軌道エレベーター派

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核軍縮考

2010-04-10 00:48:02 | その他の雑記
米ロ、新核軍縮条約に署名
 オバマ米大統領とロシアのメドベージェフ大統領は8日、チェコの首都プラハで両国の戦略核をそれぞれ1550発以下に削減する新たな核軍縮条約に署名した。(略)両国は新たな核軍縮や核不拡散体制の強化で世界を先導する姿勢を鮮明に打ち出した。
(朝日新聞4月9日朝刊)


 これ自体は喜ばしいことかも知れませんが、利益のためにしか機能しない国家というシステムが、戦略上の優位を安易に譲るはずはなく、次世代の戦略兵器開発が進んでいるからできるという側面もあるのですよね。
 包括的核実験禁止条約(CTBT)の時だって、ちゃっかりと臨界前核実験に成功していたから、ほかの国の核実験を締め付けようという狙いがあったわけで(当時の米印大使同士の「女の闘い?」は見ものだった)、この手の話には必ず裏の計算があるものです。

 こと核兵器に関して言うと、私はこういう取り組みに苛立ちのようなものを感じることがあります。現実に戦場で人の命を奪っているのは核じゃなくて通常兵器なんですよね。核ミサイルはずーっと眠ってるだけで、実際に使われるのは核ではなく、大きくても通常弾頭のミサイルまででしょう。
 それどころか小国の民族紛争レベルなら、そんなハイテク兵器は全然使われず、銃で撃ち殺され、刃物で切り刻まれ、手榴弾や地雷で体を吹き飛ばされて死んでいく。ついでにいえば、兵士も民間人も区別なく、男と老人、子供は殺され、女はレイプされる。
 第二次大戦後、戦争行為で失われた命は、すべて核以外によるものです。その道具を大量に売り飛ばして儲けている国々が何の軍縮か、笑わせる。元はといえば、自分たちが作ったものではないか。武器の輸出を減らすことを少しは考えたらどうなのか。

 決して核軍縮に反対しているわけではありませんし、私自身、核の廃絶には並々ならぬ関心を持っています。ましてや、原爆の犠牲者を軽んじているわけでは決してありません(その程度のこと、読めばわかるよな?)。
 「核」は別格という気持ちもあります。核爆発の記録映像などを見ると「人類は狂っている」とも思う。その核の傘の下でぬくぬくと生きてきた日本人がこんなこと言うのも厚顔なのかも知れない。
 政治というものは、その時の政権における目標があって、何でもかんでもできるわけではないのも承知しています。

 ただ、それでもなお、今回の一事だけを見て、「これで満足しないでくれよな」と、手放しで喜んでいられないのも事実です。核だけでなく、ぜひ兵器取引の規制に目を向けてほしいものです。

 ちなみに真剣な話、(兵器を含むあらゆる)核の廃絶には、軌道エレベーターによる投棄しかありませんよ、大統領。ぜひご一考を。

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