初ガツオ
山々が新緑に萌える季節となりました。
この時期になると、どなたもこの句を思い浮かべるのではないでしょうか?
「目には青葉 山ほととぎす 初がつお」
意訳: 目にはまぶしく輝く木々の新緑が映り、耳には山ほととぎすの鳴き声が聞こえて、口では新鮮な初鰹を味わう。
よく知られているこの句は、詠まれたのは比較的新しく、今から300年ほど前の享保年間に山口素堂(1716年没)が詠んだのだそうです。
ところで、この句に詠まれている初ガツオとはどのようなカツオなのかご存知でしょうか?
先日、東京海洋大学客員准教授・名誉博士・さかなクンが解説していたところによると、初ガツオは生後1年程度の若いカツオの事で、陰暦4月頃(太陽暦の5月~6月頃)に黒潮に乗って日本近海に北上する一番早く獲れる走り(初物)のカツオを言うのだそうです。
ところが、近年、各国が赤道付近の漁場で獲ってしまうため黒潮に乗ってくる初ガツオが少なくなっているそうです。
しかし、カツオは黒潮に乗ってくるものばかりではない事が研究で分かっていることから、6月位になれば初ガツオの水揚げが増えそうだと言うことです。
そして、カツオ料理として、カツオの三色丼、カツオのへそのおでん、カツオのスープギョーザ、カツオのバジルステーキ、カツオのだし茶漬けを紹介していましたが、いずれも絶品だそうです。
なお、戻りガツオを聞いたことがあると思いますが、これは、秋から冬にかけて日本近海を南下するカツオの事を言います。
戻りガツオはエサをたっぷり食べて脂肪量を増加させてUターンしてくるので、魚類トップクラスの「たんぱく質量」を保持しており、脂肪量は春カツオ(のぼり鰹)のおよそ10倍だそうです。
戻りガツオは美味しそうですが、初ガツオも三色丼で食べてみたいですね。