家庭内映画館

ホームシアターやAV機器、映画の感想・映画にまつわる話をだらだらと書き綴っていきます。

「容疑者Xの献身」・・・(467)

2009-05-30 00:18:42 | Weblog
「容疑者Xの献身」容疑者Xの献身
監督:西谷弘
原作:東野圭吾
出演:福山雅治、柴咲コウ、北村一輝、松雪泰子、堤真一、渡辺いっけい、ダンカン、長塚圭史、他
2008年・日本・128分<レンタル>

<STORY>
天才物理学者・湯川教授が生涯で唯一天才と認めた男・天才数学者の石神哲哉は、娘と二人で暮らす隣人・花岡靖子に淡い思いを抱いている。ある日、靖子の元夫・富樫が死体となって発見された。離婚後も何かと靖子たちに付きまとい、どこへ引っ越しても現れては暴力を振るっていた富樫。元妻である靖子が容疑者として捜査線上に上がるが、彼女には完璧なアリバイが存在していた...

東野圭吾原作の「探偵ガリレオ」シリーズの長編「容疑者Xの献身」の映画化作品にして、テレビシリーズ「ガリレオ」の劇場版です。

予想外に、と言うと失礼ですが(笑)良かったです。
監督はテレビ畑の人らしく、確かにテレビサイズ的なスケールの小ささは感じるところもありますが、まぁ役者と原作に助けられたかな?という感じですね。
基本的にテレビシリーズを観てることを前提にしてる部分もあると思うのですが、主役の福山&柴咲よりも堤&松雪の方にスポットが当てられていて、物語の重厚さ増して非常に良かったと思います。

テレビシリーズは基本的に事件の謎を湯川教授が科学的に解明していく謎解きミステリーなのですが、今作は謎解き云々よりも人間ドラマにより重きを置いて作られていますね。
私は原作を読んでいるのですが、石神はドランクドラゴンの塚地をインテリにしたような風貌を想像してまして(笑)堤真一はミスキャストやろ~と思ってたのですが、さすがに良い味出してて見事にハマッておりました。堤真一さすがです。

テレビシリーズを期待して観るとあまりの違いにガッカリされるかも知れませんが、非常に深く重く切ない人間ドラマですし、哀しいラブストーリーでもあります。オススメです。

「蘇える金狼」・・・(466)

2009-05-23 02:15:44 | Weblog
「蘇える金狼」蘇える金狼
監督:村川透
原作:大藪春彦
出演:松田優作、風吹ジュン、佐藤慶、成田三樹夫、小池朝雄、草薙幸二郎、他
1979年・日本・131分<レンタル>

<STORY>
朝倉は、平凡なサラリーマンを装いながらも、自身が勤める会社の乗っ取りを企んでいた。そして手に入れた麻薬を武器に部長の愛人・京子を手なづける...

松田優作主演作品は結構観てるつもりでしたが、今作は未見でした...絶対観てると思い込んでました(笑)
「蘇える金狼」と言えば日本映画史に名を残す作品だと思うのですが、実際観てみると”それほどの作品か?”という感じですね~

まず、時間が非常に長いです。2時間超にするほどの内容ではなかったように思います。で、これは原作や脚本に問題あるのでしょうけど、かなり荒唐無稽な話なんですよね~バカ映画と呼んでも差し支えないような...

逆にそんな作品を押し上げたのは、やはり松田優作をはじめとするキャストの魅力ではないでしょうか?
以前「最も危険な遊戯」の時にも書きましたが、改めて松田優作という役者の存在感を思い知らされました。
最近日本映画でハードボイルドが撮られないのは、やっぱりこういう役者がいないからでしょうね~...松田優作に憧れて役者になった人もきっと多くいるとは思うのですが、後継者と呼べるほどの人は現れていないように思います。
脇を固める、成田三樹夫、岸田森、千葉真一...存在感ありますね~
最近の役者はなかなかこういう”濃さ”を持った人って少ないですね...これはやっぱり時代なのでしょうか?

「11:46」・・・(465)

2009-05-16 04:24:11 | Weblog
「11:46」END OF THE LINE
監督・脚本:モーリス・デヴェロー
出演:イロナ・エルキン 、ニコラス・ライト、ティム・ロゾン、ニール・ネイピア、エミリー・シェルトン、ニナ・M・フィリス、ジョーン・マクブライド、他
2006年・カナダ・94分<レンタル>

<STORY>
多忙な1日を終えて帰路についた看護婦・カレンは、地下鉄に乗車して間もなく停電に見舞われる。停電した真っ暗な電車の中で、彼女は奇怪なクリーチャーに襲われる幻覚を見てしまい...

