らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

噴飯もの

2015-05-23 | 雑学

文化庁が行っている調査に「国語に関する世論調査」があります。
平成24年度の調査で「噴飯もの」について、例文を上げてその意味を尋ねたところ次のような結果だったそうです。

質問の例文:「彼の発言は噴飯ものだ。」
回答結果
(ア) 腹立たしくて仕方ないこと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49.0%
(イ) おかしくてたまらないこと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19.7%(本来の意味)
(ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.1%
(ア),(イ)とは全く別の意味 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.8%
分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27.4%

調査の結果は、本来の意味ではない(ア)の「腹立たしくて仕方ないこと」を選んだ人の割合が49.0%で、本来の意味である(イ)の「おかしくてたまらないこと」を選んだ人の割合19.7%を29ポイント上回っています。

では「噴飯もの」が「おかしくてたまらないこと」として認識されなくなってきたのはなぜでしょうか?

解説では、「噴飯」は,直接的には「飯を噴く」ということであり、思わず出てしまう笑いを比喩的に表現している言葉です。
「噴飯」という字面自体からは、そこに笑いがあるかどうかが分かりません。
従って、元々の比喩としての意味を知っていなければ、おかしくて笑う様子であるとは判断しにくいところがあります。

「国語に関する世論調査」では,この言葉を「分からない」と回答した人が全体の4分の1を超えていますが、使わない人が多くなれば、ますます本来の意味が理解されにくくなると考えられます。

また、「噴飯」の「噴」は「噴射」や「噴火」など、気体や液体などが内部から勢いよく出ることを意味する言葉です。
「ロケットエンジンの噴射」「火山の噴火」など、噴を用いる熟語が含まれる文には激しい勢いを感じさせるものが多く、「笑い」よりも「怒り」のイメージに結び付きやすいとも考えられ、加えて、「憤り」の意味で「憤激」「憤慨」「義憤」などに用いられるりっしんべんの「憤」と音が一緒で形が近いことも影響しているかもしれないと言うことです。

広辞苑では、「噴飯(ふんぱん)」・・・おかしくてたまらず、口の中の飯をふき出すこと。ふき出して笑うこと。「-もの」と説明しています。
辞書が示すように、 「噴飯もの」の本来の意味は「おかしくてたまらないこと」です。
余り使わない言葉かも知れませんが、気をつけたいですね。