前回記事「タイ チェンマイ県メーテーン郡 ポーンドゥアット温泉 その1」の続編です。
踏み跡の先の極上の野湯があることに気づかず、ノコノコとトレイルを進んでしまった私は、道標に導かれるまま、温泉プールがある一角へと辿り着きました。
ここには多様な温浴施設が揃っており、我々が国立公園に対して抱くマイナス評価の固定概念を覆してくれるような、立派な施設ばかりです。各温浴槽類を、順を追って見ていきましょう。まず目に入るのが、勾玉みたいな形状をした露天の大きな温泉プールです。上下2段に分かれていて両方とも見晴らしの良い場所に設けられており、特に上段のプールからは、遠方に峻険な山を眺望することができました。周囲には視界を遮るものがなく、自然環境や開放感も抜群です。
入浴は後回しにして他のお風呂も見学しておこう、なんてのんびりしていたら、いつの間にやら団体が押し寄せ、上段のプールにはその団体で芋洗い状態になってしまいました。さすがにこの中で入浴するのはイヤだなぁ…。
ということで、下段のプールへ避難です。プールサイドには"women"と書いてありましたが、そんな区分は有名無実化しており、上段も下段も、老若男女を問わず皆さん好き勝手に利用していました。上段より眺望は劣るものの、こちらも開放的で清々しい環境です。
温泉は槽内の穴から供給されており、温度は40℃あるかないか。熱くもぬるくもなく、のんびり長湯できる湯加減でした。青空の下、南国の緑と小鳥のさえずりを感じながら入る露天の温泉は、なかなか爽快でしたが、でも肝心のお湯はちょっと鈍り気味だったかも。掛け流しには違いなのでしょうが、如何せんプールの大きさに対して供給量が少ないんでしょうね。せっかくなので、記念に1枚自分撮り。なおこの2つの露天プールは利用料金不要です。
上下段の大きな温泉プールから更に下がったところには、個室風呂の小屋が並んでいました。こちらを利用するには所定の料金が必要のようです。
今回この個室風呂は利用しませんでしたが、内部をちょっと覗いてみたところ、室内には円形の浴槽が一つと、シャワーが1基設けられていました。薄暗くて閉塞感があったのですが、それでもこちらをチョイスする人はいて(当然か)、実際に数組の家族が個室風呂へ入って行きました。
今度は露天の大きなプールから斜面を上って、管理小屋がある方へと向かいます。そこには管理小屋の他、有料のお風呂がいくつか並んでおり、その中の一つが上画像の男女共用半露天風呂です。石造りの小屋や青いタイルの浴槽がなかなか洒落ており、しかもプールに比べてお湯が明らかに清らかでしたので、是非ともここで入ってみたかったのですが、そんな私を見て傍らに佇んでいたアメリカ人のカップルが「熱すぎるよ」と私を制止するのです。彼らの感覚で言う「熱い」は、我々にとっては大したことないか丁度良い湯加減だったりしますから、「いやいや大丈夫」と大見得を切って湯船に足を入れたら、誇張表現ではなくて本当に熱いじゃありませんか。温度計で測ってみたら49.0℃でした。熱いお風呂に入り慣れている私も、さすがにこの温度では入れません。温度計の数値を見せながら英語で「俺達はタマゴじゃない」と冗談を言ったら、カップルはその場で爆笑し、握手をして去って行きました。学生時代に英語が赤点スレスレだった私も、単語を羅列するだけで笑いを取れるんだぜ。
その隣にはこのようなジャグジーもありました。ここも料金を支払えば稼働するのでしょう。
その隣には男女別の露天風呂も。ミネラルバスと書かれていますから、こちらも温泉なのでしょうね。では中へ。
こちらは男湯の様子です。露天風呂ではありますが、周囲は塀に囲まれていてスペースも狭いために閉塞感は否めません。でもジンギスカン鍋のような形状をした浴槽には41.2℃という絶妙な温度のお湯が張られていて、上述の男女共用半露天風呂と同じくらいにお湯が澄んでおり、その上、浴槽内に貼られたコバルトブルーのタイルがお湯の清らかさをより際立たせていました。槽内のステップが広く確保されている一方で深い部分が狭まっている浴槽の造りから考えるに、全身浴もできなくはありませんが、おそらく足湯を主目的としているのかもしれません。でも私は全身浴しちゃいましたけどね。
