家庭内映画館

ホームシアターやAV機器、映画の感想・映画にまつわる話をだらだらと書き綴っていきます。

「ミートボールマシン」・・・(490)

2009-09-26 01:50:16 | Weblog
「ミートボールマシン」MEATBALL MACHINE
監督:山口雄大、山本淳一
クリーチャーデザイン:雨宮慶太
出演:高橋一生、河井青葉、手塚とおる、山本彩乃、増本庄一郎、他
2005年・日本・90分<レンタル>

<STORY>
町工場で働く孤独な青年・ヨウジ。彼は川向こうの工場で働くサチコに恋心を抱いていた。ある夜、自分の上司に言い寄られているサチコを見つけたヨウジは、彼女を助けようとするが、逆に上司にボコボコにされてしまう。しかしこのことがきっかけでヨウジとサチコは惹かれあうことに。そしていよいよ2人が結ばれようとした時、何者かがサチコに襲いかかった。それはヨウジがゴミ捨て場で発見した、謎の生命体だった...

エログロSFバイオレンスホラーアクション...といえば聞こえが良いですが(良いのか?)、まぁB級SFですね~
基本的には塚本晋也の「鉄男」っぽい感じで、そこに「遊星からの物体X」とか「エイリアン」とか「寄生獣」なんかを混ぜたような作品ですね...あと「デビルマン」とか「ハイランダー」とか「死霊のはらわた」とか...。

低予算なので全体的に安っぽいですし、そういう意味では学生の自主制作映画に毛の生えた程度の作品ではありますが、まぁ毒にも薬にもならないぬるま湯的な作品の多い日本映画界でこういうテンションの高い作品は個人的には大歓迎です。

個人的には、結構子供が死ぬのでその部分はいかがなものか?とは思いますが、意外にエロもグロもしつこくなく基本的には切ないラブストーリーでもありますし、思った以上に見応えのある作品だったと思います。
ラストのあのオチは蛇足だったかな~という気がしないでもないですが、全体的にこのテの作品にありがちなつまらないコメディ色もほとんど感じられませんでしたし、まあまあB級作品としては及第点ではないでしょうか?

「20世紀少年<第2章> 最後の希望」・・・(489)

2009-09-19 19:38:39 | Weblog
「20世紀少年<第2章> 最後の希望」TWENTIETH CENTURY BOYS
監督:堤幸彦
原作・脚本・監修:浦沢直樹
出演:豊川悦司、常盤貴子、平愛梨、香川照之、ユースケ・サンタマリア、藤木直人、石塚英彦、宇梶剛士、小日向文世、黒木瞳、唐沢寿明、他
2009年・日本・140分<レンタル>

<STORY>
西暦2015年。2000年に起こった「血の大晦日」は、ケンヂたちが行ったものとされ、それを阻止した“ともだち”は世界の救世主として崇められていた。ケンヂの姪、カンナは高校生に成長し、学校で習う「血の大晦日」に憤りを感じていた。そんなカンナは学校で問題児扱いされ、「ともだちランド」に送られることに。それは、社会のルールからはみ出した人間を洗脳する施設だった...

浦沢直樹の大ヒットコミック実写化第二弾。
私は元々浦沢直樹のファンで原作もリアルタイムで読んでおりました。
で、まず間違いなく映画が原作を超えることは無いと思ってましたので
まぁ完結したらDVD借りて観るかぁ~くらいに考えておりました。
で、この<第2章>が劇場公開される前にテレビで<もう一つの第1章>なるものが放映されまして、
DVD借りる手間が省けたな~(笑)くらいの気持ちで観てみました。
<もう一つの>とは言っても劇場公開版と大差無いだろうと...

で、この<もう一つの第1章>というのがヒドい作品で、
私はもう完全に「20世紀少年」という映画に幻滅してしまいました。
ところが、先日<最終章>の公開前に<第1章>の劇場公開版がテレビ放映されたのを観ると、
これが意外に面白かったんです!
もちろん原作に敵うわけは無いですが、それでも原作の持つスピリッツみたいなものはちゃんと描かれてたと思いました。
それでこの<第2章>を観たわけですが...

