温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

タイ チェンマイ県メーオーン郡 ルンアルン温泉

2014年04月21日 | タイ
 
サンカムペーンでタイ北部の湯めぐりを開始した私は、同温泉に隣接しているルンアルン温泉(Roong Aroon Hot Springs)を目指しました。サンカムペーン温泉が公立の公園であるのに対し、こちらは私営のリゾート施設です。敷地自体はサンカムペーン温泉の北側に隣接しているのですが、両者は入口が離れているので、サンカムペーンから敷地の外側(西側)をぐるっと2km近くも迂回しないといけません。またサンカムペーン温泉へ行くソンテオは、交渉すればルンアルン温泉にも寄ってくれるそうなのですが、それだけの言語力も度胸もない私はソンテオの利用も諦めざるを得ません。こうした事情により、当地を訪れるに当っては敢えてチェンマイでトゥクトゥクをチャーターし、両方へ楽にアクセスできるようにしたのです。

入口のゲートで守衛のおじさんに入園料20バーツを支払い、園内へと入ります。入って右側は水と緑が美しい景観を織りなすガーデンが広がり、左側にはマッサージ棟や食堂、そして温泉浴場など諸々の建物が並んでいます。


 
画像左は按摩さんが待機しているマッサージ棟。この建物やプールを通り過ぎて食堂へと向かいます。


 
食堂へ向かう前に、右前方で何やらお湯が噴き上がっているのを発見!


 
サンカムペーン温泉のように、こちらでも自噴の高温泉が天高く噴き上がっていました。辺りには温泉い含まれる硫化水素の匂いが漂っています。好奇心に引き摺られて、つい噴泉へ近寄ろうとしてしまったのですが、迂闊に近寄ると熱湯のミストが降り掛かってきますから、火傷しないように注意しましょうね(実体験に基づくアドバイス)。噴泉の手前は熱湯が張られている円形の槽があり・・・


 

私が屁っ放り腰で熱湯のミストから逃げている傍らで、お客さんが煮えたぎる熱湯にタマゴを入れて温泉卵をつくっていました。その傍で横たわっていた看板によれば、タマゴの茹で時間は、柔らかめに茹でるには7分、半熟なら9分、固茹でなら14分とのこと。タマゴを数分で茹で上げてしまうお湯はとっても熱く、この円形の槽に近づくだけでものすごい熱気が伝わってきます。


 
こちらで入浴するにはまず食堂へ趣き、真ん中にある小さなカウンターで受付を済ませます。私が料金を支払いますと、料金と引き換えに紫色のバスタオルを貸し出してくれました。さきほどの公営施設では何も貸してくれませんでしたが、こちらは同額の入浴料にちゃんとタオル分が含まれているんですね。これが公営と民営の差というものでしょうか。


 
壁には温泉分析表が掲示されていましたが、記載されているデータはサンカムペーン温泉のものと全く同じでした。いくら噴出箇所が接近しているとはいえ、源泉が異なればデータも多少は変わってくるはずなのですが、「どうせ近所だから同じだべ」と言わんばかりの大雑把さは、いかにも東南アジアらしい微笑ましいユルさですね。ま、分析表を掲示しているだけでもご当地では立派な方だと思います。また別の壁には「入浴前にはシルバーアクセサリを外してね」と喚起している札が下がっていました。これは温泉には硫黄が含まれているということを示していますね。


 
個室は男女別に分かれており、靴を脱いで男側を入ってゆきますと、こんな感じで十数室の個室が並んでいました。色調こそ違うものの、ほとんどサンカムペーン温泉と同じような造りですね。


 
どの個室も昔の病院の手術室みたいな白いタイル貼りで、アメリカンスタンダード製のバスタブが一つ据え付けられているだけの無機質で単調な造りです。人気を博しているサンカムペーンとは違い、静寂が支配しているこちらの温泉では私以外に利用客がいなかったので、どの個室を選んでも良かったのですが、決め手に欠けるからこそ優柔不断になってしまい、散々迷った挙句、この個室を選択しました。


 
まずは熱湯と水のコックを同時に開けて、湯加減を調節しながらバスタブにお湯を張ります。お湯・水ともに勢い良く出てきますから、ものの数分ですぐにバスタブはお湯で満たされました。
ちなみに室内はビショビショだったので、バッグを室内に置くことはできないのですが、室内には小さなバスケットが用意されていたので、そこに入れて凌ぐことにしました。


 
配管から出てくる温泉の温度は68.0℃、pHは9.3でした。お湯のコックを開けた途端、温泉由来のタマゴ臭がお湯とともに湯船へ放たれました。無色透明でタマゴ臭とタマゴ味、アルカリ性単純温泉でツルスベの気持ち良い浴感といった特徴は、お隣のサンカムペーン温泉とほとんど同じです。しかしながら、味や匂い、そしてツルスベ浴感など、体感できる諸々の特徴は、サンカムペーンよりも若干弱かったような気もします。加水の影響もあるのでしょうけど、源泉から一旦貯湯槽にストックし、その上で浴槽へと供給する構造上、利用客の多いサンカムペーンでは貯湯槽のお湯の鮮度も高くて知覚的特徴も失われずに済んでいたのに対し、私の訪問時はお客さんが少なかったルンアルンでは、貯湯槽での滞留時間が長くなって、その分、硫化水素らしい特徴が飛んでいってしまったのかなぁ…なんて素人ながらに考えてしまいました。

ま、そんな下衆の勘繰りはさておき、ほぼ同じ泉質の温泉であるお隣サンカムペーンと比べると、入園料は安く、個室風呂使用料は同額、しかも貸しタオル付き、あまり混雑せず空いていますので、コストパフォーマンス面ではこちらに軍配が上がりそうな気もします。でも自由に動ける交通手段がないと、ちょっと不便かもしれませんね。

さて、これでタイ北部の温泉の初級クラス入門編はおしまい。次なる目的地はいわゆるジモ専(地元民専用浴場)が併設されている田舎の温泉へと向かいます。


チェンマイ市街、トンラムヤイ市場前の川沿いの道から黄色いソンテオに乗ってサンカムペーン温泉まで約1時間、そこから徒歩約30分(約2km)
GPS:18.815663N, 99.225722E,


入園料20バーツ、個室風呂60バーツ

私の好み:★★




コメント
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