真ん中からお湯が供給されており、持参した計測機器を突っ込んでみたところ、pH9.1および54.8℃というデータが表示されました。ご覧のとおりお湯は無色透明ですが、pH9.1という数値が示すようにかなりアルカリ性に傾いており、実際に入ってみますと肌全体に少々のヌルヌル感を伴う気持ち良いサラスベ浴感が伝わってきます。また口にすると微収斂があるとともに、アルカリ性の水によくあるスルスルとした滑るような滑らかな口当たりが感じられました。日本でしたら「美人の湯」と称されるようなタイプのお湯であり、そのしっかりとした質感に歓喜せずにはいられませんでした。なかなかの名湯です。もちろん循環などの小細工はなく、湯船のお湯は湯面ラインにある槽内側面の穴より捨てられていました。なお男湯とはいえ水着着用ですから、お湯を見たらすぐ裸になりたがる日本人は注意しましょう。
ついでに誰もいなかった女湯を見学。こちらの浴槽は四角いスタイルですが、お湯は男湯と同じものでした。
さて記事の最後に告白しますが、私は管理小屋近くにあるこれらの露天風呂が有料であることに気付かず、一銭も支払うこと無くノホホンと湯浴みしてしまいました。だって知らなかったんだもん。極上の野湯を見逃したり、知らなかったとはいえ無銭で有料の風呂に入ったりと、当地での私の行動は滅茶苦茶でお恥ずかしい限りですが、美しい自然環境に恵まれた温泉に入れたことには違いありませんから、結果オーライということにしてください。
入場時間7:00~17:00
公園入場料 200バーツ(同日内ならチケット提示で何度でも再入場可。同じ公園ならば別のゲートからの入場も可能)、乗用車通行料30バーツ
温泉プールの前まで車でアクセスできます。
私の好み:★★
踏み跡の先の極上の野湯があることに気づかず、ノコノコとトレイルを進んでしまった私は、道標に導かれるまま、温泉プールがある一角へと辿り着きました。
ここには多様な温浴施設が揃っており、我々が国立公園に対して抱くマイナス評価の固定概念を覆してくれるような、立派な施設ばかりです。各温浴槽類を、順を追って見ていきましょう。まず目に入るのが、勾玉みたいな形状をした露天の大きな温泉プールです。上下2段に分かれていて両方とも見晴らしの良い場所に設けられており、特に上段のプールからは、遠方に峻険な山を眺望することができました。周囲には視界を遮るものがなく、自然環境や開放感も抜群です。
入浴は後回しにして他のお風呂も見学しておこう、なんてのんびりしていたら、いつの間にやら団体が押し寄せ、上段のプールにはその団体で芋洗い状態になってしまいました。さすがにこの中で入浴するのはイヤだなぁ…。
ということで、下段のプールへ避難です。プールサイドには"women"と書いてありましたが、そんな区分は有名無実化しており、上段も下段も、老若男女を問わず皆さん好き勝手に利用していました。上段より眺望は劣るものの、こちらも開放的で清々しい環境です。
温泉は槽内の穴から供給されており、温度は40℃あるかないか。熱くもぬるくもなく、のんびり長湯できる湯加減でした。青空の下、南国の緑と小鳥のさえずりを感じながら入る露天の温泉は、なかなか爽快でしたが、でも肝心のお湯はちょっと鈍り気味だったかも。掛け流しには違いなのでしょうが、如何せんプールの大きさに対して供給量が少ないんでしょうね。せっかくなので、記念に1枚自分撮り。なおこの2つの露天プールは利用料金不要です。
上下段の大きな温泉プールから更に下がったところには、個室風呂の小屋が並んでいました。こちらを利用するには所定の料金が必要のようです。
