家庭内映画館

ホームシアターやAV機器、映画の感想・映画にまつわる話をだらだらと書き綴っていきます。

「GONIN」・・・(681)

2011-08-27 00:36:57 | Weblog
「GONIN」GONIN
監督・脚本:石井隆
出演:佐藤浩市、本木雅弘、根津甚八、椎名桔平、竹中直人、ビートたけし、木村一八、鶴見辰吾、永島敏行、他
1995年・日本・109分<レンタル>

<STORY>
バブル経済が崩壊し、多額の借金やリストラで社会からはじき出された5人の男たち。人生の瀬戸際に立たされた彼らは、生き残りを賭けて、暴力団の事務所を襲い、金庫に眠っている大金を強奪する。奪った金を山分けして、5人は新しい人生を踏み出すはずだったが、今度は怒りに燃える暴力団の凄惨な報復が始まった。5人は必死で対抗するが...

石井隆監督の新作「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」がDVDリリースされたので、そっちを観る前に
久々に今作を見直してみました。
ちなみにビデオでは何度か観ましたが、今回初めてのDVDでの鑑賞です。

やっぱり面白いですね~!そしてやっぱり凄まじい!
最近では北野武の「アウトレイジ」というバイオレンスの傑作がありましたが
「アウトレイジ」がドライなバイオレンスだとしたら今作は間違いなくウェットなバイオレンスですね。
この辺は狙ってるのかどうかわかりませんが、ウェットな世界観を象徴するかのように雨や海(川?)など水のシーンが結構多いのも印象的でした。
何度か登場する新宿のバッティングセンターの場末感も非常に今作を象徴してる感じがして良いです。

基本的にはヤクザの金を奪った5人の男達vsヤクザ&殺し屋、って話ですが
登場人物はほとんど男で、その中で繰り広げられる愛憎劇ですから色んな意味で濃いです(笑)
この強奪計画が結構杜撰で、結局破滅的なラストへ向かっていくわけですが
その辺も気にならないくらい勢いのある作品だと思います。
竹中直人のいつもながらのTOO MUCHな演技も(笑)周りの役者の存在感のおかげで今作では違和感なかったです。
個人的には根津甚八の元刑事とたけしの殺し屋が良かったですね~...二人ともどちらかというと脇役なんですが非常に存在感がありました。

石井隆が元々漫画家であることと関係あるのかわかりませんが、まぁ非常に漫画的というかリアリティの無い部分も多いです。
ただ、全てトータルで観ると良く出来たバイオレンス映画だと思います。
好き嫌いわかれる作品だと思いますが、未見の方はぜひ!

「ウィッカーマン」・・・(680)

2011-08-20 03:42:06 | Weblog
「ウィッカーマン」THE WICKER MAN
監督:ロビン・ハーディ
出演:エドワード・ウッドワード、クリストファー・リー、ダイアン・シレント、ブリット・エクランド、イングリッド・ピット、リンゼイ・ケンプ、ラッセル・ウォーターズ、他
1973年・イギリス・88分<レンタル>

<STORY>
敬虔なクリスチャンであるハウイー警部は、“性”の神が崇められているサマーアイル島にスコットランド本土からやってきた。彼の目的は、行方不明の少女・ローワン・モリソンの捜索。さっそく彼女について聞き込みを開始したハウイーだったが、島民はおろか実の母親にすら固く口を閉ざされてしまう。なおも捜査を続けるうち、ローワンが島に伝わる農作祈願「メイデー祭」の生贄として囚われている可能性が浮上。ハウイーは、領主であるサマーアイル卿に話を聞くが相手にされず、本土に戻り応援を呼ぶ決意をする。だが、彼の飛行機のエンジンが何者かによって壊されていた...

ニコラス・ケイジのリメイク版「ウィッカーマン」を観て、あまりのつまらなさにショックを受けましたが(笑)
その時にオリジナルである今作のことを調べてみましたら結構面白そうだったので、再発版のDVDをレンタルしてみました。

正直言ってそんなに面白い作品ということは無いと思います。
もっと言うと映画作品としてはリメイク版とそんなに大差は無いと思います。
ただ、70年代のイギリスというのが独特の雰囲気を醸し出していまして、この辺りが今作をカルトムービーに押し上げているのかな~って感じでした。

ストーリーはリメイク版ともほぼ同じ感じでしたので特に驚きも無かったのですが
一番大きな違いを感じたのは「宗教」っていう部分ですね。
土着の古代信仰が残る閉鎖的な島で敬虔なクリスチャンである警官が少女の失踪事件を追う、っていうのが基本プロットですが
全体的に宗教観の違いというか、特にラストなんか日本人の私の目から見ると「どっちが狂ってるのか?」わからないくらいでした(笑)

改めて調べてみますと「ウィッカーマンとは、古代ガリアで信仰されていたドルイド教における供犠・人身御供の一種で、巨大な人型の檻の中に犠牲に捧げる家畜や人間を閉じ込めたまま焼き殺す祭儀の英語名称である」(ウィキペディアより)ということで
わかる人には「ウィッカーマン」というタイトルを聞いただけで最後は「いけにえ」の話になるんだとわかるんでしょうね。
まぁ難しい部分は無視して(笑)カルトムービーとしての雰囲気を楽しめればそれでOKかな~と思います。

