股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

ブタがいた教室

2008年11月12日 23時32分21秒 | 映画評論ハ行
製作年 : 2008年
製作国 : 日本
2008年11月1日公開
監督 : 前田哲
出演 : 妻夫木聡,原田美枝子,大杉漣,田畑智子,池田成志,戸田菜穂
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「卒業までの1年間でブタを飼育し、最後にはみんなで食べたいと思います」─新任の星先生の提案に6年2組は騒然となる。校庭の片隅に小屋を作り、掃除、エサやリなど生まれて初めての経験に戸惑いながらも、成長してゆくブタに愛着を抱いてゆく子どもたち。“Pちゃん”と名づけ、家畜ではなくペットとして慈しむようになるが、卒業の時は迫り、Pちゃんを「食べる」「食べない」で教室を二分する大論争が巻き起こる。
大阪の小学校で新任の黒田恭史先生が始めた「ブタを飼育し、自分たちで食べる」という実践教育。その模様を追ったテレビドキュメンタリーが大きな反響を呼んでから10年以上の時を経て、黒田氏の著作「豚のPちゃんと32人の小学生」を原案に、『ドルフィンブルー フジ、もう一度宙ヘ』の前田哲監督が念願の映画化を果たした。オーディションで選ばれた26人の子どもたちに手渡されたのは白紙の台本。初めから用意された結論ではなく、ひとりひとりの感情や言葉が紡ぐ白熱のディベートシーンを経て、彼らは自分たちで答えに辿り着く。自身も悩みながら子どもたちを見守り共に成長してゆく星先生を教師役初挑戦の妻夫木聡が好演。

実話ということなので楽しみにしてましたが、テレビ番組で特集してて結末を知ってしまったので、ちょっと残念でも“命の授業”に感動してウルっときました“ブタを飼う”ということは“命を育てる”ということ。飼い始めた当初は子供達はブタに愛情なんて全然なく育てて食べようって思ってましたが、段々とPちゃん(ブタ)を6年2組の仲間として意識していきます。そして卒業が近づき“食肉センターに連れて行く”“下級生に世話をしてもらう”の2択に意見が分かれるわけです。この映画では台本がなく子供たちの自然な感情で作られたそうで、特にディベートシーンを見るとそう感じます。自分の意見を言って真剣に命について考える姿はすごく印象的でした。けど、子供たちが悩んでいるのにそれを「子供達だけで解決しろ」っていう大人(特に星先生)にはちょっと疑問を感じました。先生が連れてきたブタなんだし、もう少し子供たちにアドバイスしてあげてもいいかなと思います。あれだけ涙してケンカしてる彼らを見てるとちょっと可哀相ね

「この問題には正解とか不正解はありません」という星先生の言葉。たしかにどちらが正しいなんて決められない。生徒達が討論する中で1人の女の子がこう言いました

「命の長さって誰が決めるんですか?」

そんなの誰も決められないと思う。でも私たち人間は動物たちを殺して、その肉を食べて生きている。Pちゃんも人間に食べられるために生まれてきたんじゃなくて、生きるために生まれてきたのに私たちはその命を天秤にかけている。んー難しいテーマです。鑑賞中、自分なりにずっと考えましたがどちらが正しいかは分かりません。でもこの映画で伝えたいことはブタを食べるかどうかではなく“命”というものに感謝すべきということがテーマだと思います。命の長さは誰も決められないのに、「誰でもよかった」という気持ちで人の命を奪っていく今の世の中が何だか悲しくなりました。“いただきます”というのは、その食べ物の命を“いただきます”という意味です。自分たちがたくさんの命によって生かされている事を改めて考えさせられる作品でした。

結局Pちゃんを食べたのか気になります…

この作品の評価・・・・77点
コメント
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