家庭内映画館

ホームシアターやAV機器、映画の感想・映画にまつわる話をだらだらと書き綴っていきます。

「イースタン・プロミス」・・・(572)

2010-06-26 03:18:52 | Weblog
「イースタン・プロミス」EASTERN PROMISES
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:ヴィゴ・モーテンセン、ナオミ・ワッツ、ヴァンサン・カッセル、アーミン・ミューラー=スタール、他
2007年・イギリス=カナダ・100分<レンタル>

<STORY>
ロンドンにある病院に身元不明の少女が運び込まれる。少女は子どもを身ごもっており、出産ののちに息を引き取ってしまった。手術に立ち会った助産師のアンナは少女が遺した日記を頼りに、彼女の身元を割り出そうと動き始める。手掛かりをたどるうち、アンナはロシアン・マフィアの運転手を務めるニコライと出会う。 やがて、日記を通じて少女とロシアン・マフィアとの関係が浮かび上がり、そこには恐ろしい事実が記されていたことが発覚する...

ヴィゴ・モーテンセンとデヴィッド・クローネンバーグの「ヒストリー・オブ・バイオレンス」コンビが再び組んだハードボイルド・バイオレンス作品。
「ヒストリー~」の時はまだミステリー的な側面もありましたが
今作はもう完全にマフィア映画ですね。
まぁ若干のストーリーのヒネりはありますが(実は○○○であるとか)
特に物語に大きな関わりも無かったですし(と、個人的には思いますが...)。

クローネンバーグ監督はSF/ホラー的な作品を多く撮ってきた監督ですが
元々どの作品もバイオレンス的な側面を持ってましたし痛々しい描写はお手の物ですので、
まぁこういう作品を撮ったことも個人的にはそれほど違和感なく受け入れられました。

重苦しさ、痛々しさ、哀しさ...など、これまでの作品から脈々と受け継がれてきたものは
根っこの部分に確実に流れてると思いますし、マフィア映画としてはそれなりに面白く観れました。
ただ、やっぱりクローネンバーグなんだから何か観客をあっ!と言わせるような要素が欲しかったというか
あまりにもストレートすぎて物足りない、というのが正直な感想で
決して悪い作品では無いですが、マフィアや裏社会を描いたバイオレンス映画なら
もっと良い作品がいくらでもあると思います。

とりあえず近作2作がSF/ホラーから離れた作品になりましたが
次作はどんな映画を撮るのでしょうか?

「サバイバル・オブ・ザ・デッド」・・・(571)

2010-06-22 00:12:12 | Weblog
「サバイバル・オブ・ザ・デッド」SURVIVAL OF THE DEAD
監督・脚本:ジョージ・A・ロメロ
出演:アラン・ヴァン・スプラング、ケネス・ウェルシュ、キャスリーン・マンロー、デヴォン・ボスティック、リチャード・フィッツパトリック、他
2009年・アメリカ・90分<劇場>

<STORY>
突如よみがえった死者が人々を襲い地獄と化した世界、元州兵のサージ率いる一行は、安全な場所を求めさまよっていた。ある時、死者がよみがえることのない安全な島があるという情報を得た彼らは、疑いつつもかすかな望みをかけてその島へ向かうことに。しかし、何とかたどり着いた彼らを待ち受けていたものは...

久々に劇場で映画を観ました。
”近代ゾンビの父”ジョージ・A・ロメロの新作ということで、まあ「お布施」ですね(笑)
今作は、前作「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」の続編っていうことでは無いみたいですが
内容・世界観共に前作を踏襲した作りになってます。
ちなみに今作の主人公は前作で学生たちを襲った州兵です。

まず正直に言いますが、そんなに面白い作品ではないですね...
大きな理由は「ジョージ・A・ロメロだから」ということに尽きると思います。
ロメロは”リヴィングデッド3部作”で近代ゾンビの基礎でありつつも完成形を作り上げてしまいました。
その後、20年ぶりに撮ったゾンビ映画「ランド・オブ・ザ・デッド」では”リヴィングデッド3部作”の続編的スピンオフ作品に仕上げていて、まだ良かったと思います。
その次の「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」で再びゾンビの誕生をP.O.V.という手法を使って描いたところまでは良かったのですが、当然”リヴィングデッド3部作”と違う作風になりました。
これまでと違うアプローチをするのは当然なんでしょうけど、上にも書きましたとおり、もうすでに”完成形”を作り上げてる以上”劣化コピー”になってしまってる感じは否めません。
何よりも「終末感」が薄れてしまっていて、そういう意味では一番の魅力が殺がれてしまったとしか言いようがありません...

