退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「いかにもなフランスの古典小説と魅力的な『ボタニカル・スリラー』映画」について

2024-08-03 02:55:47 | Weblog
晴れ。35度はマシだと思うように。

ロジェ・マルタン・デュ・ガール「チボー家の人々 少年園」を読む。

今回の主役はアントワーヌ。
父親に代わって彼がジャックを「管理する」ようになり。

父親チボー氏の「悩み」も描かれ。
結局ヴェカール神父に「脅され」従うのだけれど。

アントワーヌの幼馴染みリスベットも登場。
彼は彼女にジャックを誘惑させるなどして。

フォンタナン夫人は彼に惹かれつつ。
その気持ちを押し殺して離婚裁判を取り下げたり。

何ともややこしいこと。
「物語のタネ」は大いに撒かれたので今後の展開が楽しみ。

ジェシカ・ハウスナー「リトル・ジョー」(’19)を観る。

植物研究者のアリスは「幸せになる香り」を持つ「リトル・ジョー」を開発するのだけれど。
やがて周囲の人間たちが徐々におかしくなっていってというお話。

ドン・シーゲル「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」(’56)に似ている。
本作に「繭」は登場しないものの。

花粉によって「感染」した者たちは「幸せそう」である一方。
「リトル・ジョー」以外の存在に無関心になり。

その現実に気付いたベラ、ケリー・フォックスの行方がなかなか。
当初は彼女の話を信じていなかったアリス、エミリー・ビーチャムだったが。

犬の登場はジョン・カーペンター「遊星からの物体X」(’82)を。
「父子ふたりの釣り姿」は小津安二郎「父ありき」(’42)を思い出させる。

「リトル・ジョー」がゆっくり花開いて花粉を撒く不気味さがいい感じ。
伊藤貞司の音楽も「奇妙な雰囲気作り」を手伝って。

本作はもっと多くの人に観られるべき作品。
なるほど「ボタニカル・スリラー」か。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「『世界』に向き合えないあ... | トップ | 「当時のフランスの『自由』... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事