らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

人間到る処青山あり

2015-09-24 | 雑学

NHKBSの番組に「にっぽん縦断こころ旅」があります。
この番組は、俳優の火野正平が相棒のチャリオ君(自転車)に乗って日本全国を走りまわる旅番組です。

その日の旅の目的地を決めるのは、視聴者から寄せられた手紙で、「人生を変えた忘れられない風景」とか、「大切な人との出会いの場所」或いは「こころに刻まれた音や香りの情景」や「ずっと残したいふるさとの景色」など、手紙に書かれたエピソードをもとに、ひとりひとりの心に大切にしまってある「こころの風景」を訪ねる番組です。

平成23年(2011年)4月に春編(年4月4日 - 6月17日)がスタートし、秋編(2011年9月26日 - 12月16日)、翌年の春編を繰り返しながら、これまで4年半で9,126kmを走破し、460日間旅してきたそうです。
今週から始まった5年目の秋編は徳島をスタートし、中国地方を走って九州を南下、沖縄を目指す11週間の旅です。

私は毎朝7時45分から15分間観ていますが、昨日の徳島県の視聴者からのエピソードの一部に、「人間(じんかん)到る所青山あり」と教えられた、と書かれていたのが印象に残ったので、今日はその諺について調べることにしました。

「人間(じんかん)到る所青山あり」とは、人の住む世界には、自分の骨を埋めるような所は、必ずあるはずだから、故郷を出て大いに活躍するべきだ、という意味です。
これは江戸時代末期の僧・釋月性が『將東遊題壁』に詠ったもので、その詩は以下の通りです。

『将(まさ)に東遊(とうゆう)せんとして壁(へき)に題(だい)す』 ・・・ 浄土真宗の僧:釈月性(しゃくげっしょう:1817-1858)
男児志を立てて郷関(きょうかん)を出(い)
学、若(も)し成る無くんば死すとも還らず
骨を埋むる何ぞ墳墓の地を期せん、
人間(じんかん)到る処青山(せいざん)有り

この詩の意味は、
「男子が志を持って故郷を出るならば、もし学問が完成しなければ故郷には戻らないと決める。自分が死んだ時、骨を埋める場所は、故郷だけではなく、 世の中の到る所に骨を埋める場所がある」

この諺を借りれば、地方から出てきたサラリーマンの皆さん、大きな望みを持っていきいきと活動し、大きな仕事をしなさい、という教えに置き換えられます。
それにしても、テレビで紹介されていた徳島の視聴者の方は子供の頃から難しい諺を教えられていたのですね。