和歌山県田辺市に「鬪雞(鶏)神社(とうけいじんじゃ)」があります。
この神社の由来は、壇ノ浦の合戦で源氏側と平氏側の両方から熊野水軍の援軍依頼を受けた武蔵坊弁慶の父・熊野別当湛増が、どちらに加勢するのかを決めるため、白を源氏側、紅を平家側に見立てた7羽の鶏を闘わせたことから来ています。
日本に限らず、世界にも動物や昆虫などを闘わせる競技が存在しています。
例えば犬を戦わせる「闘犬」やクマ同士或いはクマと人、クマと犬が闘う「闘熊(とうゆう)」、雌の馬を巡ってオスの馬同士が戦う「闘馬」など、色々な競技がありますが、中でも有名なのがスペインの闘牛ではないでしょうか?
スペインでは闘牛は国技とされており、特に盛んなようです。
しかし、近年、闘牛士が牛を槍や剣で刺していき、死に至らしめるのを見せるということに対して動物愛護的な観点から批判が強まっているそうです。
ところで、闘牛では、マタドールと呼ばれる闘牛士が赤い布(ムレータ)を振って牛を興奮させていますが、赤色は牛を興奮させるのでしょうか?
調べてみると答えは「NO」でした。
牛は色を判断することができないそうです。
ある動物学者が闘牛士に青色や黄色の布を持たせて牛の反応を見たことがあるそうです。
それによると、赤い布を見せた時と全く同じように牛は闘牛士に襲いかかったそうです。
この事から、牛は、赤い色に反応して怒るのではなく、自分に対して、旗や布が怪しげに振られることに強い危険を感じて暴れていることがわかったということです。
では何故、闘牛士は赤色の布を振るのでしょうか?
闘牛に限って言えば、赤い布を使う理由は闘牛士本人や観客が興奮するからと言われています。
闘牛士は興奮によって牛に対する恐怖心を消し去り、一方の観客は人間と牛の闘いにのめり込むと言う訳です。
そう言えば、赤は万国共通の危険を表す色ですよね。
闘牛士の振る布が安全や平和を表す青色では様になりませんね。