今回この個室風呂は利用しませんでしたが、内部をちょっと覗いてみたところ、室内には円形の浴槽が一つと、シャワーが1基設けられていました。薄暗くて閉塞感があったのですが、それでもこちらをチョイスする人はいて(当然か)、実際に数組の家族が個室風呂へ入って行きました。
今度は露天の大きなプールから斜面を上って、管理小屋がある方へと向かいます。そこには管理小屋の他、有料のお風呂がいくつか並んでおり、その中の一つが上画像の男女共用半露天風呂です。石造りの小屋や青いタイルの浴槽がなかなか洒落ており、しかもプールに比べてお湯が明らかに清らかでしたので、是非ともここで入ってみたかったのですが、そんな私を見て傍らに佇んでいたアメリカ人のカップルが「熱すぎるよ」と私を制止するのです。彼らの感覚で言う「熱い」は、我々にとっては大したことないか丁度良い湯加減だったりしますから、「いやいや大丈夫」と大見得を切って湯船に足を入れたら、誇張表現ではなくて本当に熱いじゃありませんか。温度計で測ってみたら49.0℃でした。熱いお風呂に入り慣れている私も、さすがにこの温度では入れません。温度計の数値を見せながら英語で「俺達はタマゴじゃない」と冗談を言ったら、カップルはその場で爆笑し、握手をして去って行きました。学生時代に英語が赤点スレスレだった私も、単語を羅列するだけで笑いを取れるんだぜ。
その隣にはこのようなジャグジーもありました。ここも料金を支払えば稼働するのでしょう。
その隣には男女別の露天風呂も。ミネラルバスと書かれていますから、こちらも温泉なのでしょうね。では中へ。
こちらは男湯の様子です。露天風呂ではありますが、周囲は塀に囲まれていてスペースも狭いために閉塞感は否めません。でもジンギスカン鍋のような形状をした浴槽には41.2℃という絶妙な温度のお湯が張られていて、上述の男女共用半露天風呂と同じくらいにお湯が澄んでおり、その上、浴槽内に貼られたコバルトブルーのタイルがお湯の清らかさをより際立たせていました。槽内のステップが広く確保されている一方で深い部分が狭まっている浴槽の造りから考えるに、全身浴もできなくはありませんが、おそらく足湯を主目的としているのかもしれません。でも私は全身浴しちゃいましたけどね。
真ん中からお湯が供給されており、持参した計測機器を突っ込んでみたところ、pH9.1および54.8℃というデータが表示されました。ご覧のとおりお湯は無色透明ですが、pH9.1という数値が示すようにかなりアルカリ性に傾いており、実際に入ってみますと肌全体に少々のヌルヌル感を伴う気持ち良いサラスベ浴感が伝わってきます。また口にすると微収斂があるとともに、アルカリ性の水によくあるスルスルとした滑るような滑らかな口当たりが感じられました。日本でしたら「美人の湯」と称されるようなタイプのお湯であり、そのしっかりとした質感に歓喜せずにはいられませんでした。なかなかの名湯です。もちろん循環などの小細工はなく、湯船のお湯は湯面ラインにある槽内側面の穴より捨てられていました。なお男湯とはいえ水着着用ですから、お湯を見たらすぐ裸になりたがる日本人は注意しましょう。
ついでに誰もいなかった女湯を見学。こちらの浴槽は四角いスタイルですが、お湯は男湯と同じものでした。
さて記事の最後に告白しますが、私は管理小屋近くにあるこれらの露天風呂が有料であることに気付かず、一銭も支払うこと無くノホホンと湯浴みしてしまいました。だって知らなかったんだもん。極上の野湯を見逃したり、知らなかったとはいえ無銭で有料の風呂に入ったりと、当地での私の行動は滅茶苦茶でお恥ずかしい限りですが、美しい自然環境に恵まれた温泉に入れたことには違いありませんから、結果オーライということにしてください。
入場時間7:00~17:00
公園入場料 200バーツ(同日内ならチケット提示で何度でも再入場可。同じ公園ならば別のゲートからの入場も可能)、乗用車通行料30バーツ
温泉プールの前まで車でアクセスできます。
私の好み:★★