葛城山からの帰り道に、富田林市の瀧谷不動尊にお参りしてきました。
富田林市観光協会HPによれば、このお不動尊は弘法大師が開いたとされる真言宗のお寺で、古来、日本三大不動の一つといわれ、俗に「眼の神様」などと広く信仰されているそうです。
しかし、いずれの寺院をもって「日本三不動」と見なすかについては諸説あるようです。
また、交通安全祈願への参拝客も非常に多いのが特徴で、毎月28日の縁日には車両を通行止めにした参道に屋台が並び、大勢の参拝客でにぎわうそうです。
「瀧谷不動尊」
瀧谷(たきだに)不動明王寺は真言宗智山派の仏教寺院で山号は瀧谷山。正式な寺号は明王寺ですが、一般には山号の瀧谷山にちなんで滝谷不動、滝谷不動尊と言われています。
寺伝によれば、当山は平安時代、嵯峨天皇の弘仁12年(西暦821年)に弘法大師が国家の安全と国民の幸せを祈るために開かれた道場で、本尊不動明王及び脇侍の矜羯羅(こんがら)童子・制吒迦(せいたか)童子との御三体は、大師一刀三礼の霊像として敬われ、いずれも国の重要文化財に指定されています。
「本堂」
明治30年中興慈恭僧正により建立され、昭和3年に奥殿を増築し、現在に至っています。
お不動様のご誓願は、人間の悩みの原因である無明(まよい)を断ち切って、ほんとうの幸せを授けることのようであり、私たちの真心が通ずるならば、どのような願いでも必ず一願は成就するといわれています。
「本尊」
本尊の不動明王、弘法大師、聖天等が祀られており、また奥の院には十二天、真言八祖、ならびに各人のえとの守り本尊が祀られているそうです。
「目の神様」として眼病へのご利益が広く知られるようになった瀧谷不動尊には、多くの人がご利益を授かりに訪れるようです。
・御本尊です(撮影禁止なのでネットより)
「霊験話」
眼病平癒の霊験話も多く残されているようで、その中の一つは次のように伝えられています。
明治20年ごろ、泉州大津(現在の大阪府泉大津市)に藤井庄三郎・常次郎という双子の男の子が住んでいました。
ある日、2人はいたずらをしていて、誤って猫を殺してしまいます。すると、その夜2人とも同時に両目が見えなくなりました。
両親は子どもを助けようと医者へ連れて行き、薬やあらゆる治療を受けさせますが、少しも良くなりません。
瀧谷不動尊が眼病にご利益があると知った両親は、子どもの目が治るようにと1週間交替で一心に祈願に訪れました。
3週目の夜、父親は祈願の途中で胸騒ぎがし、急いで家に帰りました。
その頃、家では子どもたちが泣き叫んでいて、母親が理由を聞くと、「夢の中で白いひげをはやしたおじさんが剣で目をついたんや」と答えました。2人は同時に同じ夢を見ており、さらに子どもたちの目をよく見ると、血のうみが流れていたのです。
そして母親がうみをふき取ると、なんと子どもたちの目が、もとのように見えるようになりました。
喜んだ両親は、瀧谷不動尊に感謝の祈りを捧げに行ったそうです。
本堂にはこの絵馬が飾られているということです。
「トチノキ」
境内には大きなトチノキが植えられており、丁度、花が咲いていたので撮影してきました。
トチノキ(栃、橡、栃の木、)は、トチノキ科トチノキ属の落葉広葉樹で、雌雄同株です。
5月頃、枝先に大きな円錐花序を直立し、雄花と両性花を付けます。
トチの実は、多量のデンプンや、脂質を含む栄養豊富な木の実であり、アクを抜いて食べたり、栃餅などに利用されています。
また、民間療法で、しもやけ、水虫、たむしなどに薬効があるそうです。
イギリスでは、栃の花が咲くころの日曜日を、チェストナッツ・サンデーと呼び、日本のお花見のように、花を愛でようです。
なお、フランスなどで街路樹として植栽されているマロニエは西洋トチノキのことです。
・栃の花です。