タイトルを見ていただければわかるように、今作は人間(=生者)ではなく「デッド=死者」のサバイバルなんです。
旧3部作では突如表れたゾンビたちからいかに人間が生き残るか?を描いていましたが、「ダイアリー~」からの新3部作(この後にもう1本つくられるそうです)では、ゾンビそのものにスポットをあてて、「ゾンビを殺すことが本当に正しいのか?」という命題を突きつけられた感じがします。
今作は確かに前作よりは銃撃戦も多くエンターテイメント色は濃くなったとは思いますが、それでもメッセージ性が強く出てると言うか、まぁ一言で言ってしまうならちょっと説教臭くなってしまったかな~っと...

それを一概に否定するつもりはありませんし、何より近代ゾンビの礎を作った本人がある意味”次の段階”に進もうとするのはごく自然なことと言えるでしょう。
ただ旧3部作から多大なる影響を受けた者としては、ただただ残念としか言いようがないですね...

予定では次作が新3部作の最終作になりますので、良い意味で期待を裏切るようなそんな作品を見せて欲しいですね~
個人的には「ゾンビ貯金」が尽きることは無いので、ロメロがゾンビ映画を撮るのなら劇場に足を運ぼうと思ってます。

「バタリアン リターンズ」・・・(570)

2010-06-21 02:09:07 | Weblog
「バタリアン リターンズ」RETURN OF THE LIVING DEAD III
監督:ブライアン・ユズナ
出演:J・トレヴァー・エドモンド、ミンディ・クラーク、ケント・マッコード、サラ・ダグラス、ジェームズ・T・キャラハン、アビゲイル・レンツ、他
1993年・アメリカ・97分<レンタル>

<STORY>
軍の施設で働く父を持つ主人公はバイクの事故により最愛の恋人を死なせてしまう。悲しみにくれる彼はバタリアンとして彼女を蘇生しようと試みるが...

「バタリアン」シリーズ第三弾。
「バタリアン」って今5作目まであるんでしたっけ?どうでもいいんで憶えてないです(笑)
とにかくダン・オバノンが撮った1作目はコメディタッチでありながらも非常に良質なゾンビ映画だったのに比べて、その後のシリーズは凡百のB級ものに成り下がってしまいました。
で、今作はシリーズ3作目でキングレコードの「ホラー秘宝」というシリーズで発売(復刻?)されたので久々に観てみました。

ブライアン・ユズナってあんまり良いイメージなかったし、今作もそんなに面白い印象はなかったのですが、意外に丁寧に撮られていて驚きました。
ゾンビホラーなんですけど一番のテーマは「ロミオとジュリエット」的な恋愛ものになってます...その辺は好き嫌い別れるところかも知れませんね~私は正直あまり好きではないですが...
特にミンディ・クラーク扮するジュリーが理性を残しながらゾンビ化していく過程は、当時としてはまぁ新しいゾンビ像だったのではないでしょうか?

ゾンビものに悲恋を組み合わせたなかなかシリアスな作品で、結構観れるな~というのが久々に見返した感想です。
ただ一点。これらの事件はすべて主人公のカップルがあまりに自分勝手にバカな行動を起こしたことで起こってるんですよね~
もしその点が気になってしまったら、この作品はまったく感情移入にできないバカホラーとしか観れないかも知れません。
私は意外に気になりませんでしたが...