ちなみに現在再発されてるDVDは88分で一応劇場公開版ではありますが、本来の形より尺が短くされて世に出されたものだそうです。本来なら102分で色々と重要なシーンも削られてしまったそうですが、個人的にはこの長さで十分だと思います...102分もあったら退屈しそう(笑)

「サベイランス」・・・(679)

2011-08-13 00:04:39 | Weblog
「サベイランス」SURVEILLANCE
監督:ジェニファー・リンチ
製作総指揮:デヴィッド・リンチ
出演:ジュリア・オーモンド、ビル・プルマン、ライアン・シンプキンス、ぺル・ジェームズ、ケント・ハーパー、マイケル・アイアンサンド、他
2007年・カナダ・98分<レンタル>

<STORY>
FBI捜査官のエリザベスとサムは、サンタフェの田舎町で起きた連続殺人事件の捜査に乗り出す。殺人現場に居合わせた3人の目撃者に事情聴取を開始するが、3人の証言はそれぞれ微妙に食い違い、不可解な事件は謎を深めていく。そんな中、思いもしなかった犯人像が浮かび上がってきて...

「ツインピークス」の鬼才デヴィッド・リンチが製作総指揮、娘のジェニファー・リンチが監督したサスペンス。
ジェニファー・リンチは「ボクシング・ヘレナ」以来14年ぶりの監督作品になります。
「羅生門」を下敷きにしてるそうですが(ちなみに私は未見です)、3人の目撃者がそれぞれに証言し、その証言が食い違ってるって設定をいただいてるようですが、まぁ別に「羅生門」云々っていうのは個人的にはどうでもよかったです。

で、これまた評判がかなり悪いんですけど(笑)私は結構引き込まれて興味深く観ましたよ!
3人の目撃者にFBI捜査官が尋問する、ってとこから始まって、それぞれの証言が回想シーンとして話が進んでいきます。
”いったい何があったのか?”っていう興味で先が気になって、どんどん引き込まれていきました。
で、1時間過ぎた辺りから”で、犯人は誰なんだろう?”という風に興味が移っていくのですが
ここで「犯人はここまでに登場してる人物なのか?それともまだ出てきていないのか?」っていう風に考えたところ...
...ここから先はネタバレになるので書くのを止めておきます。

ツッコミどころとしては「何故、この3人が生き残った(生かされた)のか?」っていうのがどうしても引っかかります。
3人を殺すチャンスはあったと思いますが、その辺がうやむやになってるので、そこを納得できるように描いてくれてたらもっと良かったかな~。

久々にビル・プルマンを見ましたが、老けましたね~...それに比べてマイケル・アイアンサイドは30年前から全然変わってませんね(笑)

「30デイズ・ナイト」・・・(678)

2011-08-06 01:42:27 | Weblog
「30デイズ・ナイト」30 DAYS OF NIGHT
監督:デヴィッド・スレイド
製作:サム・ライミ、ロブ・タパート
出演:ジョシュ・ハートネット、メリッサ・ジョージ、ダニー・ヒューストン、ベン・フォスター、マーク・ブーン・ジュニア、マーク・レンドール、アンバー・セインスベリー、他
2007年・アメリカ・113分<レンタル>

<STORY>
アメリカ最北の町・バロウ。そこは、30日間太陽が昇らない極夜がやってくる極寒の町だ。そんな極夜の闇に乗じて、日光のみが弱点のヴァンパイアたちが町に現れ、住民たちを次々と惨殺し始める。氷と闇に閉ざされた町が陸の孤島と化す中、保安官のエバンは、住民や家族たちを守るため、ヴァンパイアとの絶望的な闘いに身を投じていく...

「死霊のはらわた」のサム・ライミとロブ・タパートが製作したヴァンパイア・ホラー...
お恥ずかしい話ですが、観るまでライミが絡んでるって全然知りませんでした(笑)
評判があまり良くなかったんで、正直観るのを躊躇していたのですが、まぁとりあえずそれなりに楽しめる作品でした。

私が知らないだけかもしれませんが、これまで極夜のアラスカを舞台にしたヴァンパイアものって観たことなかったので
結構新鮮というか斬新というか、ありがちなヴァンパイアものとは一線を画す作品だったと思います。
最近のヴァンパイアものってともすればスタイリッシュな吸血鬼が出てきたりしますが
出てくるヴァンパイアはほとんど化け物って感じで、リーダー格の男もまったくカッコよくないおっさん吸血鬼だし(笑)
そのもっさりした感じが逆に生々しくて良かったですね~
殺し方も人知れず血を吸うって感じではなく、とにかく皆殺し!貪り尽くす!って感じで
特に大殺戮のシーンを俯瞰で捉えたショットは他に見ない感じでこれも良かったです。
「人間vsヴァンパイア」っていうよりは、人間が一方的に虐殺され、逃げ惑うって感じでこの辺も他とは違いますね。

もちろんツッコミどころも幾つかあるのですが、今作の最大の失敗点は
「30日間太陽が昇らない極夜」という最大の設定がありますが、30日間の時間経過がまったく感じられないことですね~
途中で”~日目”というクレジットが入るのですが、少なくとも私は一晩の出来事にしか感じられませんでした。
この30日の時間の経過を上手く描けてなければ、サバイバルものとしての魅力は半減してしまいます。
確かにキャッチとしての「極夜」は有効だと思いますが、30日の描き方が中途半端になるくらいなら、はなっからその設定は無しにした方が良かったのでは?
その設定が無くても、十分楽しめるヴァンパイアものだと思うんですけどね~...