴木選手は、初戦のモンゴル選手が最初からあの“注文相撲”を狙っていたのに対しあまりに無防備、ノー警戒。室伏選手は考えてみれば4年前、29歳のアテネ大会でもドーピング繰り上がりだったので、よほどのツキがないと五輪金は無理だった。反町ジャパンはそもそもマスコミが騒ぎ過ぎ。

そんな中、期待倒れフラグ山のように立っていたのに力ずくでねじ伏せた北島選手はお見事のひと言。メドレーリレーで、後輩たちがメダル圏に踏み止まれるギリまでリード広げてバトンタッチし銅をもたらした辺り、単純にツキというより“五輪運”の強い人なんでしょうな。引退しても競泳日本代表としてはコーチなりアドバイザーなり、この人を絶対アタマカズに加えて、できれば一生、開催地まで同行させるべき。

そして今日の星野ジャパン、やはり各プロ球団からの寄せ集め集団の弊というか、各人“所属チームで運を少しずつ使い減らし済み”なのがやはり痛かったかなと。韓国代表チームも同じでしょうが、「日の丸つけたヤツらには負けたくない」根性において若干上回ったのではないでしょうか。USメジャーリーグには及びもつかないとは言え日本国内では男の子諸君・女子アナたちの憧れ“五輪メダルボーナスなんかなくても高年俸”軍団、「韓国国旗を見ると闘志が湧いて来る」でモティベーション一本化とはいかなかったのではないかな。

いままでの五輪野球、決して淋しいメンバーではないのに金に手が届かなかったのは、実績のある選手、言い換えれば五輪以外の場所で勝負運を燃焼させ過ぎの顔ぶれを選んでしまったから。今大会もきれいに同じ結果が出た。

『白と黒』は第39話。絵ヅラ通りなわけがない、下心ウラ心あるに決まっている聖人(佐藤智仁さん)が、「本当にこんなに改心、更生しました」という了解取り付けに終始しているので、ちょっと退屈。すべては「本当は礼子と兄貴を陥れるためのカムフラージュだったのさ」が明らかになったときのドラマ的落差演出のためなのもまるわかり。

まるめ込まれて「罪を許せる人間でありたい、だから(聖人の)ワイン納品を許可する」と言う章吾(小林且弥さん)に「でも感情は別」と礼子(西原亜希さん)、「別な感情って何だ!?」と“本当は礼子まだ聖人を想ってるんだろう”疑惑の本音を垣間見せる章吾。聖人のウラ心に完全に「ワタシが救ってあげた人」と独占感持ってる一葉(大村彩子さん)が「やっぱり本命は礼子、忘れられなかったのね」と知ったときの逆上っぷりのほうが怖いですが、すべて、観ていてミエミエ想像つく範囲内。

35話からの展開をたとえば、こんなふうにしていればどうだったか。

       聖人が和臣に盛った毒物の量が微妙だったことが捜査立件上の問題となり、応急解毒処置をした礼子が「聖人さんは門前の小僧であの毒薬の致死量を知っており、わざと致死量に達しない量を盛って、いままで自分を蔑んできた父が苦しむ姿を見たかっただけで殺意は無かった」と証言する。

       章吾は礼子の証言を知ったが、理屈抜き実弟の聖人には軽い刑で済んで欲しいので、自分の書棚から毒物学の本を持って来て、当該毒薬の致死量と解毒法のページに、聖人が寝泊りしていた倉のヒマワリの種を挟み「僕の書棚から聖人が持ち出して読んでいた、聖人が致死量を知っていて避けたのはこれで明白」「聖人は引き出しから僕のノートを盗み出したりデジカメを借り出したりしていたからこの本もその延長」と、礼子の証言を補強する証言を。

       本の当該ページのヒマワリ種の油染みが新しかったこと、表紙や頁から聖人の指紋が検出されなかったことが担当刑事の不審を買い証拠採用はされなかったが、致死量を知っていて避けたはずという礼子の熱意ある証言は裁判で容れられ、聖人は殺人未遂ではなく傷害罪となり短い刑期で済む。

       聖人は本当は致死量云々を知らず適当にワインに混入したのだが、礼子が応急処置した者の強みで意識的に自分に有利な証言をしてくれたことを「俺への愛」と受け取り心の中にしまい、反論はせずに本来より軽く量刑された刑に服する。

       章吾は、礼子が自分に相談せずに聖人に有利な証言をしたことを「聖人に本当はまだ気が?」と懸念し、礼子は礼子で章吾が自分の聖人援護証言をサポートしようとしてくれたことを有難くも若干申し訳なく(でも実の兄弟なら当然かもと)思いながら、結婚生活3年(傷害罪ならもっと短?)の月日が過ぎる。

       聖人は礼子の章吾との結婚を服役中に知り、複雑な思いを味わい、仮釈放後、留学帰国後の空虚感からか妙に親切にしてくれた一葉と一緒になる。一葉の真意は?はたまた聖人は?

       心に聖人への愛を秘めつつ章吾に密かに後ろめたい礼子、礼子の真意を疑いながらも研究所と父の成功及び桐生家の安泰を願う章吾、礼子の愛を信じたいけれども兄章吾と結婚したことが受け容れ難い聖人、章吾への思いを断ち切って聖人に溺れ頼りたい一葉…44様の思いを抱え、「桐生聖人がまた何かやらかすとすれば、あの兄嫁=礼子が必ずキーパーソンの動きをするはず」と目をつけた刑事も外枠にとどまりつつ、第二部に突入。

 ……こんな筋立てを勝手に考えながら、実は今日お昼にコンビニに寄る時間があり、滅多にしないのですがTV誌で来週の概要を読んでしまったのです。

嗚呼。ひと言で言って、大幅に失望。読むんじゃなかった。聖人の行動、なかんずく動機、『美しい罠』と一緒じゃないか。3年前の礼子の地下フェンシング場での行動を、聖人がそんな風に、額面通りに取っていた方向で話が進むとは。

星野ジャパンではないけれど、敗色濃厚…あと5週を残してこの形容をこのドラマに貼るのは、あまりにも残念なのですが、どうもここからの巻き返しは易しくなさそうです。

それより今日は、病院のベッドの傍らで居眠りしてしまった路子さん(伊佐山ひろ子さん)にカーディガンをかけてあげようとして、「冷えるぞ」「体内温度が下がると細胞内のミトコンドリアがどったらこったら」と照れ照れで言い繕う桐生教授(山本圭さん)が好感度上げまくり。理想の高い学究ひとすじ努力家だけど、自分の価値観に合わない人間はいっさい認めない狭量さを第一部でばんばん打ち出していながら、一瞬でもここまで「かわいー」と思わせてしまうのは、山本さんの演技力と伊佐山さんの助演力。いやードラマはやはり脇役ですね。

つくづく「あとは脚本」

コメント
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