あと、この「ホラー秘宝」のシリーズは山口雄大監督&井口昇監督による「バタリアンズ」のオーディオ・コメンタリーが収録されています。
この二人はまぁいわゆるバカ監督ですけど(笑)映画制作に携わってるだけあってさすがに解説は専門的で非常に勉強になりますので、ぜひコメンタリーと併せてご覧になることをオススメします。

「MW-ムウ-」・・・(569)

2010-06-19 00:51:37 | Weblog
「MW-ムウ-」MW
監督:岩本仁志
原作:手塚治虫
出演:玉木宏、山田孝之、石田ゆり子、石橋凌、山本裕典、他
2009年・日本・130分<レンタル>

<STORY>
16年前、ある島の島民全員が死亡する事件が発生。その事実は、政府の手で闇に葬られ、事件は忘れ去られるはずだった。だが、惨劇のすべてを目撃していた2人の少年が生き残っていた...少年の1人・賀来は教会の神父に。もう1人の結城は、自分の壮大な計画を遂行するためなら、人殺しもいとわないモンスターになっていた。事件を隠蔽した関係者に近づき、次々と地獄へ突き落としていく結城。果たして彼の本当の目的とは...

手塚治虫原作漫画の実写化作品...なんですけど、残念ながら私は原作は読んでおりません。って言うか「ブラック・ジャック」以外の手塚作品読んだことないです(笑)

簡単に言うと、化学兵器「MW」を使って世界を滅ぼそうとする男とそれを阻止しようとする男の戦いを描いた物語です。
ただ、この二人の関係が色々と微妙で(原作では同性愛者として描かれてます)単純なサスペンスアクションでは無いところがさすがに手塚治虫ですね。
もちろん現在の観点で言えばまぁ特に目新しい感じのものがあるわけでは無いですが
これが30年以上前に書かれた作品であると考えるとやっぱりすごいと思いますね。

で、残念ながらこの実写化された作品には凄さは感じられません(笑)
もちろん設定がかなり変更されていたり、スポンサーの意向で同性愛の直接的な描写が割愛されたりとマイナス要素が多いこともあるのでしょうけど
それにしても緊張感もスピード感もダイナミックさも無い作品です。
まぁ監督がテレビ畑の人っていうのも関係してるのかも知れませんが...

この作品に関わらずですが、いくら良い原作でも予算や時間や、他にも倫理観やその他の事情で「原作通りには撮れない(良さが出せない)」となったら何故製作自体を中止しようとはしないのでしょうか?
最近だと例えば「20世紀少年」なんかもコミック全24巻をたかだか3部作・7時間程度で撮れるわけないんですよね~...映画ですからやっぱり最大公約数の部分で撮られますから、原作の良い部分がスポイルされてしまうことが往々にしてありますね。残念ながら。

まぁそれでも思ってたよりはマシでしたよ。
もちろん私が原作を未読だという部分も良い方向に作用してるとは思いますが...
山田孝之は出番がそんなに多くないですが良い味出してて良かったと思います。
玉木宏は悪役がハマるタイプなんでそこは良かったんですけど、なんか全体的な雰囲気がCMなんかで見るのと変わらないんで(笑)あまり器用な人では無いのかな~っと...でも雰囲気はありましたんで、ハマる役がくれば活きてくる人かもしれません。

劇場で観るとツラいかも知れませんが、テレビで「2時間ドラマ」だと思って観れば問題なく観れるかと(笑)

「アサイラム 狂気の密室病棟」・・・(568)

2010-06-15 23:29:56 | Weblog
「アサイラム 狂気の密室病棟」ASYLUM
監督:デヴィッド・R・エリス
出演:サラ・ローマー、ジェイク・マックスワーシー、コーディ・カッシュ、マーク・ロルストン、他
2008年・アメリカ・93分<レンタル>

<STORY>
父親と兄を自殺で亡くすという悲しい過去を背負うマディソン。彼女は、そのトラウマを乗り越えるため、兄が通っていた学校の学生寮に入寮する。しかし、そこはかつて非人道的な手術が行われていた精神科病院だった。やがて患者たちの暴動で殺された博士の怨念が、寮生たちに牙を剥き始める...