結論から言うと「微妙」と言わざるを得ませんね~
もちろん<第1章>と<最終章>を繋ぐための作品ですので
この作品単体でどうこうとは言えないのはわかりますが
それにしても原作のエピソードをとりあえず色々放り込んでみました的な
ダイジェスト版でも観ているかのような作品でしたね。

原作の長さを考えると3部作でも描ききれないのはわかりますし、
実際作品を観ると削られてる部分も山ほどあります。
それにしても原作を知らない人には不親切というか、
原作を知らずにこれを観てどこまで理解できるのかな~って思うくらい
目まぐるしい感じがしました。

本当は<最終章>を劇場に観に行こうと思ってたのですが
今はどうしようかちょっと考え中です。
<最終章>がせめて<第1章>と同じくらいのレベルであれば
「20世紀少年」全体としては成功と言えるかも知れませんが
<第2章>レベルだったらと思うと怖いです...(笑)

追悼 2009・9・14

2009-09-16 08:14:14 | Weblog
映画「ゴースト/ニューヨークの幻」などで知られる米俳優パトリック・スウェイジさんが14日、すい臓がんのため死去した。57歳だった。

広報担当者によると、自宅で家族に見守られながら息を引き取ったという。


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今年はマイケル・ジャクソンや忌野清志朗など著名な方が多く亡くなられていますが、パトリック・スウェイジも亡くなられたそうです。
まだまだ若いのに本当に残念ですね...
一般的には「ゴースト」で有名だと思いますが、パトリック・スウェイジと聞くと「地獄の7人」「アウトサイダー」「若き勇者たち」などなど、80年代の作品を思い出します。当時日本での表記は”パトリック・スウェイズ”でしたね~

ご冥福をお祈りします。



「キューブレッド」・・・(488)

2009-09-15 21:55:55 | Weblog
「キューブレッド」LA HABITACION DE FERMAT
監督・脚本:ルイス・ピエドライータ、ロドリゴ・ソペーニャ
出演:ルイス・オマール、サンティ・ミラン、アレホ・サウラス、エレナ・バレステロス、フェデリコ・ルッピ、他
2007年・スペイン・88分<レンタル>

<STORY>
数学者たちに「フェルマー」と名乗る者から謎の招待状が届く。そこには問題が書かれており、それを解くことが出来た4人の有能な数学者が、”知識の交換会”と称してフェルマーの部屋に集められる。
正方形の赤い部屋”キューブレッド”に閉じ込められた4人に向けて、部屋にあったモバイルから問題が送られる。制限時間以内に問題を解かなければ壁が四方から迫り、いずれは4人は圧殺されてしまう...

スペイン製のサスペンス・スリラー。
邦題が相変わらず「CUBE」のバッタもん臭くてB級のダメダメ感が漂っておりますが、今作はなかなか観れる作品でした。

2007年製作にしてはちょっとザラついた感のある画面とヨーロッパ映画らしい寂寥感があって、なかなかの重い雰囲気に結構引き込まれていきます。
ある部屋に集められた4人が問題に正解しないと死んでしまうという状況で何とか脱出を試みようとする。その中で4人がここに集められた理由やそれぞれの人間関係なんかがわかってくる...という感じで、内容自体はよくあるような話なんですけどそんなにB級っぽくはないですし、それなりに緊迫感をもって観れました。

ちょっと残念なのは...実在する人類未解明の超難問「ゴールドバッハの予想」というのがキーワードになるのですが、「数学者」という特殊な人種がメイン故に動機の部分でイマイチ感情移入しにくいというか、「起承転結」の「転」あたりまでは結構興味深く観れただけにオチの付け方がちょっと...という感じでした。

もしタイトルで敬遠されてる方がいらっしゃったら、そこそこ面白い作品だと思いますのでご覧になってみてはいかがでしょうか?

「デス・ルーム」・・・(487)

2009-09-12 01:23:05 | Weblog
「デス・ルーム」TRAPPED ASHES
監督:ケン・ラッセル、ショーン・S・カニンガム、モンテ・ヘルマン、ジョン・ゲイタ、ジョー・ダンテ
出演:ヘンリー・ギブソン、ディック・ミラー、レイチェル・ヴェルトリ、ジェイス・バルトーク、ララ・ハリス、スコット・ローウェル、石橋凌、杉本彩、ジョン・サクソン、他
2006年・アメリカ=日本・105分<レンタル>

<STORY>
ある映画のセットに集められた7人の男女。そのセットは、ヒストリアという映画が撮影された通称死の館と呼ばれるものだった。1時間の見学ツアーに参加したはずの彼らは、やがて8角形の部屋に監禁されていることに気づく。脱出も出来ない。果たして彼らが集められた理由とは何か...

プロローグとエピローグをジョー・ダンテが、各エピソードをそれぞれの監督が撮ったオムニバス・ホラー。
それにしても「ケン・ラッセル」なんて何十年ぶりに観たな~(笑)
結構名の知れた監督名が並んでる割にはチープな作品で、しかもどちらかというとエログロですね。

良くも悪くも古臭い感じがしますね...まぁ懐かしい感じとでも言いますか...
エログロ度合いがちょっとキツいですが、このイナたい感じは好きな人は好きだろうな~と思います。
私は正直言って苦手な方ですが(笑)

ゴシック調というのとはちょっと違いますが、まぁどちらかというとそれに近い感じでじわじわくる怖さって感じなので、私のような80年代のスラッシャーホラーで育ってきた者にはちょっと物足りなさは否めません。
奇しくも「13金」シリーズのショーン・S・カニンガムが参加しておりまして、確かに他の監督に比べるとテンション高めの作品を撮ってはいるのですが、やはり過去の作品と比べるとイマイチ感漂ってますね...

