梨園の妻
歌舞伎俳優の片岡愛之助さんと、女優の藤原紀香さんが30日に結婚し、昨日、東京・帝国ホテルで記者会見を行いました。
テレビ報道で、藤原紀香さんを「梨園の妻」と表現していましたが、皆さんは「梨園の妻」と言う言葉をご存知でしたか?
今日は「梨園の妻」について調べました。
「梨園の妻」
梨園の妻とは、歌舞伎俳優のもとへ嫁いだ女性の事を指す言葉です。
厳しい仕来たりが多数存在する梨園の世界なので、その条件をクリアした女性でなければ梨園の妻にはなれないということです。
「梨園の由来」
梨園とは、中国の昔の宮廷音楽家養成所を指す言葉です。
音楽や演劇好きの唐の玄宗皇帝が、それらを教えていた場所に梨がたくさんあったことから、生徒たちは「梨の弟子」という意味で梨園と言う言葉が生まれ、その後、音楽や演劇の世界そのものが「梨園」と呼ばれるようになったそうです。
日本ではその言葉が歌舞伎の成立の時期に使われ始めたため、「歌舞伎の世界」=「梨園」となったようです。
「梨園の妻の掟」
代々続く歴史ある歌舞伎の世界では、跡継ぎがないと家系が廃絶してしまうことになります。
この為、梨園の妻に最も重要なのは、家系を守るために男の子を産むことのようです。
「梨園の礼儀作法」
梨園の世界で一番大変なのは、一般社会とは違う礼儀作法だそうです。
特に、ひいき筋と呼ばれるお客様との付き合いでは、全ての人の顔を覚えなければならず、記憶違いなどの些細なミスで信頼を失う事もあるということで、一流ホテルマン並みの記憶力が要求されるそうです。
また、ひいき筋が見えたらすぐに飛んでいき、以前に話した内容を思い出しながら話すなど、並大抵ではない記憶力が要求されると言われています。
なお、ひいき筋とは、後援会に入っている常連さんの事で一般的には月に2回以上見に来てくれる人の事を指します。
そして、歌舞伎鑑賞にかかる費用は年間100万円前後とも言われています。
44歳の藤原紀香さんは「梨園の妻の条件」をクリアしたのだと思いますが、「掟」を守ることができるのでしょうか。