まぁ毒にも薬にもならんようなB級ホラーです(笑)
精神病院で博士がかなりムチャなロボトミー手術をして最終的には患者に殺されてしまう。
で、その精神病院は学生寮として使われてるんですけど、そこにその博士の霊が出てきて学生たちが殺されていきます。
全体的にありきたりで、どっかで観たことあるような話をいくつか組み合わせた感じで
特に盛り上がりもなくって作品でしたね~
主人公を初め、登場人物たちのトラウマを取り入れたりしてちょっと変化を付けようとしてる感じは見受けられますが、イマイチ上手く活かしきれてないです。
それならいっそのこともっと残酷描写にこだわったスプラッターホラーにした方が潔かった気がします。
大体、博士は霊体のくせに実体があるという意味不明な設定で、かと思うと消えたりもするし何か全体的に雑です。

インディーズまがいのC級・D級作品ならまだしも、作りがちゃんとしてるだけに
脚本の悪さが露呈した作品でした。
スーパーナチュラルなB級青春ホラーが好きな方なら暇つぶし程度にどうぞ。
貴重な時間を費やしてまで観るほどの作品では無いと思います。

「死霊の盆踊り」・・・(567)

2010-06-13 01:55:14 | Weblog
「死霊の盆踊り」ORGY OF THE DEAD
監督・製作:A・C・スティーブン
脚本:エドワード・デイヴィス・ウッド・ジュニア
出演:ウィリアム・ベイツ、パット・バリンジャー、他
1965年・アメリカ・90分<レンタル>

<STORY>
ホラー小説家・ボブは婚約者のシャーリーと共に、小説のアイデアを求めて雨の墓地に向かうが、交通事故に遭ってしまう。
そんな彼らの前に闇の帝王が現れ、死者たちが次々と踊り始める...

一応ホラー好きだと公言してる以上観とかないとマズいな~っと急に思い立ちまして(笑)観てみました。
いや~聞きしに勝るとは正にこのことですね...人生の貴重な90分をこんなに無駄に使ったのは久々ですよ!(笑)

面白くない作品やツッコミどころの多い作品は幾らでもありますが
こんなに無意味な作品ってなかなか無いでしょうね~
もちろん1965年の作品ですので、ある程度のユルさはしょうがないところなんですけど
これだけ内容の無い作品を”何故撮ったのか?”もう、理解に苦しみます。

ただ、ロメロより数年早くゾンビを登場させている点はなかなか先見の明があると言うか
デタラメの中にも光るものを見せてるっていうのは良かったと思います。
メチャクチャ過ぎて伝説になってしまった作品ではありますが
まぁ確かにここまで突き抜けていればそれなりに観る価値はあるのかな~と思ったりもしますが...でもやっぱり無いな(笑)
みなさんも是生の貴重な90分を無駄にしてみてください!
ちなみに原作・脚本は”あの”エド・ウッドです。

追記...すいません。懺悔します。途中かなり早送りしました(笑)

「放送禁止 劇場版 ニッポンの大家族」・・・(566)

2010-06-12 00:54:58 | Weblog
「放送禁止 劇場版 ニッポンの大家族 Saiko! The Large family」Saiko! The Large family
監督:ベロニカ・アディソン
出演:ベロニカ・アディソン、他
2009年・日本・96分<レンタル>

<STORY>
カナダの女性映像作家、ベロニカ・アディソン。家庭内暴力、ひきこもり、家出など、ニッポンの社会現象になっている多くの問題を抱える、埼玉県所沢市の大家族・浦さん一家にベロニカは密着していった。ニッポンが抱える問題、家庭内のいざこざ、それに立ち向かう家族の姿を見てベロニカは思う「あなたたちはサイコーです!」と...あなたには隠された真実が見えるだろうか?

不定期に放送されるフェイクドキュメンタリー「放送禁止」の劇場版第二弾。
前作は「放送禁止6」の続編的作りだったのですが、今作は「放送禁止2」の続編的な作りになっております。
おそらくキャストは替わってると思いますが、家族構成や名前などはそのままで7年後という設定になっています。
「放送禁止2」が放映されてから大体7年くらいですし、失踪している(ということになってる)前夫が「死亡扱いとなり保険金が下りる」のが7年ということもあるからでしょう。

あまり詳しく書くとネタバレになるんでこの辺で止めておきますが、
このシリーズはなかなか面白いので、できれば「放送禁止1」から(DVD出てます)
順番に観ていただきたいですね。その上で劇場版2本を観ればより楽しめると思います。
私はたまたま深夜に放映していた「放送禁止2」を観たのですが、その時はまったく前知識が無かったので非常に怖かった思い出があります。
ある程度このシリーズがわかってくると、大体がダジャレで構成されてるんで(笑)
時々あまりのやりすぎに思わずツッコミを入れてしまいそうな時もありますが
少なくとも現在のテレビドラマ界の異端であり面白い実験をやってるドラマではあると思いますね。
劇場用映画でやる必要はあったのか?とは思いますが、今作もなかなか面白いので
シリーズのファンの方にはオススメです。
シリーズ(少なくとも「放送禁止2」)を知らない方は多分意味がわからないと思うので
今作をご覧になる前には予習をオススメします。

