世界で最も権威のあるウイスキー賞と言われる「World Whiskies Awards(ワールドウイスキーアワード)」でニッカが製造する『竹鶴17年ピュアモルト』が、「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキー」を受賞し、“世界最高賞”のブレンデッドモルトウイスキー(ピュアモルトウイスキー)として認定されました。
『竹鶴17年ピュアモルト』が世界最高賞を受賞するのは、2012年、2014年に続き今回で3回目となります。
一方、英国の著名なガイドブック「ウイスキー・バイブル」2015年版が、サントリーの「山崎シェリーカスク2013」を世界最高のウイスキーに選出され、初めて最高賞に選ばれています。
日本の二大メーカーのウイスキーが本場のスコッチウイスキーの評価を凌駕して、世界最高賞を受賞したことに地元スコットランドでは大きなショックを受けているそうです。
このように世界的なコンテストで日本のウイスキーが高い評価を得ていることを受けて今、香港では日本のウイスキーが空前のブームになっているそうです。
先日のNHKの報道では、「軽井沢」という銘柄の52年物ウイスキーが、香港で行われたオークションで過去に例のない1100万円と言う価格がついたそうですが、一体、何故なのでしょうか?
TVの報道では、アジアの金融センター香港では、今、日本のウイスキーを扱うバーが次々オープンしており、100種類以上取り揃えるある店では、価格は1杯数千円、高いものでは数万円で提供しているということです。
店の店員は、「日本のウイスキーは飲みやすい。スコットランド産よりも甘くエレガント」と絶賛していました。
中には1本900万円するものもあるそうで、それが「軽井沢」と言う銘柄の52年物だそうです。
造っていた長野県の蒸留所は既に閉鎖され、この年代のものは世界に40本余りしか出回っていないとされています。
世界的なコンテストで今年も最高賞に選ばれるなど、国際的に評価が高まっている日本のウイスキーは、香港でも一昨年から昨年にかけて、輸入額が2倍近く増えており、地元のウイスキーの収集家は「メディアが日本のウイスキー受賞を伝えたため、香港の人たちが飲みたがっている」と語り、数の少ない年代物を中心に価格が高騰しているということです。
・1100万円の値段がついた「軽井沢」です。
更に、その背景にあるのは、投資対象としてのウイスキーだそうです。
ウイスキーは勿論飲んで楽しむものですが、ここ香港では投資の対象として人気が高まっており、先日香港で開かれたオークションでは、ブームを受けて、まだ余り知られていない日本の希少なウイスキーが更に値上がりすると見込んで、中国本土や東南アジアからの投資マネーが集まっていると云うことです。
出品されたウイスキーの7割以上が日本産で、その殆どが希少価値のある銘柄だそうです。
前述の香港のバーで1本900万円とされていた「軽井沢」の52年ものもオークションに出され、、電話でオークションに参加した二人の激しい競り合いになりました。
最終的な落札額は1本75万香港ドル(1100万円)余りで、落札したのは東南アジア出身の参加者だそうです。
シンガポールから参加した参加者は「軽井沢」のあの価格は予想外、クレージーな価格だ、と感想を述べていました。
また、埼玉県で製造された、「羽生」と言う銘柄は、年代別の54本セットで落札価格が4800万円に上ったそうです。
オークション主催者は「今年から中国本土のバイヤーが更に増えており、彼等は日本のウイスキーの値段は株価と違って下がらないと知っており、更に2割以上は値上がりすると思う」と話していました。
香港で繰り広げられる日本のウイスキー争奪戦、熱気は暫く治まる気配はなさそうと言うことでした。