イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

マーたいへん

2008-08-21 17:24:09 | スポーツ

シンクロナイズド・スイミングって、王族や貴族を戴く国のほうが圧倒的に強いでしょうね。

音楽に乗ってプールの中から若い美女の美脚がニョキニョキ突き出て、パッカパッカ開脚したり閉じたり、ザッパーン顔を出すとキラキラピチピチの水着にしっかり化粧していてニカッと笑う。それに点数つけて「あっちよりこっちのが綺麗だった、上手かった」なんて優劣決めて興がるなんてなぁ、絶対“皇帝”“皇太子”とか、“大公”とか“伯爵”、さもなきゃ“将軍”なんて立場の、それも男性限定に決まっています。貧しい庶民の娯楽やストレス解消であるわけがない。

案の定、デュエットの1位はロシア、2位スペイン、3位日本4位中国と、かつての絶対君主政国が上位を独占。5位でようやく“王侯貴族を戴いたことのない国”USA。ま、ここは何につけ“ショーの国”“ハデなことならなんでもの国”ですからね。

ドのつくウルトラ庶民の月河周囲の、中高年女性軍なんかにはこの競技ボロクソですよ。「何が綺麗なのか、見てて何が楽しいのかわからん」「親戚の子がメダル獲れそうとかだったら観るかも」「いや親戚じゃなく、自分の娘だったら、やりたいって言った時点で止める。もっと“恥を知った”スポーツやるか、さもなきゃ水着のイメージモデルにでもなってくれたほうがまし」……女性軍ほとんど、同じ“美を競う採点競技”でも、男女体操とか、冬季のフィギュアスケートなどは結構喜んで見ている人たちなんですけどね。

やはりあの“鼻栓ニカッ”で、直球で“愛想を振りまいている”感が気に触るみたい。

月河はむしろ、あのこってりビカビカ化粧顔で“プールに入る”ってのが生理的にイヤですね。もちろん水中でも、激しい運動をしても剥げ落ちない特殊メイクなんでしょうけど。なんか、田舎の色気ババアの温泉ツアーみたいなんだもの。

………………い、いや、激しいトレーニングに耐えて立派に結果を出している選手の努力はどんな種目でも尊いと思いますが。フォローフォロー。

ところで、上述の中高年女性軍シンクロアンチ派に、「んじゃ、(『ウォーターボーイズ』みたいに)若い長身長脚好ガタイ男子のシンクロだったら観る?」と訊くと、たいてい「いやーーー…」と一瞬、二瞬みんな考えますな。

考えた後「笑っちゃって観てらんないと思う」「観ている自分を、人に見られるのがイヤ」「どんなに長身長脚好ガタイでも、不特定多数に見せて採点を仰いでる時点で不純な感じ。評価するに足る身体なら、私ひとりに見せてくれるんじゃないと」…おい!競技の話がいつの間にか肉体の話になってるんですけど。

まぁシンクロに限らず、「なんでこんなのがオリンピック競技なんだ」と思う種目は最近多いですね。23日前だったか、競輪界の“麿(まろ)”こと永井清史選手が銅メダリストとしてスタジオインタビューを受けててびっくりしました。いま、競輪も“ケイリン”として正式種目なんですね。だったら競馬も、競艇もやるべきですよね。金銀銅の3連単。楽しみだなあ。誰が売るんだ馬券舟券。

トランポリンがあるなら、ウンテイなんかあってもいいんじゃないかな。やっぱりアフリカ勢が強いか。ジャングル…いや、偏見ぽくなるからやめとこう。

女子ソフトボールがあるなら、男女混成でドッジボールもやりましょうよ。ビーチバレーやるなら、スイカ割りも必修でしょう。

小中学校の体育や運動会でやってることは、みんなオリンピックにしちゃえばいいんですよ。玉入れとかね。棒倒しも。騎馬戦は月河の頃には廃止になってたけど。運動会と言えばフォークダンスだろう、って人が絶対いそう。やるか200何ヶ国参加でマイムマイム。

そんなこんなで(どんなどんなだ)オリンピックもやっと終章入りです。日本としては、あとは星野ジャパンぐらいか。「延長いきなり一・二塁からタイブレークなんて、あんなの野球じゃない。どうやって一塁二塁になったのか、死四球かバッテリーエラーか、クリーンヒットの連打か、ワンヒットワンエラーか、長打プラス短打か、それとも短打の次に犠打か、何球めに犠打成功したのか。そういう流れがあって初めて野球の試合だ」と、楽天の野村克也監督辺りが見てたらさぞかし仏頂面でしょうね。「そんなゲームまがいの放っといて、マーくん早く帰ってこい」なんてね。月河が代わりに書いときました。ついでに、稲葉ダルビッシュもとっとと帰ってきて。