ちなみに今回、監督がベロニカ・アディソンということになっていますが
実際は多分シリーズを手掛けている長江監督が撮ってると思います。
あといつものことですが一応「ドキュメンタリー」ってことになってるので
出演者については一切クレジットはありませんでした。

「新宿インシデント」・・・(565)

2010-06-09 02:47:14 | Weblog
「新宿インシデント」THE SHINJUKU INCIDENT/新宿事件
監督:イー・トンシン
出演:ジャッキー・チェン、加藤雅也、峰岸徹、竹中直人、ファン・ビンビン、ジェイシー・チェン、ダニエル・ウー、シュー・ジンレイ、他
2009年・香港・119分<レンタル>

<STORY>
日本海沿岸の若狭湾に中国からの密入国者たちが上陸。その中に、日本留学したまま行方知れずの恋人シュシュを探しに来た鉄頭の姿もあった。先に密入国していた阿傑ら同郷の仲間たちと新宿で暮らし始めた彼は、ある日、自分が働くナイトクラブでシュシュの姿を見かける。彼女は、新宿を取り仕切る三和会幹部・江口の妻・結子として暮らしていた。その事実に衝撃を受ける鉄頭だったが...

ジャッキー・チェン主演、日本を舞台にした香港映画です。
現代の作品ではありますが、昭和40年代頃のヤクザ映画っぽい感じですね~
アクションはありますがいわゆる”バイオレンス”もので、ジャッキーはカンフーどころかいつものアクロバティックなアクションもほとんど封印しております。
そういう点や題材も含めてかなりシリアスな作品です。

不法入国した中国人が生きていくために裏社会の仕事に手を染めてゆく話なんですけど
戦後の復興の中でのし上がってゆく「仁義なき戦い-第一部-」を思わせるような内容で
昔ヤクザ映画にハマッてた時期があったので、個人的には結構楽しんで観れました。

ただ、ジャッキー扮する鉄頭が日本に来るキッカケとなった恋愛話はまとめ切れなくて却って蛇足的な印象を与えてますし、
まぁなんと言っても日本を舞台にしてるだけに、我々日本人が観ると違和感も多いです。
竹中直人が日本の刑事役でなかなか美味しい役どころで出演してまして、一番日本語のセリフを喋る役なんですけど
そのセリフが文字通り芝居がかってると言いますか、何かミュージカルを観てるような違和感を感じましたね(笑)
普段日本語以外の作品を観ていてもそんなに違和感は感じないのですが、もしかしたら外国の監督が全て日本語で映画を撮ったらこんな感じになってしまうのでしょうか?まぁ良いブレーンがいなかっただけでしょうけど...

全体的に古臭い感じで...私はそこが懐かしいヤクザ映画っぽくて良かったのですが...人によっては退屈に感じるかも知れませんね~
しかも重くて暗いんで、特にジャッキー・ファンということで今作を観られるとなかなかツラいもんがあると思います。

「ヘルボーイ ゴールデン・アーミー」・・・(564)

2010-06-07 01:57:55 | Weblog
「ヘルボーイ ゴールデン・アーミー」HELLBOY II THE GOLDEN ARMY
監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ
出演:ロン・パールマン、ルーク・ゴス、ジェフリー・タンバー、ジョン・ハート、セルマ・ブレア、ダグ・ジョーンズ、ジョン・アレクサンダー、他
2008年・アメリカ・119分<レンタル>

<STORY>
極秘機関・BPRDのエージェントのヘルボーイは、恋人のリズや水棲人のエイブと共に怪事件の捜査にあたっていた。ある夜NYのオークション会場が凶暴な怪物に襲われる事件が発生。ヘルボーイたちはなんとかこれを退治するが、人前に姿をさらしてしまう。その頃闇の世界ではヌアダ王子が人間を抹殺すべくゴールンデン・アーミーの復活を目論んでいた...