いや~久々になかなか当たりのホラーでした!
お金も掛かってなさそうですし、キャストもスタッフも無名な人たちばかりですが、とにかく全編テンション高めで(笑)良い感じに狂ってます。

実はネタバレ無しでの今作の話は非常に難しくて...DVDのパッケージにも”クリーチャー”という言葉が出てくるのですが、この辺の解釈も難しいんですよね~
実際、確かにクリーチャー的なものの出てくるショットはあるのですが、これを現実とするかある種の幻覚や夢と捉えるかで、内容の解釈が変わってきます。

これ以上詳しくは書きませんが興味を持たれた方、とにかくご覧になってください。
多少悪趣味なシーンもありますし、ゴアシーンもなかなか痛々しくて、何より”ビックリ箱”的な驚かせるシーンが結構多くて、誰が観ても面白い作品では無いですが、かなり良く出来たホラー作品だと思いますので特にホラー好きな方にはぜひ観ていただきたいですね。

で、もし観終わって何かモヤモヤする方は、私がいつもお世話になっておりますヒロ之さんのサイト「銀幕大帝α」の11:46のコメントで”とおりすがり”さんという方の書き込みをご覧になってください。

「バンク・オブ・ザ・デッド」・・・(464)

2009-05-09 01:18:09 | Weblog
「バンク・オブ・ザ・デッド」DEAD HEIST
監督:ボ・ウェッブ
出演:ビッグ・ダディ・ケイン、トレイシー・ディンウィディ、ボーン・クラッシャー、ブランドン・ハーディン、他
2007年・アメリカ・75分<レンタル>

<STORY>
メイズヴィル銀行へ強盗に押し入ったマルコムと仲間たち。たまたま銀行にいた新米の婦人警官・ケイトが非常ボタンを押し警官が出動。マルコムたちは人質と共に銀行に立てこもりを余儀なくされた。その夜、銀行の外で事件が起きた。次々と起こる絶叫と共に、警官たちが死亡したのだ。銀行内にある男が現れ、彼の口から『警官を襲ったのはゾンビ』だとの情報がもたらされるのだが...

ラッパーっぽい人たちが出演してるゾンビものですが、全然知らない人たちばかりです(笑)もしかしたらその筋では有名な人たちなのかな?
B級ものかと思ったら意外にしっかりした作りで、それなりに観れましたね。

一応ゾンビものという感じですが、作中でも語られてる通りゾンビと吸血鬼の間みたいな設定で、軍の実験から生まれて、動きも速いという今時のゾンビものをすべて詰め込んだような感じです(笑)

75分と短めなのでスピード感があって良いのですが、ゾンビが出てくるのが中盤以降ってこともあって全体的にホラーっぽさが薄いですね。
もっと早めにゾンビを出して、最後の攻防戦をもっと丁寧に描いて欲しかったなぁ~...ラストは大量のゾンビの集団を4人で迎え撃つのですが、あまりにもスムーズに勝ち続けてかなりうそ臭いです。
前半の銀行強盗に至るまでの過程を半分にして、その分をラストの攻防戦に割いていたらもっと良くなっていたと思いますね~

「シャッフル」・・・(463)

2009-05-05 01:43:04 | Weblog
「シャッフル」SHUFFLE
監督・脚本:石井聰亙
原作:大友克洋
出演:中島陽典、森達也、室井滋 、武田久美子、荒戸源次郎、他
1981年・日本・33分<レンタル>

<STORY>
自分を裏切った女を殺したチンピラと、彼を追う刑事。全編にわたり、ひたすら全力疾走を続ける2人の、それぞれの想いと、徐々に“シャッフル”されていく過去の記憶。壮絶なまでのスピード感とエネルギーの中、物語はやがて流血のクライマックスへと突き進んでいく...

大友克洋の短編漫画「RUN」の映画化作品。
いかにも石井聰亙らしい、焦燥感と疾走感の漲る作品ですね。

「1/880000の孤独」と似た感じの...まぁ石井聰亙作品はどれも似た感じですが(笑)相変わらず行き場の無い苛立ちが爆発した作品です。
ストーリーはあって無いような感じで、基本的にはとにかくスピード感と何とも言えないパワーを感じさせます。

面白い作品かと言われれば「?」ですが(笑)オープニングの自分で頭を剃り上げてスキンヘッドにするシーンから、とにかくイライラした感じがひしひしと伝わってきます。
そして何ともやりきれないラストシーンで締めくくられます...どちらかというとシュールな感じのする実験映像作品って感じですね~万人にオススメできる作品では無いです。

「1/880000の孤独」・・・(462)

2009-05-02 01:19:11 | Weblog
「1/880000の孤独」ISOLATION OF 1/880000
監督・脚本:石井聰亙
出演:入戸野誠、山崎いずみ、他
1977年・日本・43分<レンタル>

<STORY>
東京の片隅で予備校に通う浪人生。大学受験までのカウントダウンは始まっているが、未来はまったく見えない。鬱々と日常生活を送る彼に、暴発の瞬間は突然やってくる...

「高校大パニック」と同じく学生時代に撮られた自主映画。

う~ん...凄まじく鬱になる作品ですね(笑)
特にバイオレンス映画では無く、ほぼ9割が悶々とした浪人生(三浪)の日常が描かれております。そして最後の最後に恐ろしくも哀しいラストが待っています。

私は身の丈に合った人生を歩んでおりますので(笑)そういう意味では受験で苦労した憶えもないですし、もちろん浪人もしておりません。
ですので、浪人生の焦燥感や孤独感といったものはイマイチ共感できかねるところもあるのですが、例えば昨年の秋葉原の通り魔事件や時々ニュースになる、なんと言うか「追い込まれた若者の暴発」みたいな内容で身につまされる部分がありますし、30年前から変わらないんだなぁ~という怖さもありますね。

ちなみに「880000」というのは受験生の数だそうです。
あと、オリジナルでは音楽にジョン・コルトレーンの「至上の愛」が使われていたそうですが、権利関係でクラシックの曲に差し替えられています。
コルトレーンのヴァージョンも観てみたかったなぁ~

とりあえず、あまり人にすすめられるような作品ではありません(笑)
観るとヘコみますよ。
石井聰亙に興味ある人だけどうぞ。