こちらのマーくんはいきなり結婚して戻ってきました『白と黒』37話の聖人(佐藤智仁さん)。それも一葉(大村彩子さん)と、相手もあろうに…と言っても、このドラマの人間関係じゃほかに目ぼしい選択肢はないので、意外性はほとんど無し。聖人が結婚した相手として、聞いて掛け値なしオーッとのけぞる相手と言ったら家政婦路子さん(伊佐山ひろ子さん)ぐらいのもの。

つまりドラマ的にはこの結婚は、サプライズではなくあくまで礼子(西原亜希さん)と章吾(小林且弥さん)が、知って、目の当たりにしてどう反応するかを見せるためのもの。

留学帰りでかつてのブリブリは影をひそめ、シンプルな白ブラウスでしっとりした雰囲気の一葉に、聖人との“二人きりで神の前に愛を誓った結婚式”の写真を見せられた章吾の複雑な表情からは「一葉には昔、ヤバいことをしたんだよな」から「あのダメ弟の聖人と一緒になってこんなに綺麗に、尽くし型になるってあり得なくね?」という釈然としなさ、「俺、惜しいオンナ手放したってことかよ、俺としたことがそんなバカな、なぁ?」の自問自答、さらには「こんなにノーガード幸せまる出しの顔、俺の嫁の礼子は見せたことあったっけ?」との焦れったさも微量垣間見えてなかなか雄弁でした。

対して礼子の、更生後聖人を見つめる表情からはあまり余情が滲み出ませんでした。昼ドラ史上、ヒロインが“長く姿を消していて、以前とは一変して再登場した元恋人(ないし準恋人)”と再会する場面は作品の本数だけあると言っても過言ではないのですが、37話の礼子は残念ながら“胸を打たないほう”から数えたほうが早かった。怪訝、怖れ、憐れみ、章吾の前での微量の居心地悪さ、そして何より心の奥底に沈澱させた愛しさの揺れ戻し、忍ぶれど色に出にけるものは山のようにあったはずなのですがね。

聖人も北京にいる田中のマーくん並みに、丸刈りにしての再登場だったら、結婚とか更生とかソムリエとかよりも、直球で視聴者の目も礼子の目もまんまるにできたのにね。そのへんのリアリティ不足が“昼ドラ仕様のムショ帰り”のつねですが。

ところで昨日35話に来た再放送中『その灯は消さない』でちょっとした発見。信州・松本の、藤夫(柴俊夫さん)の亡き先妻実家=高瀬家の造り酒屋を切り盛りするプラウドお祖母ちゃん・芳枝(東恵美子さん)のお抱え運転手奥村役で、『白と黒』第一部では東谷湿原の地主・安達さんとして何話か登場された卜字たかおさんの顔が見えました。ひょろっとした体躯と禿げ上がりめの頭部、愛嬌あるギョロ目が特徴で、『相棒』『はぐれ刑事純情派』などテレビ朝日系の事件ものでもしばしばゲスト出演される俳優さんです。96年当時はさすがにいまより若干黒々とされていたかな。12年で大奥様に「オクムラ!」と呼び捨てされる運転手から、無償貸与の太っ腹地主に出世。でもこっちでも奥さんに頭上がらないみたいでしたね。

この13月『安宅家の人々』放送中はこの再放送枠が『真夏の薔薇』で、沼崎悠さんの医師姿二連発ってこともあった。

ついでながらパワフルお祖母ちゃん東恵美子さん、お芝居の厚み・迫力からみて相当の芸歴なんだろうなと思って、軽く調べたら、78年の田宮二郎さん版『白い巨塔』の東教授(故・中村伸郎さん)夫人役をなさっておいででした。あーちょっと記憶あるかも。娘の佐枝子役が島田陽子(現・楊子)さん。03~04年唐沢寿明さん版では高畑淳子さんが扮したあの俗物虚栄マダムです。高畑さん版では軽く笑える、ツッコミどころある愚かしマダムでしたが、東さんの東夫人は、佐枝子に縁談を強要する態度とかかなり“ガチイヤ”な強権恐怖政治夫人でした。

『その灯』の芳枝お祖母ちゃんはそれに比べると筋を通す姿勢や、人間観察の確かさ、身内がひとり去りふたり去る老境の寂寥感なども漂わせて、取りつくしまが無いでもない、むしろ状況によっては頼りがいすらある感じ。

こうしたベテランさんの演技上の匙加減、微妙なハンドリング出し入れを拝見すると、やはり「ドラマは脚本、二に脇役」の感を深めます。本放送中『白と黒』もメイン4人こそ新進気鋭ですが、脇は重厚な、あるいは器用な、巧者なベテラン揃い。いよいよもって「あとは脚本か?」

コメント
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