「ヘルボーイ」の続編。
アメコミの映画化作品なのですが、前作を観るまでその存在は知りませんでしたし
原作自体は未だに読んだことありません。
まぁそういうこともあって、正直言って前作を観た時はヘルボーイに全く感情移入できないというか全然魅力を感じられませんでした。

今作では見慣れたといいますか(笑)まぁ前作を観た時のような違和感は無かったですし
「パンズ・ラビリンス」の成功も関係してるのだと思いますが
お金の掛かったわかり易いエンターテイメント作品に仕上がってました。
キャラの性格付けや大きな流れは前作と同じくかなりコミカルタッチで
キャラ造形の不気味さに反して(笑)結構子供向けっぽいノリです。

ただ、ハルクなんかもそうなんですけどキツい色のブサイクなキャラがヒーローって
ウルトラマンや仮面ライダーに馴染んでいる日本人にはちょっと理解しづらいかな~って思いますね。
少なくとも私はヒーローって見た目もカッコよくあって欲しいです。
まあでもきっとデル・トロ監督はこういうクリーチャー映画を撮るのが楽しいんでしょうね~

とりあえず前作に比べると(見慣れたこともありますが...)面白くなってると思います。
ただ、最近の同じくアメコミ原作の「ダークナイト」や「ウォッチメン」なんかと違って
かなりマンガチックなノリなので好き嫌いは別れるかな~っと...
続編が作られたってことはそれなりに人気のあるシリーズなんでしょうけど
デル・トロ監督にはもっとシリアスなタイプの作品を撮ってもらいたいですね~

「変態男」・・・(563)

2010-06-05 00:20:18 | Weblog
「変態男」ORDINARY MAN
監督:ヴィンセント・ラノー
出演:カルロ・フェランテ、クリスティーン・グルロワ、ステファン・リベルスキー、オリヴィエ・グルメ、他
2005年・ベルギー=フランス・103分<レンタル>

<STORY>
優秀なサラリーマンであり、良き父親であり、優しい夫であるジョルジュ。ある日、彼は発作的に人を殺してしまう。自分の行為に怯えながらも、被害者の恋人を監禁し、いつもの日常を過ごそうとするが...

”変態シリーズ”(笑)第二弾。
ちなみに発売元のキングレコードが勝手に付けただけで、シリーズの作品同士に関連はありません。

邦題は「変態男」ですが原題は「ORDINARY MAN」...まぁ普通の男、平凡な男といった感じでしょうか?
内容は正にそういう感じで、普通の男が家庭が上手くいってないことにムシャクシャして
カップルの男を殺し、女を監禁する、という変態的と言えば変態的なんですけど
いつ自分がそういう立場(被害者でも加害者でも)になるかわからない、そういう意味では結構社会派のスリラー作品です。

冷え切った家庭、友人と不倫している妻...そのストレスが最終的に悲劇を引き起こすという、日本なら2時間ドラマ的なストーリーではありますが(笑)、ベルギー(?)の田舎町が舞台なのでヨーロッパ的な寒々とした感じが結構良い雰囲気を醸し出しておりますね。
ただ、「変態男」というタイトルとは裏腹に結構マトモな作品ですので
「変態村」を観た時のような衝撃は正直言って無かったです。

いくつかツッコミどころがあります。まず、なぜカップルの女性だけ殺さなかったのか?
結局これが後々面倒なことになるわけですし、男の方は殺したのですからいっそ二人とも殺してしまうっていうのが話が早いと思いますけどね~...少なくとも私が犯人ならそうしてると思います。
あと、最初のシーンで犯人の車がカップルの車を煽るんですけど、結構まわりに車が走ってるんですよね~道をはずれた場所とはいえ、あんなところで人殺してバレないもんなんでしょうか?
ラストは賛否別れるところだと思いますが、今作も”愛”のドラマであると考えればまぁアリかな~と...かなり歪んでますが(笑)
そう言えば「変態村」も歪みに歪みまくった愛のドラマだったので、このシリーズはもしかすると裏テーマとして「愛」があるのかも知れません。

ちょっとネタバレになりますが(ストーリーには一切影響ないです)...もし「変態男」というタイトルが”刑事”を指しているのであれば、ちょっと深みのあるタイトルに思えてきます(笑)気になった方はご覧になってみてください。