軌道エレベーター派

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第4回宇宙エレベーター技術競技会(JSETEC2012)開催

2012-08-17 21:22:41 | ニュース
 8月1~5日、静岡県富士宮市で、軌道エレベーター(または宇宙エレベーター)実現のための技術蓄積や実験を兼ねた「宇宙エレベーター技術競技会」(JSETEC2012)が開かれた。
 一般社団法人「宇宙エレベーター協会」の主催で、4回目となる今年は大学の研究室や有志などのチームが参加。ヘリウムガスを入れたバルーンを掲揚し、そこから吊るしたひも(テザー)を、各チーム自作の機械「クライマー」で昇降する技術を競った。
 今回はバルーンの数と浮力を増して、ベルト式とロープ式のテザーを同時展開し、2種類のテザーの規格に合わせたクライマーが、それぞれ並行して競技を行えるよう試みた。機械トラブルや上昇能力・グリップ力等の不足などにより途中で空転するなどのケースも目立ったが、神奈川工科大など、トラブルなく昇降をスムーズにこなすチームもあり、機体が無事に地上へ帰還すると会場から拍手が沸き起こった。記録は上昇速度やペイロード比などの部門別に分けられ、後日協会から公式結果が公表される予定。

 各チーム、とりわけ常連チームが着実に進化させた機体を持ち寄ったが、一方で今年は競技条件でのトラブルと遅延がたびたび生じた。4日目には緊急用のガス抜き装置が誤作動してバルーンの一つが落下、この日の競技を中止したほか、5日間を通じて、当初予定していた高度1200mの掲揚は実現しなかった。
 全日程で好天に恵まれたにもかかわらず、絶え間なく変化する風向きや風速に左右され、なかなか競技条件が整わないという、従来からの問題が深刻化。競技内容自体が日本では過去にない試みであるがゆえに、誰も経験したことのない障害に直面するという宿命も抱えているが、テザーのたるみやねじれの解消、動作不能に陥ったクライマーの回収など、大規模化して高度が増すほど悪化しやすい問題が、4回目を迎えて顕在化した一面があり、今後への課題を残す大会となった。同協会は問題点を見直すとともに、トラブルシューティングの方法を改善し、より安全な大会の実現を目指すとしている。(軌道エレベーター派 2012/8/17)
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