福岡伸一 動的平衡

2012-03-16 21:07:49 | タナカ君的日常
 ここ半年ほどの間、買ってくる本と言えば囲碁関係の本ばっかりだった。 それがどうした風の吹き回しか生物系の学者・福岡伸一さんの著書を買って来た。 度の強そうな眼鏡を掛けた先生の顔は、皆さんも劇団ひとり君と共に出演しているNHKのTV番組で見たことあるでしょう。 本のタイトルは小難しそうな「動的平衡」。 でもね本屋さんの店頭の目に付き易い書棚に並べてあったのを手にとって「おっ、面白そう!」と感じたから買って来たのです。

 中身は「人類のアフリカ起源説はミトコンドリアの研究から裏付けられた」なんて真面目っぽい話題もあるけど、 「人間を簡略化して表現すれば穴の開いた竹輪と同じ構造の生物だ」と説明してみせたり、BS放送のコマーシャルを占拠している皮膚の栄養素「コラーゲン」みたいな物を使ったからと言って「老化した体が簡単に若返るはずは無い」と言い切ったり、ダイエットを考えた場合一日に必要とされるカロリーを小分けに食べた方が無駄な脂肪が着きにくいよなんて話題もあるし(知人で1日5食ダイエットを実行中だとブログに書いている人がいるけれど、元ネタはこの本かな?)、金儲けを目論む遺伝子組換え食品業者の話等々、 軽く読み進める面白い本でした。

ところで「動的平衡」と言うタイトルは「動物(人間)が生きているって事は身体を構成する組織を常時破壊しつつ再構築してバランスが取れている状態だ!」そう言い切る著者の思い入れから付けたタイトルであるらしい。 「動的バランスを取って自転車を走らせるのと、人間が生きているのは同じなんですね?」と劇団ひとり君になり代わって福岡先生に話しかけてみたいものです。
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