まぁ結構面白い監督さんが揃ったオムニバスなので、興味のある方はご覧になってもても良いかと思います。
最初から「世にも奇妙な物語」レベルだと思って観れば腹も立たないかと...(笑)

「テケテケ」・・・(486)

2009-09-05 02:50:59 | Weblog
「テケテケ」テケテケ
監督:白石晃士
出演:大島優子、山崎真実、西田麻衣、阿部進之介、他
2009年・日本・70分<レンタル>

<STORY>
女子高生の可奈の周りでは“テケテケ”という都市伝説の噂が広まっていた。テケテケという足音に振り向くと、下半身のない女性に襲われ、身体を真っ二つにされて下半身を奪われてしまうというもの。そして、可奈のクラスメイトの綾花が下半身の無い死体で発見される事態に。やがて、テケテケは可奈の前にも現われる。1度は奇跡的に逃げ延びたものの、3日以内に必ず殺されるといわれるテケテケ。可奈は都市伝説を調べている女子大生の平山理絵の協力を得て、テケテケの謎に迫るのだが...

「テケテケ」というのは有名な都市伝説だそうですが、私は「口裂け女」の世代ですので(笑)テケテケはあまりよく知りませんでした。
で、今作は...作りは完全に「リング」で”呪い”と”因果関係”そしてそれを解決しようと主人公たちが奔走...とまったく同じですね~
しかも「リング」と違って、凡百のB級ホラーと同じく若手アイドルのプロモ映画的な作品で、まぁそう言った意味では「軽い」作品だと思います。

役者の演技もイマイチで(笑)全体的に中途半端感は否めませんが、演出が良いのか?編集が良いのか?とりあえずはそんなに気になるほどのレベルでもなかったように思います。

時間が短いぶんスピーディーでテンポよく観れるので、面白い!とまではいかなくてもB級ホラーとしてはそれなりに観れました。
「テケテケ2」も観てみたいとは思ってますが、それよりも同じく白石監督の「オカルト」と「グロテスク」が早く観たいです。

「パンズ・ラビリンス」・・・(485)

2009-09-03 08:15:26 | Weblog
「パンズ・ラビリンス」EL LABERINTO DEL FAUNO
監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ
出演:セルジ・ロペス、マリベル・ベルドゥ、イバナ・バケロ、ダグ・ジョーンズ、アリアドナ・ヒル、アレックス・アングロ、他
2006年・スペイン=メキシコ・119分<レンタル>

<STORY>
1944年、フランコ独裁政権下のスペイン。冷酷で残忍な義父から逃れたいと願う少女オフェリアは、昆虫に姿を変えた妖精に導かれ、謎めいた迷宮へと足を踏み入れる。すると迷宮の守護神パンが現われ、オフェリアこそが魔法の王国のプリンセスに違いないと告げる。彼女は王国に帰るための3つの試練を受けることになり...

「ヘルボーイ」シリーズのギレルモ・デル・トロ監督がスペインで撮ったダーク・ファンタジー...というか、ほぼ戦争映画ですね。

う~ん...とにかく描写が残酷です。
農民の顔を銃で殴り続けるシーンから始まって、銃撃のシーンも非常に生生しいですね~...苦手な人は目を覆ってしまうくらいのレベルではないでしょうか?

物語は「独裁政権軍vsレジスタンス」という戦争ドラマと「そこに巻き込まれてしまった少女」のドラマが2本柱で進んで行きます。
そして...という感じなんですけど...これはどうなんでしょうかね~
個人的には非常にツラいお話でした。
ハッピーエンドととるのか?バッドエンドととるのか?は人それぞれでしょうけど
私にはどうしても「バッド」と思えてしまい、観終わった後のどよ~んとした気持ちは何ともツラかったです。

ただ、現実とファンタジーが幾つか繋がる部分があって(マンドラゴラのエピソードなど)そういう意味でいうとラストシーンは「ハッピー」とも取れないことも無いのですが、全体的になんと言うか”突き刺さる”ような感じがあまりにも「バッド」を想起させるものでしたね。

これは本当に観る人を選ぶ作品だと思いますが、観て損の無い作品だと思います。
体調の良い時に観てください(笑)